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ドラマ『下剋上球児』を観ると何故か泣けるのだ

TBSの日曜夜9時のドラマ枠。
過去数々の名作を放映してきましたが、この10月期の日曜劇場ドラマがヤバい。
『下剋上球児』

今年の日曜劇場ドラマ『ラストマン 全盲の捜査官』『VIVANT』
(どちらもツッコミどころは満載なれども面白かった)の流れで、そんなに期待せずに観はじめた。
鈴木亮平が地上波ドラマに出演するんなら観なくちゃな、くらいの感覚だった。

鈴木亮平は大好きで『HK 変態仮面』から『孤狼の血 LEVEL2』まで善と悪の吹っ切れ具合、『ひとよ』の気の弱い小市民まで、なんと振れ幅の大きい役者さんなんだと。
しかも上背も大きくて英語が堪能ということなので、ぜひともハリウッド映画に出る鈴木亮平が観たいと常々思っているくらい。

そんな感じで観はじめたドラマなのに、どうだ!
毎週大泣きしてるのはどういうことだ?

どちらかというと、スポ根モノは好きじゃない。
野球ファンでもない。
大阪に住んでた子供時代は阪神タイガースを応援していたけど、それは土地柄。
少年野球は少しだけやっていたけど、それは昭和のあの時代だったから。
高校野球なんて全く見ない。
団体スポーツがそもそも好きじゃない、むしろ嫌い。
だいたいバンドマンは協調性なんてないからな!

なのにどうしてこのドラマ『下剋上球児』では毎週泣けるのか?
しかも、ほら泣かせるぞ〜、みたいなエピソードがまんまとハマるのだよ。
ただのおっさんだからなのか?
昭和のおっさんの琴線に触れるだけなのか?

全くの前情報なしに観はじめたたんだけど、あまりの漫画っぽい展開に勝手に原作マンガがあるんだと思っていたら違っていた。
しかも、これは実話が原案だというではないか。
高校野球を観ないから知らなかった。
2018年夏の甲子園に三重県立白山高校が初出場するまでを描いた『下剋上球児』というノンフィクション作品があって、
それにオリジナル要素をぶち込んで全くのフィクションにしたものらしい。

「三重県の弱小高校野球チームが多くの予想を裏切って甲子園に出る」
というモチーフだけで、鈴木亮平が演じる野球部監督みたく教員免許を持っていないなんて事件もなかったようだし。

なので、あくまでも独立したドラマとして楽しんで、毎週泣いている。

何がそんなに感動するポイントなのだろう?

誰からも期待されていなかった少年達が、自分達に真剣に向き合って認めてくれる教師や監督に出会って頑張っている姿とか。

小さい頃から野球の天才ともてはやされおじいの期待も背負って野球の名門校に入学するはずが、入学テストの点数が足りずに形だけの野球部がある高校に入学し絶望感に打ちひしがれている選手がやがて仲間と夢を取り戻す姿とか。

両親がおらず姉の稼ぎだけでは厳しいのでバイトをしながら高校に通う少年が、野球が好きで入部したがやはり続けられないとなったが教師のサポートもあって野球を続けることで才能を開花させる姿とか。

他にも登場人物のそれぞれが何かを抱えて野球に打ち込んでおり、それぞれのエピソードが回を追うごとに分かってくる。

そんなあれやこれやも確かに感動するポイントなんだろうけど、それだけなのか?

失敗した人間、過ちを犯してしまった人間、底辺だと烙印を押されていた人間、
そんな社会的にイケてない者たちが、努力をした結果「下剋上」を起こす、
そんなありきたりに思えるようなところがやっぱりぐっと胸に来るんだろうか。
それもこれも歳を重ねてきたからなのかもしれない。
実際、我が家では僕以外は誰もこのドラマは観ていない。
テレビを観ながら大泣きしている姿を横目でふふんと見ているだけだ笑。

さて、ドラマは年内で終わりだろうから今日を入れてあと2回、よくて3回?
(全何回なのかも調べていない、オイ!)

物語も佳境に入ってきた。
強豪校との県大会予選準決勝が今晩。
この高校はただの強豪校というだけでなく、何人かにとってはいわくつきの相手でもある。
そして、試合当日に野球部部長の女性教師が病院に緊急搬送される事態も起きた。
前日の練習で打球が当たった部位が悪化したようだ。
そんな波乱含みの今夜の展開。

結果は分かっている。
今夜、強豪校に勝って、来週県大会で優勝、出場権を得る。
そして、その翌週に甲子園出場第1試合。
そんな感じかなぁ。
だったら、あと3回はあるか。

「下剋上」と言っているし、「夏の大会に出場するまでの」というお約束なので、結果は分かっているのだけど、そこに至るまでのどういう経緯でどういうドラマが生まれるのかを期待してしまう。
タオルを用意して彼らを最後まで見届けよう。

<了>



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