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古民家で芸術家と料理人を育てる老舗造り酒屋5代目当主(富山県富山市)

こんなすごい人が地方にいたのか!

昨年、私が取材をした人の中で最も衝撃を受けたのが桝田隆一郎さんです。桝田さんは富山市岩瀬地区で100年以上続く造り酒屋(*)桝田酒造店の五代目当主。昨年、総務省の「ふるさとづくり大賞」で優秀賞を受賞されました。

(*)造り酒屋(つくりざかや)・・・蔵で酒を醸造し、店舗でそれを販売する職業。明治以降、酒の製造は免許制となるが、倒産や踏み倒しの恐れが少ない資産家にしか免許が与えられなかった。地域の名士的存在である。

サッカー元日本代表中田英寿氏が「味・クオリティともに、もっとも信頼できる酒蔵のひとつ」と桝田酒造店の日本酒を絶賛した話は有名です。

しかし、まさか地域の古民家を買い取ってリノベし、そこに若い芸術家と料理人を移住させて育てていたなんて、全く知りませんでした。ヨーロッパのパトロンのようです。

桝田さんはものすごい人脈を持たれています。そのため岩瀬には誰もが知る老舗企業の経営者、芸能人、作家が普通に訪ねてきます。こんな地方都市、ほかにはないでしょう。

訪問の目的は桝田さんに会うためですが、枡田さんは地域の芸術家や料理人のもとにゲストを連れていき、本人の目の前で作品や料理の率直な感想を話してもらいます

目利きの厳しい批評を受けることで、作家の感性は磨かれていきます。それは町の魅力を高めることにつながります。

桝田さんの地域ブランディングはまちづくりに関わる人は絶対刺激を受けると思います。ぜひ動画をご覧ください。

桝田さんの取材を通じて、東京市長、内務大臣などを歴任した後藤新平の有名な言葉を思い出しました。

金を残して死ぬのは下だ。
事業を残して死ぬのは中だ。
人を残して死ぬのが上だ。

桝田さんにかつての日本の名士の姿が重なります。

情報発信を通じて、私も人を残すような地域づくりのお役に立ちたいと思います。

岩瀬の古民家に移住し、桝田さんに厳しく育てられた陶芸家の釋永岳さん(右)と。私と同じ1978年生まれ。

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