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サービスが置いていかれる

 福祉サービスには、それぞれの「役割」と「目的」と「利用者の条件」がある。

 また、時代とともにサービスが生まれて、変わってくることがあります。そのサービスは、利用者や支援者を悩ませることがある。要するに「サービス」が「社会や生活」に合致しているのか言うと分からないし、利用者の要望に応えられていない時もあるのではないだろうか。

サービスを追い越してしまう人

 利用しているサービスが物足りずに、どこかで不完全燃焼で、自分の能力を過信して、求められていること以上のことをしよう(させよう)とすることがある。例えば、障害福祉サービスでの「就労継続支援事業」では、就労支援が中心であるが、他の利用者の管理を任せてしまっていたり、支援していくと計画書に書かれているよりも「できているように」見えてしまうため、無理をしてしまうかもしれない。

 追い越してしまうことで、支援員としては「次に行なうこと」に悩んでしまうし、これまでの復習を何度もやらせていては、モチベーションが下がってしまう。

サービスに追いつけない人

 できると思って始めたサービスであっても、自分の能力ではできていないことが多くて、本来のサービス以外に少し手間がかかることがある。きちんと教えてもらって、進めているはずなのに、やっていることの意味が分からない。やっていることが高度なことかもしれないけれどね。

 追いつけなくなると、本人も自信を無くし、ますます追いつけなくなる。ただ、支援する中でのちょっとした環境や条件を整えていくと、追いついてくる。1人だけの環境や条件では支援員も他の利用者も混乱するかもしれない。

ちょうどいいサービスとはどんなことを言うのか

 どちらにしても言えるのは「何でそんなことまでするの?」という状態です。

 サービスは「利用する人」がいないと成長しないということがある。では、サービスを使う人が多いから、必要とされているのか。サービスを使う人が少ないから、必要とされていないのか。

 そんなことはないと思う。

 使う人が多いのは「それしか適当なサービスを提供してくれることができないから」「事業所が多いから」なのかもしれない。
 使う人が少ないのは「時代に合っていないから」「サービスの内容があまり知られていないから」「そもそも事業所が少ないから」なのかもしれない。

 利用者、サービス、スタッフが悪いわけでもなく、組み合わせたときのズレみたいなもので、支援の満足度や必要性も変わってくると思います。

 では、事業所としては「利用者に合わせて」サービス内容を変えてもいいのだろうか?

 不可能ではないと思う。
 ただ、変えてしまったことで、市としては「別のサービスで対応してほしい」と言われてしまうかもしれない。サービスの種類を変えること(例えば、就労継続支援→生活介護)は難しいことではない。だけど、本人のモチベーションが変わってくるし、サービスを利用する理由は計画書に書いたはずなのに、きちんと伝わっていないもどかしさもある。
 また「利用者に合わせる」ことで、社会に合わなくなることもあるので、どこまで融通を利かせるのかがポイントですかね。

 心配なことは、他の事業所に移った時に、これまで行なってきたことが全く役に立たなかった時である。同じような支援をして欲しいと言われてもできないことが多い。

地域性

 こうやって書いていくなかで、ふと考えたのが「地域性」というものである。農業が盛んな地域、工業が盛んな地域、都心、郊外、住宅地、高齢化率、で福祉サービスに求められている役割や位置づけが変わってきていると思います。同じようなサービス内容、支援内容で行なっているはずが、AとBの地域では雰囲気が違ってくることがあります。また、地域特性によっては、同じようなサービスを行なっていることはあるかもしれないが、ここで他の事業所との差別化で、サービスをちょっと変わったことをしようとすると、利用者間の能力の差が出てくるかもしれない。


 いろんな心配事をなくすためには、まずは「事業所で行なわれているサービスを知る」ことが必要ですね。

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