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冷蔵庫マグネットってなくなる運命なの?

我が家の冷蔵庫がいよいよ壊れた。
1月に入り、いよいよ本格的な寒波が日本を襲ったあたりから、外気温に反応した訳でもなかろうに、冷蔵庫の庫内温度がずっとマイナスを指すようになってきた。
温度設定を「弱」(つまり冷却機能がユルメ)にしても一向に庫内温度が上がらない。
冷蔵室も野菜室もすべからく冷凍庫になってしまって、大根も納豆もちくわも缶ジュースも卵も何もかもが凍ってしまう。
仕方がないので、できるだけ凍って欲しくないものは冷蔵庫から出して廊下や階段など冷え込みのきつい場所に出しておく始末となった。

「さすがに16年も経ってるからいよいよ壊れたのかなぁ」
「そうだね、何度も下から水が出てきたり修理とかしたしね」
「ところで、冷蔵庫が壊れて冷えなくなるんだったら分かるけど、もっと冷えるっていう壊れ方あるのかな?」
「確かに、冷蔵庫としては目一杯働いてるよね笑」

素人2人が思いつきで会話をしていても何の解決にもならないので、週末に近所のケーズデンキへ新しい冷蔵庫を見に行った。

相方が真っ直ぐ向かったのは三菱電機の冷蔵庫コーナー
「冷蔵庫は三菱電機」と決めているようだ。
そういうものなのなんだね。
エアコンはダイキン、液晶はシャープ、(うーん、他に浮かばない)
みたいな白物家電でも強い・弱いとかあるんだ。

やっぱり新しい冷蔵庫はピカピカだね、
などと当たり前の感想を言い合いながら、冷蔵庫のドアを開けたり閉めたりしていた(実際、冷蔵庫を見ると言っても、そんなことしか出来ない)。
しばらくすると、年配の関西弁を操る店員さんがやってきた。

「あ、洗濯機の時の?」
「よう覚えてくださって、ありがとうございます。私もね、見覚えあるお顔やなぁ、思うてみてましてん」

昨年夏に洗濯機が壊れて書い直した時に色々教えてくださったベテランの店員さんだった。
(どうして、家電製品って何かひとつが壊れると、次々とかわりばんこに壊れていくんだろう??)

顔なじみの店員さんに冷蔵庫がずっとマイナスになって庫内がカチカチで、という話をすると、それも故障だということだった。
サーモスタットが壊れているから庫内温度を制御できなくなっているとかなんとか説明してくださった。
「いずれにせよ16年も使こうてはったんやったら交換どきとちゃいますか?」

ということで、三菱電機の2022年モデルが決算セールで大幅値引きしてくれるということで即決して帰ってきた。

その冷蔵庫が今朝納品された。

「おー!やっぱり新しい冷蔵庫はいいね!」
「でも、野菜室と冷凍庫が逆になっているから注意しないとね」
などと相方とワイガヤと新しい冷蔵庫に一時避難しておいた食品を入れ直していた。

「この冷蔵庫にはマグネットは付けない!」
と高らかに相方が宣言する。
一度マグネットをつけると、あれもこれもとどんどん増えていき、掲示板みたいになってしまうからだけど、今回はシンプルに美しく使いたいらしい。

だけど、これまで貼ってたメモとかいっぱいあるけどどうする?
じゃぁ、側面はアリにしよう。
と先程の宣言は現実に合わせて即座に運用が変更される。
そして、マグネットやメモを貼り直していて、ちょっと一時的に正面に貼り付けようとしたところ。。。。

「・・・・・・!!!」

「この冷蔵庫、マグネットが引っ付かない!!」

確かに、正面ドアがマグネット対応になっておらず、どこにも貼り付けられなくなっている。
店舗で見た時には全く気づかなかったが、そういうことだ。
そもそもマグネットが接着しない仕様になっていたのだ。

しかし、いいのかそれで?という疑問がふと浮かんだ。
我が家の運用上は、今回は冷蔵庫にマグネットは貼らない、と決めたから結果オーライでよかったのだが、
冷蔵庫といえばマグネットではないのか?
これからマグネットが付かない冷蔵庫でいいのか?日本の家庭は?
家庭内の伝言や、買い物メモや、学校行事の備忘録や、貼る場所がなくて困らないのか?
水道修理業者もせっかく作ってポスティングしたマグネットが活用されなくて困らないのか?
iPhoneからイヤホンジャックが無くなった時のように、
一時的な衝撃は襲ったとしてもやがて人は慣れていく、
マグネット廃止にあたって三菱電機はそんな風な固い意志があったのか?

まぁ、そんな大げさなことではないが、これはデザイン部門のかなり大きな決断だったんではないか、日本のキッチン文化を大きな転換点になるやもしれぬ。
それとも、僕が最新の冷蔵庫事情に疎いだけで、実は冷蔵庫マグネットという文化は既に廃れていっていたのだろうか?

<了>

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