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俯瞰世界

■アリ飼育セット

 仕事からの帰路、運転席から流れる景色を見ていると、アリの巣の世界を思い出します。「蟻飼育セット」って夏休みの自由研究でありましたよね。透明で薄っぺらいケースの中で蟻が砂を掘り進むアレです。

 ヒトもこんなふうに育てられているんじゃないかと、最近よく考えます。箱庭にヒトをばら撒いて、勝手に街とか建造物を作らせて、「ソフィーの世界」のような「泣くな、はらちゃん」のような計り知れない外の世界。

 運転しながら、この道路も電柱もコンビニも「ヒト飼育セット」のヒトが材料を与えられて、今まさに作っている最中で・・わたしもそのひとコマに過ぎないんじゃないかと。

 そうなると誰が箱の外に居るのか。

 考えると面白くなってきます。ホログラフィック宇宙論とか、多元宇宙論とか想像して、5次元より先の世界が折り畳まれているのはどこなんだろうと嬉しくなってきます。


■ケアマネの俯瞰癖

 ケアマネになる前は、デイサービスやサ高住で直接利用者さんの介護に関わっていました。その頃に較べると今は終業時刻以降、心の中は凪いているというか、頭に仕事の欠片を残さないようになりました。お陰で帰り道に大好きな宇宙論に思いを巡らせることができているのでしょう。

 もっとも、この仕事は自己管理世界なので、あの頃のような仕事後に翌日のシフトを心配したり、組み合わせの職員に憂鬱になることもなければ、イベント準備の進行具合を気に揉む必要もありません。

 居宅ケアマネの仕事はわたしに合っている。
 ありがたいな、とつくづく思います。

 ケアマネジメントの仕事を重ねる中で、利用者さんを取り巻く人物相関図の見方は大きく変わりました。ケアマネも支援チームの一員ではありますが、時にそこから離れて観測気球のように俯瞰してみると、バラバラとICFの材料が降りてきます。

 そういえば、その人をアセスメントするとき、頭の中でICFに整理して関わる事ができたら一人前と言われたことがあります。

 本当かなぁ。

               * * * 

 今回も素敵な画像をお借りしました。どことなく、田舎に似ている感じ。ヒトはよく働きますね。新しい何かをまた作りだしそうです。

 今週も新しい出会いを大切にしていこう。

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