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福祉職としての春

春、それは何かが始まるとき

春、それは何が終わるとき

春、それは福祉としては憂鬱なとき

 新入職員が入ってきて、色々教えなくてはいけない。現場としてはどんな人が入ってくるかは分からない。全くの新人かもしれない、他の施設で働いてきたベテランかもしれない、でも、ベテランであっても辞めた理由までは分からない。介護や福祉では、働き始めた時期をちゃんとフォローしておかないと、辞めてしまうことが多いから、余計に気を遣う。
 そんな不安な時期でもある。

 新人職員が入ってくると同時に、新規利用者も入ってくる。介護保険サービスの場合は、利用開始の時期は色々だと思うけれど、障害福祉サービスの場合は、特別支援学校を卒業した利用者も入ってくる。ただ、地域によっては、卒業した翌日以降に利用できることがあるかもしれません。職場実習として来ていたことが多いけれど、ただ「学生」とは違うから、接し方も違ってくる。はっきり言って「一から教える」となるかもしれない。
 そんな神経を遣う時期でもある。

 また、新規の利用者ばかりに気を取られてはいけない。今、利用している利用者にとっても変化がある。「新しい職員が来る」「新しい利用者が来る」と心配になったり、不穏になる利用者も出てくるかもしれない。急に利用できなくなったり、作業のスピードが下がってしまうこともあるかもしれない。
 精神障がい者では、季節の変わり目などの変化の多い時期に調子を崩す人もいます。サポートもしながら、ゆっくりと落ち着かせていく。薬が急に効かなくなったり、やる気が無くなったり、一時期かもしれないし、3か月くらいかもしれない。

 上記のように、利用者や職員に変化が現れてくる。信頼関係を築くまでに「3か月」である。その期間に周りに気を遣うことができるのか、が重要ですね。
 ただ、「福祉サービス」としては、職員にも利用者にもそれなりに厳しくしないと、その後が困りそうな感じでもある。しかも、そんなに暇ではないから、ちょっとでもタイミングが悪いと、ぶっきらぼうに答えてしまい、関係が悪くなってしまうこともある。
 そんな繊細な時期でもある。

 そして、別れの時期でもある。
 職員さんが辞めてしまう。3月末と言うのは「区切りが良いから」とは言うけれど、契約で切れることもある。理由はいろいろ。だけど、痛みを伴う変化には、去る方も残る方も傷を遺す。
 また、これまでの生活からの別れもある。立場や役職が変わることで、生活スタイルの変化もある。
 でも「痛みを伴わない変化」って何だろうね。お互いに納得した上での変化なのかもしれません。

 また、運営や請求でも忙しい。

 毎年2月ぐらいに、介護報酬改定について分かってくる。でも、詳細が分かるのは、3月以降だから、そこが分かるまでハラハラ、ヒヤヒヤ。だけど、分かったからと言っても、すぐに請求に反映されるわけではない。3月の中旬以降に、加算の届け出の申請書を作成していく。申請書は、毎年提出しているけれど、報酬改定の内容によって変わるから、様式は同じと言うわけではない。提出は4月中旬ではあるけれど、3月の請求事務を4月10日まで行ないながら、書類を作成していくから、自然と忙しくなっていく。もちろん、修正があれば、直して再提出である。
 また、介護職員処遇改善加算の申請も行なっていく。加算の届け出と同じ時期に提出と言う地域もあるかもしれないですね。この書類も、加算の金額をしないといけないから面倒でした。しかも、提出が5月10日まででした。ということは、5月も請求をしなから、書類を作成するということが続いている。この時期は、いわゆるゴールデンウィークだけど、そんなこと関係ない!書類をちゃんと出さないと加算が取れないから、一生懸命である。もちろん、修正があれば、再提出です。
 そんな混乱する時期でもある。

 春だから、特別気にすることはないとは思いますが、ただ、顔を上げれば、新しい風景が広がっています。
 自分も春の風に背中を押されて、前に進んでいきましょう!

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