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2022年10月21日(金)    藤澤仁奈 マリンバリサイタル     天使が地上に舞い降りた夜 その6

この記事シリーズの最後に、藤澤仁奈さんを取り巻く人々などについて書いてみたいと思います。

前回、今回の共演者 ピアニスト山田剛史先生

一応私もピアノを弾く人間なので、山田先生がどんなレベルのピアニストか判るつもりです。恐るべきピアニストです。

往々にしてソリストとして優秀だと、他の奏者と合わせる場合、音が立ち過ぎて他のソリストを食ってしまう場合もあるワケですが、山田先生は優秀なソリストであると同時に、他の奏者と共演する場合には、どのくらい前に出るべきかの塩梅を心得ている方ですね。

こういうピアノを聴いてしまうと、自分がいかに低レベルかを思い知らされてしまいます💦「ああ、上手い人はいるもんだなあ💦」と感じ、やはり、藤澤仁奈さんと共演するには、このくらいのレベルが必要なんだなと認識してしまいました💦

藤澤仁奈さんが国立音大の学生だった時、副科でピアノを教えていたのが、山田先生だったそうです。藤澤仁奈さんも、良いピアニストを見抜く慧眼を持っておられますね🌸

山田剛史先生

E・セジョルネ先生

打楽器奏者であり、作曲家。藤澤仁奈さんの学生時代からの憧れの音楽家だそうです。音楽を志す者は、殆どの場合、憧れの音楽家がいて、その人に、少しでも近付きたくて、研鑽に励みます。藤澤仁奈さんにとってその人は、セジョルネ先生だったようです。

藤澤仁奈さんはそのセジョルネ先生に才能を評価され、共演したりなどしています。セジョルネ先生の作品を今までも数多く演奏されていますが、とうとう今回は委嘱作品をお願いして、それを演奏するという、演奏家が目指す一つの到達点に、たどり着いてしまいましたね。

そしてその演奏も、前回までの記事でご紹介した通り素晴らしかったです。セジョルネ先生、きっと海の向こうで大満足されているに違いありません。

上野信一先生

藤澤仁奈さんの直接的恩師は上野信一先生です。国立音楽大学附属高等学校時代から、国立音大を首席で卒業するまでの7年間、ずっと指導なされたようです。その結果藤澤仁奈さんは、世界に名の響く奏者にまでなりました。

ある人が言っていました。「音楽の才能のある子はたくさんいる。しかし、その才能がちゃんと花開く子は驚くほど少ない」と。          中国の故事にも、こうあります。

「世に伯楽ありて、然る後に千里の馬有り。千里の馬常に有れども、伯楽常に有らざり」と。

同じ事を言っていると思います。そしてそれがこの世の真実だと思います。
私も音楽をし、生徒に音楽を教えてきた身なので、実体験として判ります。才能のある子は確かにたくさんいます。しかし、その才能を正しく見出し、正しく導く、伯楽という指導者がいなければ、その才能は世に出る事なく、埋もれていってしまうのです。

上野信一先生と藤澤仁奈さんの出会いは、まさしく「伯楽」と「千里の馬」の、幸福な出会いでありました。

上野信一先生

新野将之君

今や、日本を代表するマルチパーカッショニスト、新野将之君です。彼とは実はもう20年近くになろうかという付き合いです。私の教え子の中でも、一番の出世頭です。

藤澤仁奈さんとの接点も、新野君が作ってくれたのです。マリンバデュオのレコーディングと演奏会をするので、曲を書いて欲しいと言われ、書いたのが「マダガシカーラ」です。藤澤仁奈さんと新野君は「NinoNina」という、ユニットを結成していて、そのデビューアルバムと演奏会があるのでした。

演奏会に行きましたが、NinoNinaの二人は、それはそれは素晴らしい演奏をしてくれました。この時の様子は独立した記事にしてありますので、ご興味の向きは、どうか読んでみてくださいませ。

以前から二人は重奏をしており、その様子はYouTubeで発信されています。NinoNinaの2回目の演奏会が、早く実現しないかな、と心待ちにする、今日この頃です。

ちなみに二人とも、国立音大主席卒業、二人の指導者は上野信一先生です。そして二人とも上野信一先生主宰の打楽器オーケストラ、「フォニックス・レフレクション」のメンバーです。メンバーは20名以上いるようですが、全員素晴らしい奏者たち、これは、私が自分の目と耳で確認した事です👆 全員「千里の馬」なワケです。

ああ、いくら「伯楽」とはいえ、こんなにたくさんの「千里の馬」を擁して打楽器オーケストラを組むなんて、上野先生、贅沢ですね❣ 羨ましい限りです💦💦

藤澤仁奈さんと新野将之君 NinoNinaのアルバム

国立音楽大学について 1

現在の国立音楽大学、「飛ぶ鳥を落とす勢い」と感じています。優秀な音楽家を次々と輩出している、という事です。原因は二つ。一つは教授陣が優秀という事、もう一つは入学する学生の質が高い、という事です。言葉にすると簡単ですが、この状況を作り出すことは容易でないです。

日本全国の音楽大学の様相、半世紀前とは大幅に変わりました。国立音大のように、優秀な音楽家を輩出し続け、そのレベルが上昇し続けている音大は、ハッキリ言って国立音大ただ一つであるように思います。

元々高度なレベルを維持し続けている私立音大が一つ、また、徐々にレベルが上昇し、中堅と言われるまでになった私立音大も一つあります。しかし、他の音楽大学は見る影もない状態になったり、中には消滅してしまった音大もあります。

その中で、国立音大は燦然と輝く成果を挙げ、その勢いは今も留まらずに、上昇し続けています。驚くと同時に心底嬉しいです。何故なら、国立音大には、私の教え子がたくさんお世話になっているからです。N響の竹泉晴菜、作曲家ピアニストの梶双葉、ピアノの中島友梨・・・

入学後の教え子たちは、皆、いっぱしのミュージシャンや音楽教師になり、喜びに絶えません。国立音大には感謝、感謝です❣

国立音楽大学について 2

国立音大の現役生、卒業生には、教え子でない人とも、交流させてもらっています。ニュータイド・ジャズ・オーケストには、私の作品を演奏してもらった事があり、この時のピアニストは、まだ東京音大作曲科の学生で、現在作曲家として活躍中の澁江夏奈さんでした。

先日は、小曽根真先生の愛弟子のヴォーカリスト&ベーシストの、石川紅奈さんとセッションする機会を得ました。

澁江夏奈さんは新野君と同年代、石川紅奈さんは藤澤仁奈さんと同年代だと思います。国立音楽大学、やはり「飛ぶ鳥を落とす勢い」ですね。

母上、藤澤とし子さん

どんなに素晴らしい師匠や友人と出会っても、生活基盤を共にする、家族の応援がなければ、ミュージシャンは育ちません。藤澤仁奈さんは、お母様も、国立音大卒のミュージシャンで、ファゴット奏者として活躍されている方です。なので、ご自身の娘さんが、音楽家になろうとしている時の理解と支援は、想像に難くありません。藤澤仁奈さんは、最良の支援を受ける事ができたに違いありません。

一度お会いしました。2021年9月17日(金)新野将之君のソロ・リサイタルの会場で、終演後、お声をかけてくださいました。大変お若くて、「藤澤仁奈の母でございます」と仰った時「えっ、お母様ですか❓お姉さまぢゃなくて❓」と言ってしまいました(笑)。10月1日の、藤澤仁奈さんのリサイタルへのお誘いを受けました。

もう1年半ほど、お会いしていません。お母様、お元気でしょうか・・・

最後に

2022年10月21日(土)は「天使が地上に舞い降りた夜」、でした。「音楽」を全身で感じられた「至福の時間」でした🌺🌻🌹







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