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SketchFabの販売者ガイドラインまとめ

前回の記事、『3DCG挫折者がリトライする話』で触れましたが、
BlenderやUnityを学ぶセルフプログラムを設定しました。

① 静止物のモデリング習得(ハイポリとローポリの作り方の違いを理解)
② マテリアル制作フローの理解(テクスチャペイントやスカラプトのベイク含)
③ アウトプット(SketchFabでのモデル公開・VRChatへのワールド公開)
④ リアルタイムレンダリング向けの人や動物のローポリモデルと、そのマテリアル制作
⑤ ④のリギング&アニメーション
⑥ アウトプット(SketchFabでのアニメーション付モデルの公開)

現在は③のためのモデルを製作中です。

SketchFabへアップするにあたって販売者向けのガイドラインを読んでいたら、今後どのプラットフォームに公開するにしても、私のような初心者にとって役に立ちそうなことが書いてあったので内容をまとめました。
2020/12/20時点での内容です。公式ソースは下記の通り。

日本語まとめは以下の通り。
翻訳がラフなのはご容赦ください。

< 基準全般 >

1 : すべてのモデル、テクスチャ、アニメーションの使用権利を有していること。(オリジナルやCC0など)
2 : サムネイル、タイトル、説明が正確に商品を反映していること。
3 : UVマップが正確にマッピングされていること。
4 :トポロジーが合理的であること。
5 : テクスチャやマテリアルが最適化され効率的であること。
6 : 適正価格であること。

< 価格設定について >

1 : 価格崩壊につながるような叩き売りはしないこと。
2 : 同様商品の市場価格よりも高く設定する場合、理由を説明文内で表すこと。
(例)テクスチャがハイレゾである、複数フォーマットに対応している等。
3 : 商品がユーザーに与える価値を考えること。自分が費やした時間ではなく、商品を買うことによって購入者が時間をどれくらい節約できたかを重視する。

< タイトルと説明文の書き方 >

1 : タイトルはシンプルに明確に。
2 : 推奨される用途を説明文に記載すること。
(例)3Dプリントに使える、ゲームエンジン用の表情リグ完備...など。
3 : 添付するzipの中に追加素材や別バージョンなどがある場合は明記すること。
4 : 他のマーケットプレイスへのリンクを貼らないこと。

< カテゴリーとタグの付け方 >

1 : モデルを正確にカテゴライズすること。
(カテゴリーは2つまで設定できる。適していない場合はSketchFab側で移動する場合がある)
2 : 検索結果に正確に表示されるよう、タグ付けは的確にすること。
3 : ユーザーからのコメントには責任を持って答えること。

< 3Dモデル(とViewer)の設定 >

1 : モデルの中身について補足が必要な場合は、アノテーション機能を活用して注意書きを貼ること。
2 : モデルのサイズと位置が適切であること。
3 : モデル本体を検討しやすいように、背景色は単色かつシンプルにすること。ライト〜ミディアムグレーが推奨される。
4 :  ニュートラルな状態のモデルを表示するために、HDRIやライトはなるべくシンプルにすること。
5 : SketchFabの提供する『Studio HDRI』が良い具合の照明で色味に影響を与えないため推奨される。
5 : テクスチャフォーマットの理想はPNG。Photoshop等で編集可能な元データ(レイヤー保持状態)をzipに含めると喜ばれる。
6 : 3Dビューワーの『Post-processing-filter』を使いすぎないこと。SSAPやシャープネスはまだ良いが、トーンマッピングやbloom等の使いすぎはテクスチャの素の状態をわかりにくくするので推奨されない。
7 : Save Viewの機能を使い、クリアでアトラクティブなサムネイルを作成すること。

< Addiional FIle機能 (追加ファイル機能) >

1 : この機能で可能な限り複数のフォーマットを含めること。中身のファイルリストは自動的にリストアップされて検索結果に反映される。
2 : 複数ファイルの場合は、zipにまとめること。サブフォルダ名やファイル名は的確でわかりやすくすること。
3 : zipの中にzipを入れても表示されないので注意すること。
4 : Collection機能で、単体アセットを集めてパックにすることも可能。
5 : 3Dソフトウェアではなく、SketchFabのオンラインエディター上でテクスチャ をアサインする場合、ユーザーがDLするときに自動的に含まれないので注意。
6 : SketchFabのExporterAPIを利用して、3Dソフトウェアから直接アップロードすることが推奨される。
https://sketchfab.com/exporters?utm_source=help_center&utm_medium=referral

< ゲーム/リアルタイムレンダリング向けの準備 >

1  : フォーマットは、FBXかOBJが理想的。
2 : 説明文にハイポリかローポリか記載すること。
3 : リアルタイムレンダリング向けのモデル場合、メッシュはQUADでもTRIでもOK。ただし、トポロジーの最適化は常に行うこと。
4 : SketchFabの3D Viewer上で、テクスチャが素早く読み込まれ、リグがスムーズにアニメートするように務めること。リアルタイムレンダリングの際の良い指標になる。
5 : PBRテクスチャはフルセット(Albedo,Metalness,Roughness,Normal...)で提供できるのがベスト。
6 : VRやAR向けのモデルは実世界スケールが理想的。
7 : 可能であれば、ローポリor ハイポリのバージョンを追加ファイルに含めることが推奨される。
8 : gITLへのトランスコードは、PBRマテリアル設定を保持した状態で自動的にされる。 (gITL=特定のライブラリに依存しない、本格的な汎用3Dフォーマット)
9 : SketchFabは現在(2020/12/20時点)、Metalness PBR workflowを推奨している。Specular PBR workflowに比べてUnreal等で優先的にサポートされており、二つの間でコンバートすることが難しいため。
https://help.sketchfab.com/hc/en-us/articles/204429595-Materials-PBR-#metalness

< アニメーション付きのモデルの準備 >

1 : 各アニメーションの状態を明確にラベルすること(settingで名前変更可能)
2 : アニメーションのバリエーションはなるべく多い方が良い。
3 : モデルが正確にRiggingされているかどうかはユーザーの大切な判断材料。
適したフォーマットで、Riggedバージョンを同封すること。

< オフラインレンダリング向けの準備 >

1 : モデルは実世界スケールに合わせること。
2 : 異なるレンダリング/シェーディングプログラムでも問題なく使える様に、追加ファイルのzipには複数のフォーマットを含めることが推奨される。
3 : 3Dビューワーでベストな状態で表示するためには、Subdivisionが少ないバージョンを使うこと。Subdivisionが多いバージョンをzipに含める場合は、説明文かアノテーション機能で記載すること。
4 : メッシュはQUADに限定することが強く推奨される。購入者自身が、利用するシーンに応じてSubdivision Surfacesを活用することができるため。

< 3Dプリント向けの準備 >

1 : 3Dプリントの素材によって全く別の挙動になることを認識すること。
2 : 3Dモデルが台座に立っていたり座っている状態の場合、重心やバランスを考慮して転倒しない様に工夫すること。
3 : 各3Dプリンターには、それぞれ一度にプリントできる体積に上限があることを考慮し、適切なサイズにすること。
4: エッジを閉じて、穴がないか確認すること。
5 : ノーマル(法面)が正しい方向を向いていること。面が反転している箇所はプリンターに「穴」として認識される。
6 : 非多様体(Non-Manifold)が含まれていないこと。(Non-Manifold=ジオメトリで完全に囲まれていない頂点(浮いた辺、孤立した頂点、縁にある辺など)
7 : Boolean処理した後など、余計なオブジェクトなどが残されていないか確認すること。
8 : 適切な場合、モデルの中身を空洞にすることを検討すること。(購入者がプリント価格をセーブできる)
9 : 必要であれば、追加ファイル機能を活用して、部品単体のモデル等も同封すること。
10 : プリンターにはSubdividion Modifierは無いため、モデルリリース時点でSubdivisionをかけること。
11 : STLやOBJ、DAEなど、3Dプリントに適したフォーマットを同封すること。
12 : 自分でテストプリントし、その結果を写真等で説明文に含めること。どんな環境でアウトプットしたのかも明記すると良い。

< 3Dスキャンしたモデルの注意点 >

1 : リアルタイムレンダリングでの用途を考える場合、ポリゴン数の最適化を行うこと。"MeshLab"を利用してポリゴンを簡素化することも可能だが、別バージョンとしてトポロジー自体を編集し直すのがベスト。”InstantMesh”あたりから始めるのも良いが、テクスチャをローポリver.のメッシュにベイクする必要がある。
2 : ゲームエンジン向けにスキャンしたテクスチャは、ライティング情報を除去するのが理想的。Unityの"De-Lighting Tool"が推奨される。(2020/12時点では実験的)

< 制限されるコンテンツ >

1 : 全てのコンテンツはSketchFabのコンテンツポリシーを遵守すること。
https://help.sketchfab.com/hc/en-us/articles/214867883-Age-Restricted-Content
2 : 通商停止国(キューバ、イラン、北朝鮮、スーダン、シリア、クリミア地域)に関する単語やリンクをタイトルや説明文に含めると、支払いは停止、取引はキャンセルされる。

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2020/12/20時点でのまとめは以上です。

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