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オマエ、それ、サバンナでも言えんの?

人生の不条理を描いているとされる旧約聖書のヨブ記。

そのなかで、神はユーモラスに、ヨブにこう語りかける。

ねえ、ダチョウの世話してるの、だれだか知ってる? 神だよ、って。

今日の聖書の言葉。

あなたがたのうちでいちばん偉い人は、仕える者になりなさい。
マタイによる福音書 23:11 新共同訳

もし自分が四畳半一間に住んでいて、そこでダチョウと同居しなければならない、と想像した場合、絶対、無理だよなあ、と最初からあきらめてしまう。つつかれ、かじられ、蹴り殺されてしまうだろう、自分。

鳥類最強の鳥であるダチョウの面倒を見る。それも、一匹や二匹(鳥類だから一羽、二羽?)じゃなく、世界のありとあらゆるダチョウの世話をする。それが、神だ。

神が面倒をみてるのは、それだけではない。ライオン、山羊、鹿、野牛、タカ、ベヘモット、レビヤタン。そして、地球の生き物だけではない。この宇宙のいったいどれだけの存在に神が心を注ぎ、手をかけているのか。想像すら、できない *。

なので、神にとってのデフォルトの状態、神の基本的な属性というのは「仕える」ことなんだと思う。

しかも、神でーす、と言って、テレビや新聞やYouTubeに登場することは、決してない。世界のバックヤードで、永遠の昔から、永遠の未来にいたるまで、ありとあらゆる存在のために世話を焼き続け、それを、だれにも知らせることなく、お隠れになっている神。まあ、まんま神が登場するヨブ記は、例外中の例外だろう。

そういう神が人となったのがイエスだから、あたりまえのように、この言葉を語ったんではないかと思う。

あなたがたのうちでいちばん偉い人は
仕える者になりなさい

自分の中に、偉くなりたいという気持ちが無いかと言ったらウソになるけど、偉くなりたいなあ、とちょっとでも思う時は、こう言い聞かせることにしている。

自分、それ、サバンナでも言えんの? って。

註)
*  Cf. ヨブ記 38:39-41:34

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