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映画館の販促マーケティング・予告編上映について思ったこと(苦言)

以前から映画館へ行った時に、思っていることがある。
「もうちょっとなんとかならないものか?」
「 "中の人"は何を考えているのだろうか?」
 (または何も考えていないのか)

ミニシアターは別として、シネコンの多くは本編上映前に、企業CMとこれから上映予定の映画予告編が流されるが、その予告編のチョイスについてである。

企業CMは、まぁよしとしよう。
 例えばユナイテッド・シネマではauスマートパスのCMはうるさいくらい見せられるが、広告枠で出稿しているのだろうから仕方ない。

それにしても、auスマートパス、「いつでも映画が1400円」って宣伝しているが、いつもユナイテッド・シネマの会員に入会した方が圧倒的にお得なのになぁ、と思いながらCMを見ている。
(入会金は必要だが次回無料チケットがもらえるし、毎回1200円だし、何回か行けば2ポイントで1000円だし)
自社の会員入会へ誘導するより他社のauスマートパスを宣伝するということは、そちらの方がもっと実入りがいいのか?とか不思議な業界裏構造が気になってしまう。
やっぱり世の中の経済はCMで廻っているのかぁぁ!!とか。

ま、それは置いておいて、予告編だ。
なんだかなぁ?頭使ってないなぁ、と思う具体的な例をいくつか挙げてみる。

まだ子供が小学生だった頃、何の映画だったかなぁ、ヤッターマン実写版だったような気がするが、その時の予告編がホラー映画だった。
で、結構グロいシーンも一瞬映されていて。
子供も観に行く可能性が大きい、むしろメインのターゲットが子供の映画の上映前予告編に、いくらどちらもレーティングなしだからといって、グロいシーンがあるホラー映画をチョイスするというのはどういうことなんだろう?と憤ったことがある。

そして、先日観に行った『BLUE GIANT』
その時の予告編が、明らかにティーンエイジャー向けのアニメだった。
確かに『BLUE GIANT』もアニメ作品だが、単純に「アニメ」だけで括るってどんだけイージーなの?って思った。
『BLUE GIANT』はアニメだが、どちらかというと大人向けのターゲットなのではないか?
実際、その日の来場者も年齢は高めでティーンエイジャーはほぼ皆無だった。
なので、その予告編は全く誰にも刺さっていなかったと思う。

それから、これも最近だが『デヴィッド・ボウイ ムーンエイジ・デイドリーム』
この特の予告編が『名探偵コナン』最新作。
ええ!!?どういうこと?と「?」が頭の中をずっと飛んでいた。
最後に、「IMAXで楽しもう!」のメッセージが出てきたので、あぁ同じIMAX繋がりだからなのか、と関連は理解したが全く意味のないものだと思う。
「IMAXだから観よう!!」
て、上映形態だけで映画をチョイスする人なんているのか?デヴィッド・ボウイのドキュメンタリーと名探偵コナンの最新作の来場者がどれくらいの割合で重なるという分析結果があるんだ?
不思議で仕方がない。

そして、これも最近の『シン・仮面ライダー』
この時の予告編の一本が『シン・仮面ライダー』だった。
これから本編で上映される映画の予告編を流して何の意味があるのか?
さぁ、これからだよ!って煽る意味があるのか?
あと3分座っていれば始まるのだから。
「本編始まるから席を立たないで!」っていう意味?
はっきり言って、無意味。

ここで具体例で挙げたどれもこれもが、予告編の枠の無駄使い。
映画の予告編はこれから上映される映画に是非観に来てね!というためにあるはず。
僕も上映前の予告編で面白そうだな、と思って後日観に行ったものは数多い。
なので、来場者の属性に合った適切な映画の予告編を流さないと全く意味がないのだ。
なので、このような怠慢は非常にもったいないことだと、普段販促企画に関わっている人間としては、業界違いの部外者ながら思わずにはいられない。

映画の予告編をチョイスするのは誰の役割なんだろう?
そのシネコンの支配人?それとも本部の企画担当者?
いずれにしても、やる気のないやっつけ仕事だとしか思えない。
本来、販促・マーケティングはターゲットペルソナを想定してその人にあったコンテンツを提供しないと効果は見込めないものだ。

上映タイトル毎にきめ細やかに予告編映画をプログラムのが面倒?
おそらく今のシネコンはデジタル上映なので簡単にできるはずだと思う。

それとも、上映映画毎にプログラムするのが面倒だから「アニメ」「邦画」「洋画」くらいのざっくりでしか区分けしていない?
いやいや、それでなくても入場者ってそんなに増えてないでしょ?少しくらい頑張ろうよ。

少なくとも、これから上映するスクリーンでは、その映画の予告編は外しておくくらいのことがなぜ出来ないのか?

やっぱり怠慢だとしか思えないな。
そういう上映・配給側の怠慢の積み重ねが、結果として映画を観る人が少なくなってきている要因の一つになっていると自戒するべきだと思う。

苦言を呈してしまったが、映画が好きだからこそ、こんなつまらないことで映画館の入場者が減ったりして、あげくにシネコン撤退・閉鎖なんてことになって欲しくない。

<了>


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