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記憶に残るドラマがまた一つ出来た〜天才バカリズムのドラマ『ブラッシュアップライフ』

録画してあったドラマ『ブラッシュアップライフ』を家族みんなでイッキ見し終わったところです。

いやぁ!スゴい!大傑作!
いつまでもあの4人の与太話を見ていたい!
バカリズム天才!
坂元裕二に次ぐ外せないマイベスト脚本家殿堂入り!

そんなありきたりな感想しか出てこないですが、観終わって2時間経過、すでに「◯◯ロス」が来るほど。

ラスト近く、念願のミッション完遂し、幼馴染仲良し4人組が旧友達も呼んでオールナイトカラオケをした翌朝、仲良く並んで帰宅するその姿は、大人になっても青春そのもの。
そして、流れるマイラバの「Hello, Again…」
こうやって4人が揃うのは、麻美にとっても、真里にとっても、人生何周目ぶり、という。
それを想像すると本当に胸が切なくなる。

『ブラッシュアップライフ』
ブラッシュアップとは「磨きをかけて、今よりもっと良くする」
そんな意味だけど、
結局はこのドラマは人生をブラッシュアップするのは、
自己実現や職業、出世、恋愛、お金なんかではなく、
「友情」なんだと。
人生を何周もやり直していった結果、
友達がいない人生のなんと味気ないものだと、
いつも笑って与太話ができる友達との友情、
それが一番なんだというドラマだった。

麻美も真里も最後はパイロットという、一般的には「成功者」とも評価されるであろう職業を止めて、住み慣れた地元に帰ってくる。
そして再就職した先が2人とも1周目と同じ職業だというのが素敵だ。
だって、そこには家族や友達がいるから。
子供の頃からの思い出がたくさんあるから。

おそらく、このドラマを10話観終わって、胸が切なくなっている理由の1つは、
「お前にはそんな地元があるか?家族は友達は?」
そう問いかけられているからかもしれない。
25才で就職して地元を離れて30年以上経過して、学生時代からの友達もみんな遠くで暮らしている。
そんな自分の境遇を振り返って、彼女達が羨ましいんだろう。

***

それにしてもみんな上手い!
安藤サクラなんて、安藤サクラ七変化だよ。
「あぁ、こんな感じなんだろうな、きっと」
職業に合わせた取り繕った感の全くしない自然な演じ分け。
そして、あえて言わずもがなのバカリズムの脚本通りらしいセリフまわしがまるで本当の友人同士のアドリブにしか聞こえない自然さ。

それにしても、浅野忠信の贅沢な使い方!笑
9話で出てきて、これはもう一波乱あるのか!!?とドギマギさせての、
それだけかぁい!!というおそらく日本全国でツッコミがあったであろう展開。

何度も書くけど、バカリズムの脚本力は群を抜いている。
もう10年近く前になるが、僕の大好きな竹野内豊さんが久しぶりに主演をしているらしいと観たドラマ『素敵な選TAXI』がバカリズム脚本で、
なかなかに達者だな、と感心したことを覚えているが、
もう今作はそんなレベルはぶっちぎってしまったかのような。
連続ドラマには欠かせない回収伏線もふんだんに盛り込まれているし、コメディぽいだけかと思ったら、
第7話から8話にかけて、それまでとはトーンを落とした展開になるのも見事。
話的に、麻美が勉強に精を出す周回になったこともあり、子供時代から一人きり仕事も研究者になって性格も抑えた感じにならざるを得ない環境、
そして、ラスト水川あさみが4人組の最後のひとり真里として参入してくる。
さぁ、ここからまた盛り返すか?と思いきや8話での衝撃展開。
そして、どん底のピンチからラスト2話で再び話がドライブしていく。

やり直し人生最後のラウンド5周目。
「これでやり直し最後です」
と聞いてからの麻美は、生まれ変わりのために徳を積む必要がなくなったこともあるが、
現世を精一杯より良いものにするたえに、友達を救うために全力を尽くすと決心してからのリスタートと大円団、ハッピーエンド。
泣ける!
いや、実は10話ではもっと泣かせに来られるかと少し期待したところもあるけど。

オーラス、90才過ぎてみんな一緒に笑って暮らしているなんて、
なんて素敵な人生なんだろう!


追伸:
初回投稿時に書き忘れていたことがあった。
『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』では
世界を救うキーワードは
「Be Kind」
優しくしよう、ってことだった。
ブラッシュアップライフと表現は違うけど、同じようなことを言っているんだろうなと思った。
今はそういう「身近な居心地の良さ」が求められている時代なんだろうと思った。



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