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#創作大賞2023

赤い想い出(短編小説)

赤い想い出(短編小説)

 アパートのワンルームに帰宅する。
激務で忙しい毎日が続いたので、ほんの癒しが欲しくて、LEDキューブランプを購入した。部屋の明かりを消し、ランプを灯す。優しい夕陽のような
灯りが部屋を包む。ボーッとその灯りを眺めていると小学生の思い出がえる・・・・・・。

 小学校の時。明里ちゃんという友達がいた。
明里ちゃんとよく学校へ一緒に行った。手を繋いで。
明里ちゃんは、赤ら顔で可愛い。 
私は色白でお

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インターホンを押しに 2  短編小説

インターホンを押しに 2 短編小説

気になるこの住所を覚えてしまった。即座に思いついた答えが
フードデリバリー。
これになれば彼女に会えると思った。

そして、なった。

僕は、彼女のアパートの前に立っている。
今更ながら、なんで何も頼まれてもいないのに彼女のアパートの前にいる???

これ、完全にストーカーじゃん!!

汗が滝のように出て、体全身を覆った。

でも、後に引く気はない。
「死のうかな」彼女のあの言葉を思い出す。
嘘だ

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インターホンを押しに 1  (短編小説)

インターホンを押しに 1 (短編小説)

フードデリバリーへアルバイト先を変えた。
別に前のアルバイトの労働条件や待遇に不満があったわけではないし、他にやりたいことがあった訳ではない。

気になる子がいたからだ。気になる子。その子は問題児だった。

その子とは、前のバイトで一緒だった。入ってきてから早々 お客様に対して問題発言をしまくり、厳重注意を受けていた。

ある日の休憩時間。
その子に突然ライターある?と尋ねられ焦った。タバコは吸わ

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