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火星移住でいちばんネックになるメンタル問題。。。それに解決策はあるのか、っていう話です。

人類には開発できるフロンティアが、もうあまり残っていないのではないか? ということから、経済成長を持続させるために必要な次のフロンティア探しがブームになっているわけだけど(関連記事

その「開拓者」のひとり、Tesla のイーロン・マスク氏は火星移住を目指してロケットのテストを繰り返している。このプロジェクトが実現する上での最大の問題は、火星旅行は既存のジェット推進技術だと片道1年かかってしまうことだ *。

そうなると、技術の問題以上に、メンタルの問題が浮上して来ることになる。狭い宇宙船に1年も閉じ込められる中で、移住者たちは良好な人間関係を保てるのかどうか。まあ、無理だろうと思う。だって、オープンスペースの地球上ですら、人間関係は難しいわけだから。。。そうそう、サイバースペースでも、ね。

この問題の処方箋を探すために、いま、地球上では宇宙船を模した疑似空間に被験者たちを閉じ込めて、どんな反応が出るかモニターするテストが行われている。EUとロシアが共同で行った実験「マーズ500」では、なんと最長520日間閉じ込められたんだって。おそロシア。。。

火星旅行に出発したとして、万一船内で殺人事件とか起きちゃったら、どうするの? 宇宙での司法警察員は? 宇宙で適用される法理は? それを裁く宇宙の第一審管轄裁判所は? ちょっと考えただけでも問題だらけだ。

そして、それは、火星に到着した後もずっと続く問題だよね。だって、赤い荒地にコミュニティーを作って、うまく運営して行かなきゃいけないわけだけど、それをやるのは、ぜーんぶメンタルを持った人間なんだから。

今日の聖書の言葉。

わたしを苦しめる者はわたしの骨を砕き 絶え間なく嘲って言う 「お前の神はどこにいる」と。
詩編 42:11 新共同訳

コミュニティーが危機に直面した時、そこに、いろんなメンタルの反応が起きて来る。典型的なのは、コミュニティーの「旗印」として機能して来た価値観を、固守しようとするひとと、放棄しようとするひとと、二つに分かれてしまうことだよね。

イスラエル・ユダヤ人のコミュニティーの場合、「神」を旗印に結束していたわけだけど、大厄災に繰り返し見舞われるなかで、彼らのメンタルは揺り動かされた。その結果、二つの反応、いや、三つの反応に分かれた。それは。。。

それでも自分は神を待ち望む、というひとたちと。。。
こんなことなら神を捨て去る、というひとたちと。。。
二つの声の間にはさまれて、逡巡するひとたちと。。。

今日の聖書の言葉は、そういう声のひとつを代表しているんだろうなあ、と思う。

わたしを苦しめる者はわたしの骨を砕き
絶え間なく嘲って言う 
「お前の神はどこにいる」と

地球というオープンスペースの上で、人間はありとあらゆる種類のコミュニティーを作って生きているけれど、その中にはうまく回らなくなって「旗印」を取り換えるコミュニティーもあれば、存続できなくなって消えて行くコミュニティーもあるよね。。。

じゃあ、どんなコミュニティーが、いちばん生き残れるコミュニティーなんだろう? これは、まあ、簡単には答えの出ない問いだろうとは思うけど。。。

でも、大厄災に直面して、意見の対立や路線の違いが噴出して、「旗印」の存続そのものが危ぶまれる状況に追い込まれて、それでも、だれも切り捨てないで、コミュティーとして再生し続けられるような。。。何度でも再生し続けられるような。。。何千年でも再生し続けられるような。。。そんなコミュニティーがあったら、最強だよね。

あるんだろうか、そんなのが。。。

メンバーの裏切りが起きて、最悪の状況のなかで「旗印」が回復できない形で破壊されて、みんなコミュニティーを捨てて逃げ出そうとして、ところが、所与の条件をすべて無視する形で(つまり奇跡的に)「旗印」が復活して、裏切ったメンバーも無条件に赦されて、見事に再生を遂げるどころか、どんどん増殖に転じて、世界に広がって行くようなコミュニティー。。。

もし、そんなコミュニティーがあったら、それこそ、地球から火星に持ち込むのに一番良いかもしれないねー。

食事が終わると、イエスはシモン・ペトロに、「ヨハネの子シモン、この人たち以上にわたしを愛しているか」と言われた。ペトロが、「はい、主よ、わたしがあなたを愛していることは、あなたがご存じです」と言うと、イエスは、「わたしの小羊を飼いなさい」と言われた。
ヨハネによる福音書 21:15 新共同訳

註)
*  トカマク型反応炉を使ったプラズマ原子力エンジンを使えば、火星への片道が最短3か月で行ける、という見込みがあるらしい。イーロン・マスク氏も真剣に検討するに違いない。


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