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自転車がパンクして、Youtubeが壊したもの、壊せないものに想いをはせる

先日、次男のクロスバイクのタイヤがパンクした。
朝、出かけようとしたらタイヤの空気が全部抜けていたらしい。

!!!
そういえば!
前日の午前中、自転車置き場の方から
「ドン!」
という破裂音のような大きな音がしたんだっけ。
あの音はタイヤが破裂した音だったんだ。
その日は雨が強かったので、また明日にでも様子を見に行こう、と
思っていたのに忘れていた。

タイヤをチェックした。
半年前にチューブを交換したばかりの方だ。
これはチューブだけじゃないな、とタイヤをチェックしてみる。
案の定、タイヤが裂けていた。

「この自転車、よく考えたら6年間毎日乗ってるのに、
 1回もタイヤ交換してなかったよね」

確かに次男の言う通り。
タイヤの溝もだいぶすり減っていて、乗っている時に破裂しなくてよかった。

裂けていない方のタイヤも替えておこうと、タイヤ、リムテープ、チューブをそれぞれ2セットamazonで注文。

翌日、荷物が届く。
次男がタイヤ交換を自分でやってみると張り切っている。
昨夜から、Youtubeで自転車タイヤ交換の動画を色々みて調べていたみたいだ。

古いタイヤを外す(これが慣れていないと意外に硬くて難儀する)。
チューブもリムテープもきれに剥がす。
リムテープはかなり劣化してパリパリになっていた。
フレームがかなり汚れていたので、風呂場で洗う。
「うゎ、めちゃくちゃピカピカになったで」

今度は逆方向に新しいリムテープ、チューブ、タイヤを装着していく。

これがまた少し厄介で、タイヤをフレームに嵌めるのが硬い。
コツさえ掴めばいいんだけど、最初は手こずる。
何度も動画を再生しながら、手順通りにやっていく。

そして作業開始から2時間弱、
前後輪のタイヤを全部新しいものに交換し終わった。

この一連の作業を横目で見ていて、ふと考えた。
今は大抵のことはYoutubeを見ればやり方が出ている。

今回の自転車タイヤ交換も全ての工程が動画でわかる。
タイヤを外すところ、嵌めるところ、作業の難所は色んなやり方や
ちょっとしたコツなんかも動画にしている人がいる。

昔なら、最初は自転車屋に行くか、自転車に詳しい人の作業を見て
覚えるしかなかったのが、
今はその気にさえなれば、最初から自分でやってみることが出来る。

これって実はスゴいことなんじゃない??

当たり前のことだけど、これまであまりそんな風にマジマジと考えたことがなかった。

きっと、Youtubeが出てきて以降、仕事がなくなってしまった職人さんもいるんじゃないか?
それは果たして便利な世の中になった、と手放しで喜んでいいものだろうか。
微妙な気持ちになる。

そんな時代だから、寿司職人が一人前になるのに修行期間が10年かかる、なんてプロセスには敬意を持たない若い人が出てくるんじゃないか。

「シャリ炊き3年、合わせ5年、握り一生
 そんなかったるいことやってらんねえよ、寿司握らせてくれや」

Youtube動画だけじゃ伝承できない職人技もあるんじゃないか。
いやきっとあるに決まっている。

<了>

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