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新聞スクラップという学習方法の行方

大学の一般入試はこれからが本番で、受験生のいるご家庭はインフルエンザや(落ち着いてきたとはいえ)コロナの感染対策に神経を尖らせる時期です。
親戚の家も高3の受験生がいるため、かなりピリピリしています。

幸いにも、うちの次男は昨年に推薦入試で進路が確定したためアルバイトに精を出していて、親としては入学金と新たに始まる4年間の学費の対策をするだけです(それが一番大変だけど)。

さて、そんな状況ですが、今回驚いたことがありました。
推薦入試で入学する学生に対して、事前学習の課題(宿題)が大学から出ているんです。
僕は大昔ですが一般入試でしたが、そんな事前の課題なんてものは覚えがないですし、同じく一般入試だった長男も4年前の入学前にはそんなことはなかったように記憶しています。

まぁ一般入試の場合は3月10日前後くらいに発表があってそれから3週間で入学手続きやらというスケジュールなので、受け入れる側も大変だし無理なんでしょうが。

確かに11月に入学が決まった推薦組はそれから5ヶ月くらいはおそらく学校の授業もモチベーション上がらずに腑抜け状態になるのは目に見えているので、受け入れ側(大学)も油断出来ないんでしょう。

それとも、事前課題というのは大学固有のシステムなのか?
他の大学の状況も分からないですが。

さて、その事前課題の話ですが、
次男の入学する予定の大学では
「新聞スクラップノートの作成・提出」
という課題が出されています。

「新聞スクラップ」

懐かしい響きです。
大昔、 僕が小中学校あたりでも、そんなことをやらされたような覚えがあります。

新聞記事から興味をもったところを切り抜いて、ノートやスクラップブック貼り、その記事を選んだ理由や自分なりの意見を書いてまとめる

それにしても
新聞スクラップって大学入学前の高校3年生にさせることなのか?
と思わなくもないですが、
その反面、今の一般の高校生とかは新聞を読む習慣などないのかもしれないので、それはそれで意味がなくもないのかな、とも思ったり。

それ以前に、新聞を購読している家庭が果たして現在どれくらいあるものなのか?
というのも気になります。
そもそも新聞を購読していないと新聞スクラップなんて出来ないのですから。

一昔前は、就職試験や面接の準備の一環として日経新聞を読むのは当たり前みたいな風潮がありました。
今から思えば、多分に日経や新聞業界のプロパガンダのような気がしなくもないですが、実際そんな前提での面接を行うことも多かったのかもしれません。
最近はどうなんでしょう?
やっぱり、新聞くらいは読んでおかないと時事トピックの質問には答えられないよ?というムードはあるんでしょうか。
別に新聞を購読しなくても、いくらでもニュースサイトで無料でかなりの情報が入手できるというのも事実だし。

少し調べてみました。
日本新聞協会の公式ホームページでは新聞発行に関する調査データというのを公開しています。

例えば、この「新聞の発行部数と普及度」のデータを見てみると、
2000年の発行部数が約7,189万部に対して、
2022年の発行部数は約3,677万部と、半分近くまで減っています。
他のデータでは、一世帯あたりの部数が2000年が1.13だったのが、2022年では0.53となっています。
20年前は概ね一世帯になにかしら新聞が一紙は購読されていたのが、今はそれが半分くらいまでになっているということです。
つまり、それくらい紙の新聞は読まれなくなっている、ということです。

こんな状況なので、果たしていつまでこの「新聞スクラップ」という学習方法は続くんでしょうか?
新聞などの時事ニュースに対して、自分の意見を考えてまとめる、というそれ自体は良いことだと思うのですが、
課題のためだけに新聞を購読する、なんていうのもなぁ、なんだか本末転倒のような気がします。

大学側も「紙の新聞スクラップ」にこだわらずに、ネットでの記事のキャプチャなどでもOKとか、時代に合わせて見直した方がいいかもしれません。

今日は、新聞スクラップという学校から課題として出されている学習方法について少しあれ?と思ったのでnoteしてみました。

<了>



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