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夏の奇行 50キロ歩いた夜

こんにちは。
今年の夏を楽しめていますでしょうか。

夏が好きな人でも、嫌いな人でも夏休みはみんな好きですよね!

僕は中3くらいから夏休みをどれだけおもろいものにしようかということに命を懸けていて、毎年、夏休みを作品として捉え、作品としてのの完成度を高めるために何をしようかな~と考えています。

今回はそんな僕がこの夏にした、奇行について書きます。

大阪まで歩こう

とんでもない発想が8月のはじめ思い浮んだ。

僕の住んでる出町柳は京都市街地の北の方だし、大阪からの京阪電車の終点にある。
とんでもなくアホな計画。
特急が1時間弱かける場所を歩こうと思ったのだ。

資さんうどんが食べたかった

大学入学時から8キロ太りました。これは本当に悔しいことで1回生のころや高校の時の写真を見ると情けなすぎる。

資さんうどんは関東人の僕には馴染みはないけど、北九州のうどん
チェーンで、2023年に大阪上陸したらしい。
そしてなかなかの人気店で昼間は結構待つこともあるとか。
このまえ東京で臨時出店したときにツイッターでバズっていて、見てたらすごくおいしそうと思った。

しかし、店のある今福鶴見は京阪の一大ターミナル、京橋から地下鉄でちょっと東側に来たところ、わざわざ行かないと行こうと思わない場所。

けどいきたかった。そしてダイエットもしたい。

google mapをみてみると、なんと24時間営業

ひらめいてしまった。

夜通し歩いていってやろう

夏休みだし。

8月9日 決行

まず、ルートを検索する。

よくgoogle mapで乗換案内とか調べるとき、徒歩の欄に~時間って表記が出てくるけど、その度にこの機能誰が使うねんと思う。

自分が使うときがきちゃいました。

10時間20分

もう歩くことに頭を支配されているので、まあそんなものかと思っていたけど、今見返すと頭がおかしい。

この時間を歩くと僕の年齢と体重では2400キロカロリー消費するらしい。これはれっきとしたダイエットなのだと思った。

どこまでも続く京都市内

ちゃんと昼寝して、運動用の靴を履き18時ちょうど、出発した。
8月にしては暑苦しくない日にあたったおかげで、気分よく見慣れた夕刻の鴨川をデルタから南下する。

鴨川を歩くときってなんか時間が過ぎるのが早く感じるというか、飽きずにすたすた歩ける。

五条を過ぎると京都タワーが主張する。だんだん横に迫ってきて、JRの巨大な高架線をくぐり、川端通が横からいなくなると京都タワーも背後になり、知らない鴨川の景色になってきた。そして日没を迎えた。


ここで初めてgooglemapを見たら残り9時間。着実に距離を縮めている!
足の方も全く問題ない。めちゃくちゃ気分がいい。

そのうち名神の京都南インター付近に差し掛かる。

わかる人にはわかると思うが、インターから高速に乗るとき、巨大ラブホ街が見えると思う。
そのど真ん中を徒歩を通過したわけだけど、気分としてはユニバにいるみたいな感じだった。城みたいなラブホとかなぜかサッカー、バッティングができるラブホとかあって、なんかすごいワクワクする空間だった。

そこから国道1号を下る。
まだ20時台で車や営業している店が多く、ひとりでも寂しいことはなく、歩き続けた。
この時間帯は国道を走るトラックのナンバーの場所を当てるとかして暇を潰していたけど、これが案外楽しい。

ほどなく鴨川が桂川に合流するエリアに差し掛かりそこから京都競馬場方面に歩いた。

進んだ道の名前は千本通だった。京都在住の読者ならあまりに見覚えのある道なはず。田んぼもあるようなのどかなエリアで中央線も引かれていない細い道だけど、たしかにあの千本通につながっているらしく、古いいい家がおおかった。京都の道面白い。

だが、桂川をいくら下っても、21時になっても22時になっても京都市が終わらない。
あの市バスのバス停の青看板がどこまでも追っかけてきた。

馴染みのやつ

無限に京都市が続いた。
どんなに周りが田んぼに囲まれてても、空の星がちょっとキレイでもGoogleマップを見るとまだ京都市だった。
果てしなく続く京都市の呪縛はこの歩行で最初にきついと思ったポイントでした。

結局20キロ弱京都市を歩き続けた。この時点で疲労はあった。
普段は全く運動をしていなく、準備運動もたいしてしなかったため、当然ではあった。

市境を超える

しばらく歩くと八幡市へ入った。
歓喜の瞬間である。
夜の桂川は広かった。
普段京阪に乗るとき、5分くらい鉄橋渡ったり、のどかな風景が続くエリアがあると思うが、そのエリアは歩いてもたしかに広々とした景色があって、遠くに来た実感がわいた。
桂川は淀川に合流し、淀川沿いを歩いたが、鴨川→桂川→淀川と進むルートだったのも感慨深くて、一番わくわくしていた時間帯だった。
高速道路とか青春18きっぷとか一続きだなって思う瞬間が好きなのかも。

のどか


大阪府へ

鬱蒼とした誰もいない淀川の自転車歩行者専用道路を歩き続けてノイローゼになりかけたが、しばらくすると大阪府枚方市へ入った。
感慨もひとしお、足がうっすら痛い。
時刻は23時ほど、休憩したかったが、できる場所が樟葉駅に行くまでなさそうなので、頑張って歩いた。住宅街を歩いたら、車がみんな大阪ナンバーでちょっとテンションがあがる。
23時35分に樟葉駅に着いた。

比較的快適といえど、8月の夜に25キロも歩いたから樟葉駅前のコンビニで食べたアイスは格別のおいしさだった。
くずはモールは当然しまっていた。

誘惑

ここで駅の電光掲示板をみた。
出町柳行きの終電があと5分で出発するらしい…
すでに25キロ、5時間超歩いていて足も痛くなり始めていたし理論上1000カロリーも消費していたため、ダイエットの目的は十分達成されているような気もした。

葛藤葛藤

しているうちに終電は行ってしまった。

終電のない世界

この瞬間にもう資さんうどんを食べるしかないときめて、変なアドレナリンが出た。

再び動き始めて、京阪沿いの府道を大阪方面へあるく。
この時間になるとスナックが活発で街はおっさんの歌声と最終電車の音しかしないから寂しい。

普段は腹立つ、異常な音量のバイク集団も今日は心強い。
そしてなによりも大阪府内の景色はあまりに単調だった。
夜の大阪市外は住宅地と国道しかない。まっすぐな国道の景色は先が見えすぎてしまい、途方もない感じがすごい。

30キロ地点頃、ひらかたパークの横を通った。後日京阪電車の車窓から知ったが、その道からは巨大なテーマパークの景色が見えるはずだが、深夜の自分はまっすぐ前しか見ていなかったから、長く続く柵は見えたものの、浄水場か何かのものだと思った。午前2時を回り、睡魔による意識の低下もあってしんどい時間が始まっていたため、横を見る余裕はなくなっていた。
枚方市も3時間以上続いていて、そのことも精神的につらかった。けど、京阪の保線作業で線路の上を走るトラックの人にはエールを送るくらいはした。

深夜も人は働いてた

36キロ地点、寝屋川市に入り一度公園のベンチに座った。隣で浮浪者が寝ていたけど、たぶん自分も浮浪感が出ていそうだった。
立ち上がって気づいたが、この時点以降すべての感覚より痛いという感覚が勝っていた。残り13キロ、正気を保てる気はしなかった。
コンビニで塩おにぎりを食べたけど、今までで一番塩分を感じられた。

この時間の国道は本当に辛い。
車通りが少ない分、時々走る車の速さが際立つ。
京都市内の国道1号ではあれだけ輝いて見えたロードサイドのチェーン店がどこも閉まっている。
ラーメン横綱が空いていたが、空いていてもときめかないのは京都に住んでるからかなとか思いながら歩く。
が辛すぎて5分に一回自分の歩いた距離を確かめるようになるも、その進まなさに絶望するというのを繰り返した。

これ以上、国道の青看板ですすまないキロ表示を見ていると本当に発狂しそうだったから、最短ルートの住宅地を突っ切る細い道にしたら、幾分気持ちは楽になった。

42キロ地点、足が限界を迎えた。僕はドラムをたたいているがバスドラムを踏めなくなるのはいろいろな人に迷惑がかかるし、そのことを言い訳にして諦めてタクシーに乗ろうとした。

配車アプリであるGoを開く。
3900円… ちょっとナシ。
また歩き続けた。

京阪の門真市駅に着いたが、空が明るくなっていた。
残り4キロだが、意識は限界。全てを後悔するタームに入り、初めて朝日が憎らしく見えた。

夏の日差しは早朝でも暑く本当に勘弁してほしいと思いながら、意識を朦朧とさせつつも棒になった足を前に前に動かす。
すると後ろに空車のタクシーがやってきた。

敗北?

手を挙げてしまった。

45キロしか歩けなかった。大阪市に入れなかったため、企画倒れかと思われた。悔しい。

タクシーの運ちゃんは、僕を当然その辺の住人なんだろうと思い、「朝からうどん、いいですねえ」と声をかけた。運ちゃんはそこの常連で、うどんよりかつ丼がうまいことを熱弁してきた。

僕はどうしてもうどんを食わなければいけない。45キロ何のために歩いたんだと。

運ちゃんの話を聞き流せない性格だから「実は、京都から歩いてきてギブアップしたんです」と打ち明けた。
3秒間の沈黙のあと「どういうことですか?」と、きまずい。

けど、一通り旅の出来事を話したら運ちゃんはめちゃくちゃ感心してくれた。
「だったらうどんをメインにしてミニカツ丼を食べてください」と言ってくれた。
それほどカツ丼が美味いらしかった。
一連のやり取りを経て、悔しさとかどうでもよくなった。
たぶんおじさんにも多少の気晴らしを与えられた気がする。乗ってよかったと心から思った。2000円かかったけど、

下車した時飴玉をもらい、すがすがしい気持ちで資さんうどんに入店。朝6時前だというのに結構人がいた。

資さんうどん

汁を飲んだら涙がでるのかなとか思ってたけど、いつも通り爆速で食べちゃった。
おいしかったけど、普通のうどんだった。良くも悪くも。ほんで、カツ丼はめっちゃ美味しかった。
おっさんは正しかった。

食べてから京橋経由で帰った。京阪電車の記憶はないが、乗換と駅から家までの徒歩は足を手で持ち上げながらで、早朝になかなか気味悪い絵面だったと思う。
長堀鶴見緑地線って名前かっこいいけど、京橋駅の乗り換えが遠すぎて腹が立ってた。

家に着きシャワーを浴び素早くサロンパスを下半身中に貼って就寝。朝に寝るとだいたい昼頃に起きてしまうが、夕方まで熟睡できた。夜の友達とのご飯も難なく行けたから、回復は早かったのだろう。

感想

自分がまともに歩ける距離が36キロであるとわかった。
なんか、自由研究をしたみたいな気分。
このnoteなんて自由研究のレジュメそのものじゃないかと読み返して思った。
書いててまた資さんうどんに行きたいと思ってる。

超長い文章だったけど、僕の夏の奇行でした!
みんなも楽しい夏をすごそう
書くのつかれた!

8月で2キロ太りました。意味なかった。









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