東大志望からみた京大実戦2024in summer
お疲れ様です。
本日、8/18(日)実施の京大入試実戦模試の終了で、夏冠と言われるものは大体終わったのかしらと思います。私は東大文I志望の人間なのですが、なんとなく友人が受けるからと京大実戦を受けてまいりました。せっかくなので、東大志望目線で京大形式について思ったことを記させていただこうと思います。
【お読みいただくにあたっての注意】
私はいち東大受験生、しかも1回東大にフラれた浪人生であり、京大受験についてはド素人である上、私の発言には何らの信憑性もないことをご了承ください。
また、私は自己採点はしない主義を採用しております。解答解説には指1本(いや、前から回す時には触ったけど)触れておりません。よって私が「簡単だった」とか「難しかった」とか偉そうなことを書いていても、私の思う解答がそれで合っている保証などどこにもありません。肌感覚でものを言う動物の意見だと思ってお読みくださいね。
試験の準備
カルチャーショックは試験前から始まります。
京大入試本番は腕時計の使用が禁止なのですね!? 時計は教室の前方にあるもののみで、机に置いてはならないそうです。親友が京大生だというのに初知りでした。
今回私は関西某所の駿台校舎にて受験しましたが、私が受けた試験会場では計算機能のない普通の腕時計なら使用OKでした。
友人が受けた会場では腕時計使用不可で、前方のスクリーンに腕時計の映像がリアルタイムで映し出されたらしいです。写真を見せてもらったけど、シュールでした。
それから、試験前に解答用紙に名前を書かせてくれないのね! 試験開始後は全員が名前の記入にワサワサしていました。私のフルネームは書きやすさ偏差値で言うと52くらいです。微妙。
東大形式に慣れている身からするとケチだなーと思ってしまうけれど、試験開始後真っ先にやることが決まっているのは案外精神衛生に宜しいことなのかもしれません。
どうでもいいのですが会場のお手洗いのハンドソープの匂いが結構きつく、ハンカチで拭いても結構ずっと石鹸石鹸した匂いがして違和感がありました。本番も有り得ますし、ちょっとやそっとで乱されないための訓練も必要ですね。
試験中のモノの配置は、
私は右利きなのですが、紙類は上の図の通りに配置しました。使わない解答用紙は折り畳んで左に寄せて、使う1枚だけ右に出しています。紙を重ねて書く時の感触があまり好きじゃないのと、筆記音が響いて威嚇になるというどシンプルな理由です。
国語(120分)
京大志望の友人からは「時間がない」と伝え聞いていた国語。
あ〜確かに、時間が、時間が、ないです。
恐らく多くの人がそうするように三→一→二の順で解きました。そして時間配分をしくじりました。
三(古文):30分
この時間配分がどの程度妥当なのか分からないのですが、私はとりあえず解答欄に行があるなら埋めなくちゃいけないと思っています。そして東大の国語に慣れているせいで、1行には40文字くらい書くものだと思っています(←!?)(注・たぶん国語の先生からしたら「言語道断」なのでしょうが、私は米粒みてぇな字を書き並べて模試の偏差60は安定してたのと、本試でも71点取れちゃったので)。
そんなわけでそこまで懇切丁寧に書く? というくらいネットリと古文を現代語訳し、和歌を解釈していたら、なんか時間が過ぎました。
一(紙とか文字のやつ):55分
ここで完全に配分を間違えました。
結構文章の内容が好きだったというのもあるのですが、というよりもシンプルに時計を見られていませんでした。せっかく腕時計置いていい教室だったのに!!
解答には何を書いたか覚えていません。覚えているのは、(2)の「かえって」の部分を説明するか否か迷って、結局説明したことくらいです。
問題としてはどうでもいいのです。
内容が好き。「人間の手につかまり」という表現が好き。「欲望としての文字と無垢としての紙」の概念は私の世界にもあったから、つい思い出して共鳴してしまった。と言っても鉛筆やシャーペンで書く分には(多少可逆的な部分があるからか)ほとんど感じたことがなかったけれど、小三で初めてお習字をやった時には、一度墨をつけたら戻らないし、私なんかの下手くそな字で汚してしまって半紙がかわいそうだなと思ったものだ。
共感したから問題が解けるわけではないという現実を思い知ったところで、たった35分で二に突っ込んでいくことになります。
二(毱と徒弟のやつ):35分
内容はこれもなかなか好きかもしれないです。文体の硬さもテキパキ読むのにそこまで支障を来すものではなく、あんまり記憶がないけれど、テキパキ解きました。
なんだかんだ40文字/行の密度で全て埋め切ることができ、残り3分くらいは推敲ではなく校正(誤字脱字チェック)に使いました。
*東大と比べてみて……
東大国語でも「時間が足りない!」と思いながら解いている私からすると、時間の足りなさのベクトル(?)には同じものを感じます。ただ、京大の方が大問が一つ少ない分、時間配分をミスった時に致命傷になりやすい印象を受けました。解答欄が長い分たくさん書かないといけないと思って、グワーッと書いていたら時間が溶けましたね……。
時間配分の面では、まず古文のウェイトを見誤っていました。古典という括りで、東大で言う「2(古文)+3(漢文)」くらいのウェイトなのかなと思っていたら多分2だけの時間しかかけてはならない存在でした。現代文は古典に比べて推敲が利く分、もう少ししっかり時間を残して考えて書きたかったなと思います。
そして古文で配分をしくじったなら、なおさら一に取り掛かる前に残り時間を÷2して使える時間を確認しておくべきでした。ダラダラ解くつもりはなかったけれど、とりあえず読んで解けるまで解こうのテンションで始めてしまったせいで、二の時間がカツカツに。
出題傾向については、全体を踏まえて記述させる問題が多いのかなと思いました。東大は割と傍線部付近を考えなしにまとめるだけで点が来たりしそうですが(怒られそう)。でも東大にも要旨要約の雰囲気は無くないし、そこまで抵抗やカルチャーショックはなかったです。
数学(120分)
無理でした
*東大と比べてみて……
問題がおおかった
英語(120分)
言いたいことがたくさんあります。
京大生・京大志望の友人の皆が口を揃えて「京大英語は時間が余る」「ゆっくり解いて大丈夫」と言うので、私も「まあ、まだ先は長いのだし」などとのんきに構えていたのですよ。そしたら時は無情に過ぎ去ってしまいました。
普通に時間足りなくないですか……? 余るっていうのはどちらのご意見なのですか……?
一応、私は英語が"まだ"一番得意なタイプの受験生です。東大英語の処理には結構手慣れている方だと思うし、東大形式なら時間が足らなかったことなんてないし、生まれてこの方日本を出たことのない身で健闘している──と思っていたのです。
時間が 足りない。
東大と京大では英語の形式が大きく異なる(たぶん全科目で1番異なる……よね? たぶん)ことから、脳みその使い方がなっていなかったというのは認めます。しかしそれでも"まだ"得意なはずの英語で時間が足りないという失態に私のプライドは大きく傷つき……
早く具体的なことを話せ、その通りです。
Ⅲ→Ⅰ→Ⅱで解きました。国語と同じです。全然知らないけれど、たぶん本来はⅢ→Ⅱ→Ⅰがメジャーな順番なんだろうなと思います。ミスりました。
Ⅲ(和文英訳):25分
いや〜これ5行も和訳するの? 嫌なんだけど。
こんな感じの感想でした。少しは過去問に触れてから来いという話です。
「我が世の春が来る」、どうしたらいいのでしょう。あと全体を通して一般人称youでいいんでしょうか。答えは意地でも開かないのでわかりません。
ここで25分を使ってしまいました。「時間が余る」を真に受けてダラダラ草稿をやったせいで、やや遅かったかもしれないです。
Ⅰ(楽観悲観みたいなの):50分
和訳と記号。
文構造はしっかり掴めたと思います。ただ少し関係代名詞の処理に迷ってグダグダ答案を作ってしまったところもあります。
文の内容は、特に(a)下線部なんかは中高がキリスト教系だった私には軽い耳タコでした。
和訳問題が長いので、解答欄の罫線に結構日本語の文字が埋まってくれます。東大だと半分使い切らないで終わってしまうことも多く、若干バカっぽくて嫌だった(※個人の意見)んです。解答欄に文字書くの、たのしい。解答用紙への愛惜はどこ行った。
Ⅱ(物体にmindをみたいなやつ):45分
Ⅱに英作文があるの、初知りでした。ばか。初めての形式だと言え、問題をサラッと一読しておけばわかっていたことです。
読み始めた瞬間、:( ;´꒳`;): ←この顔 になりました。下線部(a)の内容が全く頭に入ってこなくて。ヤバくて。詰んだと思いました。これを本当に和訳するの? まじ? なんも分からん、reminiscentってどこかで出会ったけど意味なんだっけ、無理無理死んだ死んだ。
最初の焦りが尋常でなかったので、一読して文脈の流れを掴んでから「じゃあこういう内容を言っていてほしい」という逆算をして、文法も合わせてやっとこさ意味を把握することができた時には良問ぢゃん❣️ と思いました。いや、さすがに、たぶんこんなまどろっこしいことをしているバカは私だけなのだろうけれど……。
そして、(2)にはなんか英作文がありました。80~100words、結構多いです。しかも1wordごとに書く位置が決まっている100本線解答欄。文中に挙げられていない具体例を挙げよとのことだから(d)以降も一応全て読みました。読まんでよかった。「意見」ってなんやねん、と思ったのだけど、まあまあそれっぽいこと書けた気がします。
(3)(4)もつつがなく。(4)は時間に追われながらでしたが、分かってるよアピールはしました。
*東大と比べてみて……
時間が、足りませんでした。
東大形式を解く時と根本的に脳の使い方を変えてしまったのが原因な気がします。いつもは「処理」と思って解いているのですが、京大形式は丁寧に、緻密に、鮮やかに……といった周りからの又聞きでしかない固定観念に囚われすぎて持ち味を失ってしまっていた感じがします。精度と速度のバランスは東大受験においても勿論重要になるわけで、ここらへんいい塩梅を見つけたいものだなぁ。
友人の話を聞く限りでは、普段通りのスピードでやっていけば20分くらいは残して終われそうな感じがしたのですが……。115分くらい新しい解答を書いていました。
解答用紙の左半分が草稿用なのはびっくりでした。私は英文に直接書き込みたい人なので和訳部分ではあまり活用できませんでしたが、後ろから回ってきた答案はがっつり草稿部分を活用されていました。
Ⅱ(2)の自由英作では日本語でどんな感じのことを書きたいかを草稿に書いて、左を見ながら英訳して右に書くスタイルで行きました。
世界史(120分)
一応私は地理・世界史で東大を受ける人なので、地理で受けてもおかしくはないはずなのですが。どう考えても世界史の方がしっかり勉強しているので、地理の問題を見ることもなく世界史を選択。
全体的に簡単じゃなかったかな〜? と思いたいのですが、どうなんでしょう、私が罠にハマっているだけなのだろうか。
恐らく皆さんそうするように、一問一答→論述の順で解きました。時間配分とかはあんまり気にせず解けました。
一問一答
結構簡単じゃなかった……? 2つくらいを除いて基本的な単語しか出てこなかったように感じました。基本単語でも問い方が意地悪で出てこない! という類でもなく、順当に答えていったら全部埋まったのだけれど、私が罠にハマっているだけなのだろうか……?
アマーストかマカートニーかはちょっと迷いました。悩んだ末個人的にこっちの方が有名かなって思う方を書きました。
あと穀物法!! 本当に最近穀物法廃止までの流れを勉強したところだったのでめちゃくちゃ嬉しかったです。喜び勇んで記述しました。相対的にカール大帝になんの思い入れもない人みたいになってしまった。
Ⅰ(論述:中国税制)
え、そんなベタベタ論述出てくるの?
歴代王朝の税制度と特徴と背景、世紀指定が変なわけでもなく、これは高得点争いになりそう。もう少し捻ってほしかったような気も……。
とは言え自分がポイントを落とさず完璧に書けているのかと言われればその自信はないです。純粋にまじか。と思ったということが言いたい。
んや〜〜、5分くらい真面目に考えても、さすがに京都大学ならもうちょい捻ったの出してくるだろうと思うんだけどなぁ。京大エアプだけれど、紗季ちゃん(※京大生の親友、元世界史選択)はそれなりに世界史苦労してそうだったし。
Ⅲ(論述:英仏革命の相違点)
え、そんなベタベタ論述出てくるの? 2
世紀の指定もああアレね、となる感じだし、それなりに書くことは見えているから素直に書けば書けてしまうと思います。もう少し捻ってほしかった気も……。
*東大と比べてみて……
京大の論述は指定語句という概念がないのですね。東大もリード文で何を書けばいいかの誘導があるし、語句を見ても手がかりを得ることはできるのだけど、使い所の分からない語句の処理や煩雑な並行関係の処理やシンプルに510~600文字の重圧がしんどいです。世界史論述に関しては正直東大の方が難しいかな……と思ってしまいました。実戦のこれは京大形式でも易しい方に作ってあるでしょうから、これだけ見て判断するな! とご不快に思われたらすみません!
東大世界史はもう一科目との時間配分の兼ね合いもあります。私は世界史大論述を最後に回すことにしていて(いつも世界史3→地理123→世界史21の順で解いています)、150分の果てに疲弊した状態で世界史を論じているので余計東大が難しく思えているのかもしれません。地理と世界史の脳みそを切り替えるのもまだまだ訓練不足なところです。
京大のしんどい部分は高得点勝負だろうなというところです。一問一答の配点が大きく、その場で足掻いても通用しないのはプレッシャーが大きいです。今回みたいに全員が何かしら答えに近いことは書いてくるだろう論述問題だと、余計に落とせないプレッシャーがきついだろうなと思います。
おわりに
以上、2024年夏・京大実戦模試の感想戦でした。皆さん夏冠お疲れ様でした🍹🌻
暑い日が続きますが、どうぞご自愛ください。
感触がどうあれ、長丁場の模試を受けきっただけで偉いです、私たち! 諦めず健闘された皆さんに幸あらんことを。