6月後輩への一冊、高野秀行『移民の宴』
ああ、情けないほどに読書時間がとれていない。
そして、本来なら5月25日までに次の一冊を送らなくてはいけないのに、もう6月だ。
後輩からも音沙汰はないが、よくできた後輩なので、私からの連絡があり次第、「約束守れなくてすみません、忙しくて今回遅れてしまって‥」とか、さりげないフォローしつつ、実はすでに梱包済みの荷物を送るのだろうなあ。
6月は高野秀行の『移民の宴 日本に移り住んだ外国人の奇妙な食生活』を後輩へ送ることにした。
日本に住む二百万を超える外国人たちは、日頃いったい何を食べているのか?「誰も行かない所に行き、誰も書かない事を書く」がモットーの著者は、伝手をたどり食卓に潜入していく。ベリーダンサーのイラン人、南三陸町のフィリピン女性、盲目のスーダン人一家…。国内の「秘境」で著者が見たものとは?
(Amazon 商品の説明より)
なんだかよくわからない「新しい生活様式」っていうのが求められている。緊急事態宣言は解除されたけど、以前と同じ生活はできないということらしい。
「富士山麓テイクアウト飯」というプロジェクトを通して、いろいろな飲食店の情報を集めた。この1、2カ月の間に冷凍製品の開発や配達サービス、YouTubeチャンネル開設するなど、新しい動きをするお店があった。その一方でこだわり抜いたテイクアウトメニューで腕を振るうお店もあった。
それぞれに挑戦を繰り返しながら、現状打破を試みる。どの店もかっこいいなと思った。
その様子を眺めながら、これから大切なのが開拓精神なのではないかと思ったのだ。
なんだかよくわからないものに振り回されることは、これからもあるのだろう。未知の場所にも飛び込んで、自分のできることからやってみる。シンプルだけど、そうやって自分の生活を守れる人になりたいと思った。
そう思った時にもう一度読みたいと思ったのが『移民の宴』だった。そばにいるのに、意外と知らない日本に暮らす人びとのこと。
成田のタイ寺院も、西葛西のインド人たちも、南三陸町のフィリピン女性も、みんなポジティブで柔軟で、かっこよかった。
コロナ禍の次のステップは彼らから学ぶことが多いのではないか。勝手ながら、そんな思いを後輩に押し付けてみようと思う。
説教臭い先輩で申し訳ない。
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