「身の程知らず」で「身の程」が上がる!
「身の程知らず」というと「自分の能力や実力、立場をわきまえないこと」を指しますが、
あなたは、「身の程知らず」なことをやったことがありますか??
よい意味ではあまり使われないこの言葉。
個人的には、
「身の程知らず」に挑戦すると、「身の程」が上がる!!
と思っています。
私自身小学校教員時代に、かなり身の程知らずなことをしたことがあります。
あれは教員なりたて2年目の時。
何をしたかというと・・・
卒業式のピアノ担当です。
教員経験者の方にはこの担当の重要性、分かっていただけるのはないでしょうか?
卒業式というと、学校行事、学校生活の中で一番大切な儀式と言われるもの。
6年生の卒業を祝い、保護者、来賓、在校生が集まる厳かな儀式です。
そんな中でピアノ伴奏を担当することはとても重要で大変な役であり、普通は音楽主任の先生や、ピアノの万能な先生がされます。
が!!
私は小5から高1まで習ってはいましたが、「習っていただけ」で、絶対音感もないし、楽譜を見てすぐ弾けるような能力もありません。
1曲弾けるようになるのに何度も何度も練習して、ようやく弾けるレベル。
なのに・・・
ちょうどその年に音楽主任さんが育休中に入られ、他のピアノに堪能な先生は、ご自身のお子さんも卒業でそちらに出席すると…。
そんなこんなで、
ただピアノの経験があるというだけで身の程知らずの重要な役が教員2年目でピアノも下手な私に回ってきたのです。
「断る」という選択肢はその頃の私にはなかったようです。。
(今なら絶対断るのに…)
卒業式の中で弾くのは、国家、校歌にはじまり、全校合唱2曲、教員の歌。
そして・・・メインの卒業生の歌!!
これでコケたら卒業式台無し…。
しかも・・「巣立ちの歌」というとっても素敵な曲を選ばれ、途中の間奏には長~いピアノメインのパートが…。
身の程知らずの挑戦だからこそ、夏休みから各曲の練習を始め、当時エアコンのなかった暑~い音楽室に一人こもってひたすら弾いていたのを覚えています。
卒業式が近づくと、子どもたちと合わせての練習もあります。
正直私は、自分の目の前の楽譜を追うのに必死で子どもたちの歌声なんて耳に入らず…。
ですが、
「先生、今のどうでしたか??」
と、他の先生から振られ、冷や汗いっぱいかきながらそれっぽいことを答えて指導していました。(申し訳ない・・・。)
そんなこんなで卒業式当日を迎え、卒業生、在校生、保護者、教員、来賓の方々でいっぱいの中、なんとか全ての曲を弾き切りました。
そして、
驚くべきことを耳にしたのはその後。
卒業式のあとに卒業担任の先生に呼ばれました。
「ねえ、先生これ見て。」
と、校長室の金庫にある分厚い文書綴りを手渡されました。
その小学校では、代々の卒業生の「将来の夢」を綴ったものを金庫で保管する伝統がありました。
ある女の子の書いていた夢。
「真希子先生のような音楽の先生になる。」
なんと。。。
あんな下手くそなピアノを冷や汗ダラダラで必死で弾いていただけの私を見て、そんなふうに思った12歳の女の子がいたとは…。
卒業式の大舞台でピアノ伴奏をするなんて、私にとっては本当に「身の程知らず」の挑戦でありましたが、
実力以上のものを出すために必死に日々努力し、
あたかもそれが「身の程」であるかのように振る舞っていたので、
本当に実力以上の成果を出せて、こうしてひとりの女の子の心まで動かすことができたように思います。
「身の程知らず」に挑戦すると、「身の程」が上がる!!
本当だと思いませんか??
何でも謙虚で遠慮がちな日本人体質。
奥ゆかしいとも言いますが、自分で自分の「身の程」を低く見積もる人が多いように思います。
それではもったいないですね。
敢えて「身の程知らず」にも挑戦する!!
これをすると目に見えて「身の程」が上がるのでおすすめしたいです。
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