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アセスメントは難しい。

 相談員をしていて、計画を立てるときやサービスを利用するときに必ず必要となってくるアセスメント。

 「認定調査」ではないよ。
 認定調査は、要介護認定区分だったり、障害支援区分を判定するものだから、アセスメントにはなりにくい。だけど、調査の結果については、市役所に請求すれば、確認できるようにしていることが多いと思う。

 でも、福祉サービスではそれぞれのサービスでの「アセスメント」がある。まずは、簡単に説明はこちらを参考にしてください。

アセスメントとは、介護過程の第一段階において、利用者の課題分析をする為に、何を求めているのかを正しく知るために行われる評価や査定のことを示しています。
ちょっと難しく感じるかも知れませんが、つまるところ介護アセスメントは、利用者の現在の状態をよく知り、利用者が何を求めているのか、希望・要望を掴むために行われます。

 アセスメントで気になることはいくつかあります。

 ①全国共通様式でないため、事業所ごとでの独自の項目での聞き取りができる。
 ②サービスごとでの聞き取る内容が異なっていることがある。例えば、訪問系サービスではADL(日常生活動作)や生活習慣を中心に、就労系サービスでは就労スキルやマナーを中心に、入所系サービスでは生活能力やIADL(手段的日常生活能力)を中心に、医療系サービスでは医療的ケアを中心に。基本になっているのは「課題分析標準項目」で「基本項目」と「課題分析」に基づいている。介護保険サービスにて使われることが多いけれど、障害福祉サービスでも参考にできている。
 ③アセスメントをする人の技量や視点で、聞き取り方や記録の方法が異なっている。どうしてもアセスメント実施者が気になるところを聞いてしまうね。
 ④特定の職員しか「書けない」「見れない」状況になってしまうことがある。
 ※③④は研修の中で周知することで解決するとは思いますが。
 ⑤本人の「その時の状況」を聞き取ることが多いため、体調や気分、生活の変化で回答が変わってきている。また、本人の変化があった時に聞き取るにしても、アセスメントの内容が更新されるまで、状況が変わっていないように思われてしまう。

 こうなると、利用者が別の事業所を利用したいとなった時に、情報の共有ができない。僕がサービスの調整をしたときでも、AからBに変わった時でも、同じようなことを聞きとっていることがある。まぁ、聞き取り項目は事業所ごとで調整できるから、しょうがないけどね。別の事業所にとっては「うちらが使っているアセスメントを使われ(盗まれ)たくない」「真似されたくない」と思っている感じはある。
 また、同じ法人内でもサービスが違うとアセスメントは違うことがある。同じ法人内であれば共有したいんだけどね。ちなみに、監査のときでは「書類がそろっているか」は調査することはあるけれど、内容までは細かく見ることは少ないと思います。きちんと揃っているし、できていることを前提としているね。
 だったら、市町村であれ、法人であれ、「これにする!!」と決めてくれたらいいのにね。

 アセスメント様式は、インターネットで探すとあふれるほど存在している。僕も、一つに決められたら良かったんだけど、なかなかできずにふらふらしていました。全サービスに対応できているような様式もありましたが、聞き取る項目が4ページ分あって、大変だと思い、ネット情報で「あそこのアセスメントは使いやすい!」という情報があれば、見てみるけど、なんとなく使いにくい。聞きたいことが載っていなかったり、もう少しつっこんで聞き取ってほしいと思ってしまうから「付表」という形で追加したこともある。全サービスで使えるというのは、さすがにわがままなのかもしれません。

 僕がアセスメント様式で使いやすいと感じてしまうのは『チェック欄』と『自由記述欄』の割合です。チェック欄が多すぎても本人の状況をとらえていない気がしてしまうし、自由記述欄が多すぎても書く分量が多くなって細かくなり分かりにくくなったり、「できる」「できない」等の分類に迷うかもしれない。
 そうなると、認定調査みたいな様式(「特記事項」として追加で記入できる)が理想みたいに思えてきました。
 利用者としては「何度も同じことを聞かれる」と思っていたり、聞かれたくないことも聞いてしまっているかもしれない。
 もちろん、聞く必要がない項目もあると思ったりもしています。でも、本人とどこかでつながっている。

 うーーーーーん。

 「アセスメント」っていい加減になってしまうことはありませんか?
 サービスごとに「できる」「できない」が全く違う結果になっていて、戸惑うことがある、のか。
 時間をかけて行なっても、日々変わるから、参考にならない、のか。

 でも、計画をたてる「基本」であり、いい加減にしてしまうと、計画にも日々の支援内容にも響いてくる。そして、基本だからこそ「変化」には気付かないといけない。
 気をつけるのは、アセスメントはあくまでもサービスを利用するためのもので「本人の分析のすべて」が分かると勘違いしない事。

 えっ、

 だったら、サービスを利用するために本人は都合の悪いことは言わないこともできるってこと?
 アセスメントをしっかりできていれば、そんなこと心配しなくていいよね。

 

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