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「妊娠中の歯科治療は胎児の脳に影響を及ぼす可能性があります。」

クリニック光のいずみ院長の石川真樹夫です。私は元産婦人科医で、不妊症治療中の方々に食事療法の指導をしているため、外来にはいつも数人の妊婦さんが通院しておられます。

最初のお子さんが重症のアトピー性皮膚炎になったので、今回の妊娠、出産で生まれて来る赤ちゃんが同じようなアレルギーになることを避けたいという御相談も受けます。その方々に対して、指導している内容も、NOTEでシェアさせて頂きます。

その1は、妊娠中には極力歯科治療を受けないで下さいという内容です。
妊娠中に歯が弱くなる方も時々おられるので、人によっては、妊娠出産後の歯のトラブルを避けるために、結婚直前や妊活前に歯科治療をする方もおられると思いますが、もしあなたの歯に2016年以前に詰めた銀色の詰め物がある場合、その治療が、妊娠した時の胎児に重大な悪影響を及ぼす可能性がある事を覚えておいて下さい。

最大の理由は、その銀色の詰め物が「水銀アマルガム」である可能性がある事です。その詰め物からは、普段から目に見えない水銀蒸気が生じていて、体内に吸収されている上に、もしそれを歯科で削った場合には、極めて危険な濃度の水銀ガスが口腔内から肺を通じて吸収されることになります。


右の画像が、実際に歯に詰められたアマルガムから水銀蒸気が発生している様子です。
胎児が水銀にさらされると自閉症スペクトラム障害を含む神経障害が生じます。
治療にあたる歯科医師が水銀毒性の影響を受ける濃度です。

歯科治療で水銀アマルガムの使用を規制する動きは世界的に広がっており、現在、デンマークやイギリスでは、妊婦に限らずすべての患者に対して、使用が禁止されており。 日本では、使用禁止までにはなっていないものの、2016年4月に保険適用の対象から外されたので、いま現在も治療で使われているケースは多くないはずですが、2016年以前には、歯の詰め物としてしばしば使用されて来た水銀含有金属です。

歯にこの詰め物があるだけで、1日に4μgから19μgの水銀が水銀アマルガムから放出されて体内に吸収されると言われており、この水銀は胎盤を通過して胎児の神経障害の原因になることが知られているのです。

妊婦さんと胎児に対して野影響のみならず、成人でも水銀が体内に吸収された場合、各種の神経系難病の原因となりますのですべての患者に対してこの使用を禁止している国がある訳です。その毒性の強さについては、2002年にアメリカの国会で問題として取り上げられ、公聴会がひらかれて、最終的にアメリカ歯科医師会がその毒性を認めたという経緯があり、その内容がYouTubeに公開されています。御自身の歯に2016年以前に詰めた銀色の詰め物がある方は、ぜひこの動画もご覧下さい。リンクは以下のアドレスです。

水銀の毒性については、日本では水俣病におけるメチル水銀の毒性が良く知られていて、水銀を摂取した魚を食べた漁村の人々の多くがこの疾患で苦しみました。胎児への水銀の影響が、胎児の体がとても小さい事もあり、妊婦さんが食べるお魚に含まれる水銀量を極力減らす必要があることも知られているため、厚生労働省は、妊娠したら避けて欲しいお魚のリストを公表しています。以下がその表ですが、この表に記載された魚と同程度に汚染されていることが確認された日本国内で水揚げされているお魚も他に複数あるため、厚生労働省が発表した日本全国の漁港での実地調査に基づいて作成した、妊婦さんが避けるべきお魚一覧表を、私が独自に作成した表が一番したのお魚の絵の表です。水銀は、胎児のみならず、老人の中枢神経障害や認知症、神経疾患の原因にもなりますので、一覧に表示されているお魚を食べる場合は、その頻度を少なめにすることをお勧めします。(カラスガレイは、普通のカレイではなく、体調1mを超える深海魚です。普通の魚屋さんでは切り身で販売されています。)

次回は、同じく水銀をテーマに妊婦さんとワクチンの関係について記載させて頂く予定です。

女性と子ども達の幸せな未来のために。ぜひお読み下さい。

クリニック光のいずみ
院長 石川真樹夫

厚生労働省発表の妊婦さんが避ける可きお魚一覧
現在、実地調査で水銀含有量が多いことが知られている魚一覧

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