国保連の請求システムを導入してみた件【障害福祉サービス】

 昔々、相談員でありながら、請求業務もしていたときの話である。因みに、介護保険での介護請求事務に関しては、通信教育で勉強していたので、苦ではないとは思ってはいたものの、介護保険サービスでの請求と障害福祉サービスの請求では細かいところが違っていて、最初は困ったこともありました。

 請求業務としては、障害者自立支援法のころから関わっており、請求ソフトもあったけれど、使っていなかったこともあり、その時ははっきり言って面倒だった。
 まずは、紙での請求書類なので、相手が読みにくいといけないので、これまで別の人が手書きだったのを、パソコン打ちに変更する。ただ、単位数や書類を前任者(管理者)がしっかりと教えてくれず、「市の福祉課に聞いてくれ」とのことだったので、ある程度分かっているところは書いたうえで、FAXで送り、担当者とのやり取りをして完成させていました。
 利用者によっては、利用者負担額が定められており、その金額を超えないように調整をしたり、関係事業所との金額をやり取りをする。しかも、期日は10日というのは、全国どこでも同じだから、他の事業所も取りまとめの事業所から連絡がないと請求ができない。

・・・そんな時代がありました。

始めました・・・

 そして、障害者総合支援法になるころ(だったかな?)に、国民健康保険団体連合会(国保連)から、請求ソフトのCD-ROMが届き、使い方の説明書はただただぶ厚い。だから、全部は読めず、必要な所に付箋を貼っていく。

 まず、事業所登録。
 困ったのは、自分の事業所がどんな加算を取っているか分からない。自分の関わっている部署のは分かるけれど、他のはあやふや。だから確認しながら進める。しかも、市役所に届け出しているもので登録しないと、後で返戻やエラーが出てきてしまう。
 また、毎年4月の段階で加算の見直しや届け出を行なっているので、情報の見直しをする。それと同時に、インターネット経由で請求ソフトの最新バージョンを入手しなければならない。バージョンアップをしないと請求作業にも取り掛かることができない。

 次!

 利用者一人一人の基本情報の登録。
 受給者証を確認しながら、入力していく。ただ、打ち込んでいけば良いだけではあるけれど、手元にある受給者証が最新のものでない時には、現在の状況と変わっているかもしれないから、確認をしないといけないね。
 また、受給者証は申請書やサービス利用計画を市役所に提出しないと送られてこないから、いざ請求作業に取り掛かるときになって、「あれ、期限が切れてる?」と気付いて、本人に確認しても届いておらず、市役所に聞いて「書類(申請書、サービス利用計画)が届いていないので、(受給者証を)送っていません」とのこと。
 担当に聞くと、「送ったはずだけど・・・」と言うものの、原本が送っていないことが分かって急いで送り、でも間に合わず、来月に請求となることもありました。
 また、請求業務をしていて、悩ましいのは、利用者を登録していくけれど、サービスごとでの登録だから、利用者の基本情報を何回も入力する必要も出てくるし、サービスごとでの日数や時間、加算の有無が変わっているから、細かなチェックが必要になる。

いざ、進めていくと・・・

 そして、一通りの登録が終わったところで、サービスごとでの請求業務に取り掛かる。
(ここでは、請求ソフトでの明細書・請求書の作り方を説明はしません)

 集中してやろうと思ったら、1日あればやろうと思えばできる!パソコンでの作業になるから、その場からなかなか離れられない。そして、途中で横やりが入ると改めて気持ちを立て直さないといけない。
 また、ある程度、目処がついたところで安心してしまい、間違えて「クリアキー」を押してしまう・・・。途中で一時保存はされているものの、もう泣きそうになっている。 

 エラーが出てきたときには、説明書を見ながら修正はしていくけれど、ぶ厚い説明書のQ&Aをみても、コード表で間違っている理由は載っているけれど、対処方法は載っていない。
 もう一度、翌月に同じものを送ると、エラーが出てこなかったり、出てきたりする。
 そして、エラー理由の一つとして事業所での「加算の有無」が入力されていなかったこともありました。加算の届出をしていることを知らずに、入力してしまう。エラーが出て、ようやく教えてくれるということもありました。

 じゃあ、国保連に電話やメールで聞けばいいじゃんと思うかもしれないが、1日~10日は電話してもつながらないことが多く、まずは送信してしまおうということで強引に進めていました。
 どうしても分からない時には、都道府県の担当に電話していました。ただ、折り返しの対応のことが多かったです。

 昔の話なので、今では大分修正され、使いやすくなってきたと思っています。ただ、請求する時にも、コミュニケーション能力は必要。関係事業所、職場内、利用者との関係を良好にしておかないと、後で「言った」「言わない」にもなるし、足並みがそろわずに問題になることもある。
 「慣れてしまえば」と思うかもしれませんが、一つの誤入力でエラーになる、時間のロスになる、収入が減る、利用者の負担が変わる・・・などと思えば、慎重に行なっていきましょう。

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