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日豪ツーホン夫婦は家で何語を話しているか。

こんにちは。ニッポンxオーストラリアの日豪国際結婚、通訳翻訳(ツーホン)を生業とする我々夫婦が、二人の幼児をなんとか日英バイリンガルに育てようと苦労する様子をお届けする「日豪ツーホン夫婦、バイリンガル育児に取り組む」第3回目の投稿です。

わたくし日本人妻・英語通訳翻訳者のカイザー真紀子がお届けします。

国際結婚をした人なら「家の中では何語でしゃべってるんですか」と聞かれる機会、非常に多いと思います。私も例にもれず、初対面の人には必ずと言っていいほど聞かれます。ぶっちぎりNo. 1 のFAQ。(No. 2は「将来オーストラリアに移住するんですか」です)

我が家の場合は、私も同時通訳ができる程度に英語が話せるし、オーストラリア人の翻訳者である夫トムも、日本語は難解な特許文書を読み下し、「笑点」を楽しめるほどの上級者。日本の保育園に通う2人の子供も交え、現在、家の中では日本語英語、両方飛び交っています。

子供が生まれる前、我々夫婦だけだった時は英語が主でしたが、子供が産まれてから日本語の率が上がりました。

遡ること5年前。現在年中組の上の子を妊娠中、父親となるトムは次のように希望していました。

「日本で生活するのだから、日本語は学校生活で身につくはずだ。家庭では英語力を育みたい。家の中はイングリッシュゾーンとし、英語のみで生活したい。ついてはマキコも英語で子供に話しかけてほしい」

この要望を受けて、頭のなかでフィージビリティ・スタディを一応しましたが、私はどうしても英語のみで子供に話しかけられる自信はありませんでした。

30年前、英語は中学校から習う科目でした。私も中学一年でabcから習ったクチです。長じて通訳になるための勉強もしましたが「営業利益」「官房長官」などのお堅い単語は出てきても、「よちよち、いい子でちゅね。おむちゅかえまちょうね。かわいいでちゅねー」などの育児に必須な言葉掛けを英語でどういうのかは知らないままだった私。読者の皆さん、これ英語で言えますか? それに日本語ネイティブの私から、英語の発音を学ばないでほしいという思いもありました。せっかく英語ネイティブが父親なんだから、ホンモノの発音を身につけてほしいじゃないですか、やっぱり。

母親である私の英語力に上のような制約があったため、出産後も夫の希望を叶えてあげることはできず、私は日本語で赤ちゃんに話しかける日々に突入しました。ふたりとも低月齢のうちにさっさと保育園に入れましたが、保育園で先生たちのおっしゃる言葉がわからなければそれはそれで問題であり、多少英語力とのトレードオフではあったのかもしれませんが、日本語で話しかけることが間違っていたわけではないと思います。結果として子供と母親(私)の間は日本語が主となりました。

父親のほうはオーストラリア人ですので、当然赤ちゃんに英語で話しかけるのに何も問題なし。父親と子供の間は英語となりました。

こうしてトム+真紀子だけの時はほぼ英語だったものが、真紀子+子供は日本語のため、家庭内での日本語の割合が増えたというわけです。

余談ですが、トムが子供に英語で話すのを聞いて、私も英語の赤ちゃん言葉を学びました。いまなら先述の「よちよち、いい子でちゅね。おむちゅかえまちょうね。かわいいでちゅねー」は英語で言えますよ。例えばこのようになります。”There there, good girl. Good girl. Mummy change your nappy? You’re beautiful. Yes you are.”

前回書いた通り、我が家ではマミー(お母さん)はイギリス式スペルを採用し、米語のmommyではなくMummyとしています。同様に、オムツは米語ではdiaper (発音はダイパー。ダイアパーではなく)ですが、うちは英国式でnappyと言っています。英語豆知識でした。

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