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『真夏のファンタジー』


あっつすぎてあたまが沸騰しちまって

旬の鰻を鰻屋からかっぱらって

ぬるぬる冷たいから首にまいて

それだけじゃ飽き足らず

おっかけてくる店主を説得して

なだめて

店に戻って

捌き方教わって

焼き方も習って

そのまま弟子入りして

しばらくしたら暖簾分けてもらって

いまに至るという

ファンタジーもあるんだよ

あの日かっぱらった鰻の代金はまだ返してないよ

ごめんなおやっさん

しかしあんなぬるぬる

よく掴んだよな俺

偉いよ俺

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