【短文朗読】無口な父
☆所要時間:1分
☆人数 :1人用
口数の少ない父からは、
特に用件がなければ
声を掛けられることはなかった。
その分、父が発するひとことは重く、
他の人の言葉よりも、
価値があるように感じた。
ずるいな、と私は思う。
あまり面と向かって話す機会がない
私のことを
父は、私のいない場所で誉めていることがあるらしい。
そんな話を人伝(ひとづて)に聞いた時
私は、こそばゆさに人知れず舞い上がり
口元の弛(ゆる)みを
おさえられなくなってしまう。
やっぱり、父はずるいなと思う。
End
〜マコのひとりごと〜
以前、配信アプリに「お題」として投稿したものです。
私が子どもと大人の中間だった頃の話で、
投稿しておきながら、なんだかとても気恥ずかしくて
「無声音の練習にどうぞ」と、
それっぽい文章のように言葉を添えました。
実際声に出してみると確かに読みにくい…😅
ですが、共感してもらえた思い出の台本でもあります。
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