顧客に自社の価値を納得してもらうには?

当たり前の話ではあるけれど、顧客は、宣伝文句や営業文句を真正直に信じたりしない。「安心ですよ」と言われて、「安心だ」と信じるようなチョロい顧客はいない。まずは「ホントか?」と疑う。多方面から疑う。

マーケティング・コミュニケーション戦略立案時は、なによりもまず、こういう当たり前の前提をきちんとメンバー間で共有しておくことが大切である。たいていプロジェクト終盤に差し掛かると、こういう当たり前の前提がどこかに追いやられて、自社に都合のよい顧客像を描き始める。

では、そのうえでどうするか。疑り深い顧客にいかに納得してもらうか。

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サプライヤーがいくらコスト削減や顧客価値の増加が期待できると主張しても、顧客がそれに納得しないと意味がない。先のロックウェル・オートメーションをはじめ、オランダの精密機械メーカーのナイドラ・グループは「顧客事例」を示しながらバリュー・プロポジションを提案している。つまり、顧客企業で実現したコスト削減や価値増加のデータを示すのだ。
また、ゼネラル・エレクトリック(GE)のインフラストラクチャー部門のウォーター・アンド・プロセス・テクノロジー事業部(GEIW&PT)や、産業機器メーカーのSKFグループのように「顧客価値計算機」を使って、顧客価値の見積もりを提示している企業もある。顧客価値計算機とは、いわゆる表計算ソフトのことで、サプライヤーの営業担当者やアカウントマネージャー(顧客担当者)が、コンサルティング営業の場にノートPCを持参し、自社製品の導入によって期待できる顧客価値の期待増加分を示すのだ。p.274-275

『マーケティングの教科書』ハーバードビジネスレビュー著

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もちろん顧客の説得方法は多種多様にある。けれどやはりポイントはこの二つ。

1、顧客にとって自社の製品・サービスがどのような価値があるか、を分かりやすく明示する。

2、本当に価値があるか?どのくらい価値があるか?をファクトベース・エビデンスベース・実例ベースで示す。

ファクトは、大事。根拠はないけれど。

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