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評判と業績は関係ないのかな

不動産販売会社のことを少し書きたい。

東京近郊の大きめの駅前で若い社員2−3名で看板持ってアンケートを取っている例の会社だ。

テレビCMでキムタクが出ていてアルファベットの社名をもじって面白おかしく宣伝しているあの会社だ。

なんでもコロナ禍あたりから業績が爆上がりで株価もうなぎ登りみたいだ。

そう言われれば、最寄りのターミナル駅でもコロナ禍前後くらいから2−3名での駅前立ちんぼが頻繁に見受けられるようになったかもしれない。

あの若者たちと話をしたことはないので、本当に社員なのかどうか分からないが、いかにも体育会系の体力だけはありますみたいなイケイケ営業マンに見えるから、きっと営業職なのだろう。

まぁとにかく朝から晩まで駅前ロータリーで声掛けをしている。
正直、邪魔だなと思っている。
同じように思っている人だろうか、彼らの姿を見つけると遠巻きに避けて歩く人を見かける。
何度か声を掛けられたことがあるが、まるでナンパか繁華街のキャッチのような軽々しい物言いと薄ら笑いにまともに相手をする気も湧かない。
年中、あんなことをしているから彼らも神経麻痺しているんだろう。

それにしても、今どきあんなしつこく路上で声掛けして営業させる会社があるんだ、とそちらの方が驚いてしまう。
まるで昭和時代じゃないか。

僕らが入社した1980年代から1990年代にかけては、猛烈に働くことが美徳とされていて、リゲインという栄養ドリンクのCMで「24時間働けますか!』なんて勇ましい(今となってはおぞましい)CMソングが流れていた。

新人研修でも、富士山麓地獄の特訓と銘打ったそれこそ自衛隊新兵向けの特訓と同じような鬼のようなしごきの研修をする研修会社が流行っていた。
TBSドラマ『ふぞろいの林檎たち II』でおそらく第1話で、時任三郎演じる岩田と柳沢慎吾演じる西寺がそんな研修を受けるシーンがあったが、まさしくそれだ。

全く科学的でもないし合理的でもない
「とにかく根性だ!汗流して足で稼いで来い!」
そんな営業スタイルは廃れたものかと思っていたが、そういえば成田空港出発ロビーでも同じ光景をよく見た。

ブラックスーツにホワイトシャツに身を固めた若い男女が数名、通路を通る乗客たちにキャッチのごとく声掛けしている。
おそらくアメリカンエクスプレスのカード勧誘だと思うのだけど、彼らは体育系というよりブラックスーツのおかげもあるのかまさに夜の店のホスト達に見える。
そして、本当にその声かけが鬱陶しい。
まさかの外資系企業がこんな非合理的なことをさせるのか?と目を疑った。

おそらくアメックスも某不動産会社も業績達成については非常に厳しいだろうから、ひょっとするとああした強引なキャッチのような営業スタイルが一定の効果があるのかもしれない。
全くもって信じられないことだけど。
それはつまり、ああした強引ないかにも嘘くさいやり方に騙されてしまう人(オレオレ詐欺に引っ掛かる老人が後を絶たないように<===詐欺と一緒にするのはさすがに酷いが、まぁ物の例えだ)、そしてそういう強い押しを跳ね退けて断れない人達がいるということなのかもしれない。

そんな営業スタイルはやっぱり過去の遺跡みたいだ。
今やビジネスもサステナビリティの時代だし、カスタマーサクセスなんて言葉があるように一時的に数字だけいけば良いって時代ではない。
企業イメージはすごく大事だし、永く自社商品を使ってくれるファンベースとも言える顧客の獲得が重要な時代だ。

きっと、強引な営業の結果の業績なんて一時的なもので、顧客になった人も「あれ?」と思うんではないだろうか。
商品がよければそれでもいいのだろうが、あまり良い評判はなさそうだ。
そうなると長い目でみたら業績も悪化してしまうものではないだろうか。

それとも、そうした顧客の評判と瞬間風速のような株価や業績は全く関連性がないのだろうか。
本当に不思議な世界だと思う。

<了>

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