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【ケアストレスカウンセラー】Part1 Step1-1心理学とはどんなもの?

夫の病気をきっかけに、心理学や精神医学に関心を持つようになりました。これまでいろんな本を手に取って読んできました。でもだんだんと、もっと体系的に学びたくなってきました。何かいい方法はないものか。今さら心理学部に入学するわけにも。そう思っていたある日、このテキストが目に留まりました。

早速買ってきて目を通したところ、この「ケアストレスカウンセラー」というのは、一般財団法人職業技能振興会が認定する資格とのことでした。
この資格については以下の通り、テキストから引用してみます。

ケアストレスカウンセラーという資格は、国の機関も含む専門機関や、著名な医学博士、精神科医、心理学者、臨床心理士などが集まって、長年の歳月をかけてつくったものです。そして、資格の誕生に伴って、教材が作成されました。教材の製作過程でも、何度も専門機関の指導を受け、医学博士はじめ現役の臨床心理士など多くの関係者により、加筆修正がされました。

『ケアストレスカウンセラー公式テキスト』9ページより引用

こうして見てみると、敷居は低くても、メンタルヘルスについて多くのことが学べそうです。俄然やる気が湧いてきました!

なので、今後このテキストから学んだことを少しずつnoteでまとめていきたいと思っています。

1.心理学への誤解

「心理学」は以前から比較的人気のある学問だと感じています。「〇〇を選んだ人はこういう性格」といったような心理テストも多く見受けられます。
一方、最近では「人を操る〇〇術」といったような本も書店で平積みになっていて、多くの人が高い関心を持っている分野とも言えそうです。

ただ、このテキストではそうした見方に警鐘を鳴らしています。本来心理学とは、人の考えを言い当てたり、相手の行動を操作できるようになる学問ではない、ということです。

確かに、心理学を学ぶなら、人を操るまではいかなくても、自分の立ち振る舞いをちょっと変えるだけで生きやすくなったり、人間関係を円滑に運ぶ助けにはなるでしょう。しかし、それも「絶対」ではありません。

そもそも自分のこころでさえ自由自在に操作できないのであれば、まして他人のこころを自由自在に操るなんて可能でしょうか?仮に「私はあなたのこころをすべて見抜けますし、自由自在に操れます」なんて言うカウンセラーがいるとして、あなたはそうしたカウンセラーに相談したいと思うでしょうか?

昨今のこうした心理学の誤解は、そのままカウンセラーへの誤解につながります。それはとても残念なことです。

人のこころは、さまざまな原因が絡んで複雑に動くものであり、その機能もわからないことの方が圧倒的に多いのです。この捉えどころのないこころをどのように理解していくか、これが心理学の真髄であり、面白いところでもあると思うのです。

2.見えないこころを「見る」のが心理学

「こころはどこにあるのでしょうか?」

そう聞かれたら、あなたはどう答えますか?ある人は「頭にある」と言い、またある人は心臓を押さえて「ここ(胸)にある」と言うかもしれません。

このように、「こころはどこにあるか」「こころとはそもそも何か」「どのようなしくみになっているのか」など、こうした疑問を明らかにしようとしているのが心理学なのです。

この「心理学とは何か」について理解を深めるためには、心理学の歴史を簡単に振り返ることは大いに助けになります。

そもそも人のこころへの興味・関心は大昔からあって、最初は哲学や宗教の分野でした。何しろ肉眼で見えないものを対象にしていますからね。

しかしやがて、19世紀頃になると、こころを科学的に捉えようをする試みが始まりました。近代心理学の父と呼ばれているヴントは、人間心理の研究に自然科学の手法である実験を取り入れて、人間の心理を客観的な自然科学として捉えようとしたのです。

この最初の科学的心理学の考え方に対して、さまざまな方向からの反論が出され、多くの心理学的理論が生まれてきました。

こころは直接観察することができないのだから、外からの刺激にどう反応するかという、外に現れる行動を研究すべきだ、というのが行動主義の理論です。

こころは、一つひとつの要素の集まりなどではなく、全体をひとつのまとまりとして考えるべきだ、という理論も出てきました。(ゲシュタルト心理学

現代の精神医学や臨床心理学の基礎となっているのはフロイト(ジグムント・フロイト)の理論です。『夢判断』という本については聞いたことのある人も多いかと思います。フロイトは主に、人の行動には無意識的な要素が作用していると提唱しました。普段は抑圧されている無意識内の願望や衝動を、リラックスさせた状態で心に浮かんだことを語らせ、無意識を意識化させて分析するフロイト独自の研究は精神分析と呼ばれています。

しかしながら、この精神分析だけでは説明がつかないのが人のこころです。こころとは何か、この疑問を追いかけ続けているのが心理学なのです。

今回のポイント

・心理学は、人のこころを操作するものではない。
・心理学は、19世紀末にフロイトによって始まった新しい学問である。
・心理学は、いまだに成長している学問である。

『ケアストレスカウンセラー公式テキスト』13ページより引用

補足

今回この記事をまとめるにあたって、テキストには書かれていない要素も含めました。心理学とはどういう学問かを理解するには、ある程度、心理学の歴史を知っておく必要があると感じたからです。そうした周辺知識は、より広い視野でこの資格試験の勉強をするのに役立ちます。

とてもわかりやすい本がありました。

この本はとにかく図解が多いです。とかく無味乾燥になりがちな心理学の歴史をグッと身近なものにしてくれます。ケアストレスカウンセラーの試験の出題範囲はテキストのみならず、その周辺知識も問われるものになっていますので、カウンセラーなら当然知っておきたい心理学の基礎知識も満載です。機会があれば、ぜひ手に取って見ていただけたらと思います。おすすめです!



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