日比谷野音で思った、生身のパフォーマンスに勝るものなし
昨日の「祝・日比谷野音100周年 Sweet Love Shower 2023 in Tokyo」1日目の興奮がまだ冷めやらない感じで雨の日曜を過ごしています。
さて、昨日のnote記事はセット合間に思いつくままにiPhoneメモアプリに記入していたものだったんですが、今日は1日経って思ったことを書いてみます。
久しぶりにフェス的なライブイベントに行ったのですが、普段あまりチェックしていない色んなアーティストが出てくるこうしたイベントを観て改めて思ったのは
「やっぱりライブを観ないといけない」
そして、
「生身のパフォーマンスに勝るものはない」
この2つ。
もうね、それしかないです。
音源だけ聴いているだけではもちろんですが、Youtubeなどでライブ映像を観ていても、伝わって来ないものってライブにはあるんだなぁ、と当たり前のことを思ったりしたわけです。
そして、それはやはりデビューしたばかりの若手アーティストと長年ステージで鍛えられてきたアーティストはパフォーマンスの説得力という点で我々観客に伝わるものが全然違います。
例えば昨日の出演者、5アーティスト(グループ)ですが、それなりに曲を知っていたのは、くるりの岸田繁さんとサニーデイ・サービスの2組しかなかったわけです。
(CHELMICOは「Easy Breezy」だけ知ってたけれど)
それでも、昨日演奏した全曲を知っているわけではなかったですし、そういう意味では曲を知っている知らないというレベルではないところで、やはり伝わって来るものが違ったように思います。
例えば、オープニングアクトだった浦上想起・バンド・ソサエティ。
もちろん素敵なグルーヴの良い曲やノリの良い曲もありましたし、演奏が下手だったということでもなかったんですが、上手に演奏しているというだけで残念ながらそれ以上の感動というか伝わってくるものがなかった。
(変な意味ではないです、ごめんなさい)
よく知らないんですが、浦上想起というソロのライブ用ユニットですよね、おそらく。
で、バンド・ソサエティのメンツがパーマネントメンバーかどうかも分かりませんし、
リーダーでボーカルの浦上想起さんがキーボードを前にして演奏しながらパフォーマンスするという形態もあったり、
オープニングで場が温まっていない状況でのステージというのもあったでしょう。
そういう意味では他のグループとはそもそもアドバンテージをつけられていたんでしょうが、それでもやはりサムシングがなかったと感じました。
そして、2番手に出てきたCHELMICO。
女子MC2人組という華やかさも手伝って、彼女たちのオーディエンスとコミュニケーションしよう、自分たちを観た人たちに少しでもアピールしようという熱はビシバシと伝わってきました。
3番手の岸田さんは言わずもがな。
ギター1本と歌(とハーモニカ)だけで圧倒的な存在感がありました。
こんな事言うと失礼ですが、
「あれ?岸田さんってこんなに歌上手だったんだ」
そう思ったんです。
MCも少なめ、オーディエンスに媚びを売るわけでもなく、飄々とされていたんですが、パフォーマンス自体の迫力と存在感たるや。
ラスト「Ring Ring, Ring!」では客を笑わせながら盛り上げていくというパフォーマンス巧者ぶりがステージ慣れしているなと思わせてくれました。
トリ前のOKAMOTO'sは派手でしたね。
こんなこというとこれも怒られてしまいますが、ボーカルのオカモトショウさんは決して歌が上手い訳ではないと思うんです。
なので、ちょっと舐めていたところがあったんですが、出てくるなりそのパフォーマンスはもう完全にスター。
何と言ってもステージアクションが華やかで格好いい。
他のメンバーもライブパフォーマンスとしては熟れていて余裕が伺えますし、
サウンドもロック・バンド然としていて素晴らしかった。
応援団らしきファンが前方を陣取って盛り上げていたのかもしれませんが、それでも一番後ろから観ていても、会場全体のボルテージが上がっていくのは感じられました。
一緒に行った20歳の甥っ子もOKAMOTO'sのことは全然知らなかったようですが、セット中ずっと拳を振り上げていて、セットが終わった後はしきりに「格好よかった!」としきりに言ってました。
今回の出演者のなかで、一番予想を裏切られて見直したのがOKAMOTO'sでした。
ラスト、トリ。
サニーデイ・サービスはもう言う事はないですが、それでもこのトリオの演奏は凄かった。
実はYotubeでもトリオでのライブ映像はいくつも上がっていて、チェックはしていました。
なので、ラストの「セツナ」でのパフォーマンスも観てはいたんです。
曽我部さんのギターのアドリブとラストに向けてアンプでハウリングさせるとか。
でも、なんだか典型的な狙ったパフォーマンスというかバンドだけが自己満足でやっているというか、ちょっとそんな風に観ていたところもあったんです。
(これも怒られそうだな)
ところが、これが約1時間のステージを通して観てきたラストだと説得力があったんです。
単にパフォーマンスのためのパフォーマンスではなくて、全力でロックの初期衝動をトリオで1時間演ってきた結果、やっぱりラストはあそこまで行ってしまう、そんなところがこちらにも伝わって来た訳です。
そして、彼らのバンドとしての多幸感が観ているこちらを満面に笑みにしてくれて。
曽我部さんはギタリストとしては決して上手い訳ではないです。
多分同じ曲でアドリブを弾かせたら何倍も上手に演るギタリストはゴマンといるでしょう。
だけどロックを演るのに上手い下手なんて二の次なんだよ、それを体現していました。
あの声とあのギターとあのトリオで演っているから最高の歌がオーディエンスに伝わってくる、そういうパフォーマンスでした。
やっぱり、映像だけでは全然伝わって来ないものがある。
目の前でアーティストが発声した音、
ギターをかき鳴らすその音、ベースの低音、キックの響き、
そのサウンドが空気を震わせて身体に響いてくる。
やっぱりライブを観ないとそのアーティストの真価は分からないし、
生身のパフォーマンスに勝るものはない。
そんなことを改めて実感しました。
今日も2日目をやっているわけですが朝からあいにくの雨模様です。午後から少しましになったんでしょうか?でも座席も濡れているでしょうし、2日目参加している皆さんお身体気をつけて下さい。
<了>
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?