2021年12月の記事一覧
『国家』(プラトン著)2巻
対論者はグラウコンとアデイマントスに移る。これは最初からプラトンと冷静な議論をしていた弟子にあたる人物だろう。
不正な者が偽善のために正義を装っていた場合、誰にもそれは見抜けないのではないか。その時、世間が言うには、不正な者はより狡猾に、正義な者よりうまく立ち回り、自分の利益について有利になり、より得になるのだ。
そして正義と思われていた人物は、ほとんどみな、社会的制約によってしぶしぶそれをや
『国家』(プラトン著)1巻
プラトン『国家』は岩波文庫の上下巻として出ているが、実態は10巻である。1冊に5巻分収録されている。
神秘主義の研究のために読むことになったが、1巻づつ内容を要約していこう。
1巻では不正が正義より強く、利益になるかどうかが議論されている。つまり、「強いものが正義(になる)、それは本当は不正なのでは?」という議題だ。それに対してソクラテス(プラトン)は、正義が不正より強く、また利益になることを