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読書は一期一会〜2024年6月分

「読書は一期一会」というタイトルで、毎月買った本を紹介する月例noteを投稿しています。

2024年6月分の雑誌・Kindle以外の購入した紙書籍を紹介します。
今月は14冊です!


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「最長片道切符鉄道旅」アンドロイドのお姉さん(SAORI)(イカロス出版)2024

はい、知る人ぞ知る。アンドロイドのお姉さんです!
みんな知っているのかと思いきや、うちの次男は知りませんでした。

「職業:フリーランスのアンドロイド」という肩書らしいSAORIさん。
今やYoutubeチャンネル「散歩するアンドロイド」は30数万超えの人気チャンネルですが、
最初は「東京ゲームショウ2017」でアンドロイドモデルをされた時のTwitter動画がバズったんですよね。
僕もその時に動画を見ました。

「何、今のアンドロイド技術、めっちゃ精巧やん」
て実際に人間のモデルさんだったんですが。
それから数年、Youtubeチャンネル動画がおすすめに来ていて、あぁあの時のアンドロイドの人だと。
動画のコンセプトがアンドロイドが旅をするというものなんですが、時たま入ってくるナレーションがテンション低めの関西弁なんです。
しかも、僕の地元に近い枚方パークに行かれた時の動画だったので、一気に親近感湧いて、それからも混乱極めるインドの寝台列車とか
「おいおい、そんなとこ一人旅危ないだろ」
みたいな動画で楽しんでます。

そんなアンドロイドのSAORIさんが日本一周、それもJRの最長片道切符で一筆書きのように駅を繋いでいくという旅記録の本を出版されました。
これはも読まないとです。

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「不便なコンビニ」キム・ホヨン(小学館)2023

はい、韓国文学です。
人名がカタカナで覚えにくいというマイナス要素(中華SFの登場人物全員見慣れない漢字よりマシかな)を除けば大好きです。

なんでしょうね、ここ最近の韓国文学。
とにかく面白いんです。

韓国という国自体が、凄まじい高度成長をしつつも、今の時代ですから自国内で完結せずにグローバルな色んな歪も韓国社会に影響を与えていて、
そんな諸々がどの作品にもしっかりと出てきているんですよね。

一度、韓国文学もまとめて紹介したいなと思っています。
そういえば、神保町にある韓国書籍専門のブックカフェCHEKCCORIさんも行ってみたいな。

この本の話をしていなかった。
「不便なコンビニ」は2024年本屋大賞翻訳小説部門第3位になった作品で、作者のキム・ホヨンさんの本ははじめてなんですが、ソウルの下町で夫の遺産でコンビニを営むヨムさんの店「Always」を舞台に訳ありのバイト店員、客などが集まってくる物語って、もう面白くないわけがない。
2作目も出ているようなので、早く読まないと。

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「いろいろな幽霊」ケヴィン・ブロックマイヤー(東京創元社)2024

さらに海外翻訳ものを3冊。
最初は「いろいろな幽霊」

確か本の雑誌で紹介してたんだと思います。
翻訳家の柴田元幸さんも推薦されているようなので期待大。
色んな幽霊の物語を100編(!)集めた短編集らしいですが、もはや超短編ですよね。
カバー装丁が素敵です。

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「サメと救世主」カワイ・ストロング・ウィッシュバーン(書肆侃侃房)2024

これは確実に本の雑誌で紹介してました。
ハワイを舞台にした家族の物語で、日本人のイメージする常夏の楽園ではない地元民のリアルなハワイが描かれているようです。

「それは現代の豊かさをめぐるアメリカの矛盾、世界の矛盾を映しだす場だ。」
て、なんかめっちゃ興味湧きます。
読書の楽しさの1つに見聞きしたことのない世界を主人公の立場になって覗けるというもので、まさに青い海と空でしか知らないハワイの違う面が見れるかもしれません。

そういえば、マウイ島の大火事でラハイナが壊滅状態になったという痛ましいニュースも昨年ありました。
マウイ島の復活も祈りながら読みたいと思います。

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「ゼアゼア」トミー・オレンジ(五月書房新社)2020

これは先ほどのサメと救世主つながりで紹介された本です。
もう4年前に出版されたんですね。
あまり本屋にも出ていけなかった頃に出た本なので表紙カバーも見覚えがありませんでした。

こちらは、カリフォルニア州オークランドで生活する「都市インディアン」の話です。
都市インディアンってなんだ?
いきなりそう思いますが、確かにネイティブ・アメリカンを先祖にする人たちがみな居住区に住んでいる訳ではないわな、と。
作者のTommy Orangeさんもオクラホマ州のネイティブ・アメリカンのようです。

昭和のアメリカ崇拝の教育を受けて知ったような気になっているアメリカもまだまだ知らないことが山程あります。

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「ジンが願いをかなえてくれない」行成薫(光文社)2024

さて、国内のフィクションを何冊か。
まずは「ジンが願いをかなえてくれない」

タイトル通りアラジンの魔法のランプモチーフな感じのタイトル作ともう1作入っているのかな。
amazonレビュー1件しかなかったんですが、

年齢・性別を問わず、色々な人に刺さる小説だと思う。
特に 息子を持つ父親の心には刺さるだろう。

というレビューで決めました(笑)
息子・父ものって弱いんです。

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「それは、令和のことでした」歌野晶午(祥伝社)2024

歌野晶午さんと言えば「葉桜の季節に君を想うということ 」
2007年の作品なのでもう17年前ですか!
もう、読んでてびっくりしました。
すっかり騙されました。

それからなんとなく歌野晶午作品は安心印というか、だけど実際はその後はハマった小説はなかったんですが、今作はカバーイメージでなんとなくアリかなぁと。
短編小説のようなのですが、ちょっと只者じゃない感じがプンプンします。

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「死んだ山田と教室」金子玲介(講談社)2024

これは今読んでいる最中なのですが、リーダビリティ高いです。
高校時代なんて懐かしいなぁ、と思いながら読んでるんですが、
冒頭いきなりクラスの人気者の山田が交通事故で死んでしまい、だけど突然教室のスピーカーから声だけになって出てくるんです。
そして、きっと卒業までクラスと一緒に生活していくんでしょうが、さてこれからどんな事件があるのか。

なんせ設定がいきなりの出落ちですから、どうドンデン返しがあるのか、楽しみです。
そういえば、これも本の雑誌でした。

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「定食屋「雑」」原田ひ香(双葉社)2024

「ほろよい読書」アンソロジー(双葉社)2021

これも本の雑誌で「定食屋「雑」」が紹介されていて、それを読みたいがために「ほろよい読書」も読むという。

原田ひ香さんてめちゃ多作なイメージあります。
最初に知ったのは「三千円の使いかた」ですね。

御厨家の女性たちは人生の節目とピンチを乗り越えるため、お金をどう貯めて、どう使うのか?
知識が深まり、絶対「元」もとれちゃう「節約」家族小説!

面白いこと考えるなぁと思いました。
今作はタイトル通り定食屋「雑」を舞台にした小説なんですが、これもなんだか一筋縄ではいかないっぽくて、主人公の女性はこの定食屋でアルバイトをすることになった中年(なのかな?)女性で、店主は愛想のない接客で一人店を切り盛りする老女〝ぞうさん。
出てくる料理も大雑把で濃い味付けらしくて、しかしどうもこの店は人気があるらしい。
なんか訳ありなんですよね、きっと。
さていったい何がどうなるのか。
なんかこういう話面白そうだなぁ。

「ほろよい読書」の方はお酒をテーマにしたアンソロジーらしく、本来であれば手に取らないテーマなのですが(僕は下戸なので)、
このアンソロジーに収録された「コロッケ」という短編が、どうもこの「定食屋「雑」」の最初の物語のようなので、ここから読まないといけないなと思った訳です。

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「幽霊たち」ポール・オースター(新潮文庫)1995

「ガラスの街」ポール・オースター(新潮文庫)2013

文庫が4冊。
まずはポール・オースターを偲ぶシリーズ。
大昔に読んだはずの「幽霊たち」
もう1冊何かないかな?と書店で新潮文庫のポール・オースター作品を特集していた棚からもう1冊。

これはもうただただ粛々と楽しみましょう。

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「百年の孤独」ガブリエル・ガルシア=マルケス(新潮文庫)2024

そして、出ました!
今一番の話題ってこの「百年の孤独」の文庫化じゃないでしょうか?
一時期は各リアル書店、ネット書店でも在庫切れになったところもあったとか。
僕もブームに乗り遅れないように買いましたよ!
ヨドバシコムさん、ありがとう!
amazonで在庫切れでもしっかり入手出来ました。
また、本編出た少し後には、友田とん「百年の孤独を代わりに読む」も出版されたので、こちらも入手しましたよ。(これは7月だったので次回ですね)
友田とんさんに代わりに読んでもらうんではなくて、しっかりとこの大作にチャレンジしたいと思います!
なんだかビックリマークだらけだったな。
それだけ気合の入った文庫化だったか。

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「犬の記憶」森山大道(河出文庫)2022

写真関係の本です。
たまに読みたくるんですよね、写真に関する本。
といっても写真家のことはほとんど知らないです。
森山大道さんも名前を何となく知っているくらいで、はい、この写真ですね!と言えるような知識もありません。
ですが、写真家がどういうことを思って被写体に向かうのか、そういうところはやはり興味深いです。

この本も昔に出版されたフォトエッセイの名著らしく、最近になって河出文庫から文庫化されたものです。

それにしても、このカバーの犬の写真はインパクトありますね。

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さいごに

14冊をざざっと紹介してみました。

それにしても、買い過ぎなんです。
でも、入手しておかないといずれ手に入らなくなるんじゃないかとも思ったりして、積読が増えていくばかりなんですが。
どこかで打ち止めして、いったんひたすら読む行為に変えた方がいいとは思うんですが、どうなんだろうな。。

それでは!

<了>

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