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スリランカティーの味

スリランカへ1ヶ月バックパッカーしたときのこと。
当時内戦の休戦だったけど、北の方へは入れなかった。行けるところまで北や南や思うがままに回っていた。

スリランカに到着してすぐ、南へ向かう車の移動中、車酔いと寝不足と暑さで体調不良になり、知り合ったスリランカ人の親戚の家で寝かせてもらうことになった。
どれくらい寝たのか覚えていないが、目覚めて少し休んでいたらミルクティーを出してくれた。私はミルクティーが飲めない。ミルクが苦手であった。さらに砂糖が山盛り入っている。突然来た珍しい日本人を寝かせてくれたのに、私はどうしても飲めなかった。気分は良くなったと言っても、ミルクティーの匂いで気持ち悪くなってきていた。けれど、この優しさに気持ちは無理してでも飲みたかった。そんなことを葛藤してると涙が出てきた。自分でも驚いた。「飲めない...」と言うと、ママたちが笑顔で「そうなの!ストレートなら飲める?」と言っていれ直してくれた。ミルク無し砂糖無しのストレートティーを。

ひとくち口にしたときスーーっと体に染み込んだ。
おいしかった。本当においしかった。
暑い中で熱いスリランカティー。心優しくおもてなししてくれたスリランカティーのおいしさは今でも忘れることがない。スリランカ人が普段飲んでいるティーはダストと言われるものらしく、それでもスパイシーな味で今まで飲んだどの紅茶よりもおいしかった。

日本に戻ってからも時々スリランカティーを買ってみるも、あの味ではない。

これが旅だな、と今でも思う。

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