武士道

日本には宗教教育がなかった。
ではどうして道徳教育ができていたか?それは武士道があったから。武士道は仏教、神道、儒教に基づく。

武士道とは武士が生涯守り続けなければならない掟の事。

義とは、義理、義務など我々が無条件にしたがうべき正義の道理のこと。
勇とは勇気のことであり、正しいことをする事。
勇が高みに達すると、それは仁となる。仁とは他者への慈悲の心。民を統治するものが持つべき最高のもの。

礼とは思いやりを持つ心。
真のサムライは、「誠」に対して非常に強い敬意を表する。二言を嫌い、約束は口ですませて、絶対に守る。武士は誠と約束を重んじた。

名誉を大切にし、それを重んじ生きていく。
ひとたびそれを傷つけられれば、相手を殺すことも厭わないほど自分にとって大切なもの。
忠義はその人に対して、絶対的に従うこと。

この本を読んでみて思ったことは、武士道とは、人としてとても大事なこと。

常に自分に負けない為に、己に厳しく、自己を高め続ける。そして自分が持っている芯が傷つけられれば命をかけて守り抜く覚悟と勇気を持つこと。
そして、信頼している相手に対しては、忠義を尽くし従うこと。

この武士道という精神は現代の日本に欠けている部分だと思うけど、日本人として失ってはいけないものだと思った。


1章「武士道とは、何か?」
「武士道」とは、すなわち武士が生涯守り続けなくてはならない「おきて」のこと。
 
2章「武士道は、どこから生まれたものなのか?」
武士道は「仏教」「神道」「孔子」「孟子」などの教えが混ざり合って出来上がった思想。
 
3章「義とは?」
「義」とは、義理・義務など、我々が無条件にしたがうべき「正義の道理」のことである。それはまるで「親」が「子」を育て諭し導く義務があるかのごとく。

4章「勇とは?」
「勇気とは、正しいことをすることである」。「義を見てせざるは勇なきなり」という言葉通り、義を果たすことを「勇」と呼び、「勇」と「義」は、双子のように互いを支え合う関係である。
 
5章「仁とは?」
「勇」が高みに達すると、それは「仁」となる。「仁」とは「他者への同情」「あわれみ」「慈悲の心」。「仁」とは民を統治するものが持つべき最高のもの。「武士の情け(武士の優しさ)」とは、すなわち「仁」である。
 
6章「礼とは?」
「礼」とは他人への「思いやり」を、目に見える形で表現することである。「礼」の最高の姿は「愛」。

7章「誠とは?」
真のサムライは、「誠」に対して非常に強い敬意を表する。サムライは「二言」を嫌い、約束は口ですませて、ほとんど守られた。約束を文書にすることを嫌うほど、武士は誠と約束を重んじた。
 
8章「名誉とは?」
サムライは「名誉」を重んじ、笑われることや侮辱されることをつよく嫌った。侮辱した相手を殺害することもあるほどだ。「名誉」とは武士にとって「最高の善」なのである。
 
9章「忠義とは?」
「忠義」とは、「主君」に対して絶対的にしたがうこと。しかしそれは「こびを売ってへつらう」ことや「奴隷」となることではなく、主君が間違いを犯そうとするとき、それを正すことである。もしそれにしくじれば、命を失うことを、武士は覚悟しなくてはいけない。
 
10章「武士が学ぶことと、己をみがくこととは?」
武士は「智 仁 勇」を身につけるため「剣術」「弓術」「柔術」「馬術」「槍術」「戦略」「戦術」「読書」「道徳」「文学」「歴史」などを学ぶ。そして「金銭」を汚いものとして極端に嫌う。
サムライは「精神力」を鍛え、「自制心」を身につけるために、訓練に訓練をかさねるのである

11章「人に勝ち、おのれにも克つために」
サムライは感情を顔に出さない。寡黙・沈黙がよしとされた。なぜなら感情を表に出すことは、他者を不愉快にするものだからだ。そのため、武士は身内を亡くした直後でも、笑顔すら浮かべて友をむかえる。他者に勝利するためには、みずからの感情に勝利することが必要であると考えられている。
 
12章「切腹とは?」
切腹とは、ただの「自死」ではない。それは「儀式」であり、武士がおのれの「罪」をつぐない、謝罪し、「不名誉」を逃れ、命を捨ててみずからの「誠」を証明する方法だった。切腹の儀式を見事に終わらせることは、「名誉」でさえあった。しかしそれが原因で、武士は「切腹」にあたいしない理由で切腹し、軽々しくみずからの命を捨てたこともあった。
 
13章「刀とは?」
刀を持つことは、自尊心と責任感をサムライに抱かせる。刀は武士にとって「忠誠心」と「名誉」の象徴なのだ。刀への不敬と侮辱は、サムライ本人への侮辱となる。とはいえ、むやみに刀を振り回すものは軽蔑され、名誉を失う。勝海舟は、何度も暗殺の危機をむかえたが、「殺されても殺さず」と誓い、生涯かけて「刀」を抜くことはなかった。

章のところは引用しているところが多いです。
 

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?