maki

どこにでもいるごく普通の会社員です。夏生まれで海が大好きですが、冬が好きです。好きな人がいます。

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どこにでもいるごく普通の会社員です。夏生まれで海が大好きですが、冬が好きです。好きな人がいます。

最近の記事

10/10

その日は台風が接近していて 昼間から雨が降っていた。 ある日曜日、 いつもの友人と飲んで恋愛話になる。 連絡しちゃいなよ! というやりとりの中で 彼に連絡を取った。 飲みに行こうよ! 5分足らずで返事がくる。 いいよ!来週はどう?忙しいかな? そんなスムーズなやりとりで あっさりとその日は決まった。 お店は彼が予約してくれた 和食のお店。 待ち合わせは雨が降る都心の19時。 改まって会うのは8年振りだった。 相変わらず歩くのが早い。 あの頃もいつだっ

    • 親友が

      親友が、この秋に結婚します。 私にとって彼女は、 ある意味私の人生を変え ある意味私の人生を変えないでくれた人。 彼女がいなかった人生なんて、 想像できません。 想像したくありません。 出会いは高校生の時。 彼女はとにかく目立つダンス部で、 一年生の時からなんとなく名前は知っていて、 私の数少ない中学生の時からの知り合いと 夏の2ヶ月だけ付き合ってるらしいよと 風の噂で聞いた子でした。 高校3年生の時に同じクラスになりました。 彼女は、ダンス部のイケイケな

      • 4/15

        ずいぶん前に長い間片思いしていた人から、 突然連絡がきた。 『突然連絡してごめんね。 元気にしてるかなと思って。』 彼との出会いは、高校に入学してすぐの頃。 同じ学習塾の同じクラスだった。 初めて彼を認識したのは、 たしか高校一年生、4月の寒い雨の日 塾の教室、一番奥の前から二番目に座っていた。 金髪で(ノリで先輩と染めたんだと後から聞いた)、 それを隠すためにグレーのパーカーのフードを深く被っていた。 先生に「お前頭どうしたんだー」とか言われて、 みんなで笑っ

        • 4/11

          私は、LINEの着信音が嫌いだった。 毎日のように聞かされるその音に、 恐怖すら覚えたことがある。 一週間前は満開に咲いていたのに すっかり葉桜になってしまった。 日常の色が、 人々の暮らしが、 一日一日大きく変わっていた。 天気は、曇り。 少しだけ肌寒い。 夜から雨が降るらしい。 朝起きてからずっと、 静かな部屋のベッドの上で過ごしていた。 夕方、16時頃だった。 iPhoneから、あの着信音が鳴る。 一瞬、胃がヒュンっとなる。 好きな人からの電話だ

          4/8

          自分が好きな人を大切にするんじゃなくて 自分を好きでいてくれる人を大切にする。 どこかの誰かが言っていた、 これは恋愛において重要らしい。 自分を好きになってくれた人は、 たしかにいた。 今までに何人かいた、と思う。 本当に好いてくれていたかは分からないけれど、 少なくとも『好きだから付き合ってほしい』とか そういう類の言葉を彼らはこんな私にかけてくれた。 それから付き合った人もいれば、 そうならなかった人達もいた。 私は元来はっきりものを言えない性格で (こ

          4/5

          世界一好きな人と過ごす夜は、 世界一幸せな時間と知った日。 風の強い、春の陽がとても眩しい、暖かい日 田舎の、広くもない、きれいでもない、 海の近くの、天井の高い、アパートの1階 一緒に適当な料理をして食べて 一緒にテレビを見て笑って 一緒にYouTubeを見て 一番に同じゲームをして いつかここ行きたいね、なんて話して 一緒にホラー映画を見て 怖いからって言い訳して手を繋いで寝て 寝ている彼の背中に向かって 好きだよ、なんて言ってみたりして 気付いてるんだろう

          3/30

          うわ、寝坊した、と思って慌てて起きる。 時計を見ると、アラームが鳴る時間まであと1時間あった。 ひどい、おそろしい、仕事の夢を見ていた。 でも、あながち間違った内容ではなかった。 朝の電車の中で、ずっと好きな人のことを考えた。 何をそんなに考えることがあるのか。 次のデートや約束があるわけでもないのに。 苦しくて、一人で泣きながら歩いた道を思い出した。 寂しい女だ、と 隙だらけな女だ、と 変な男に攫われちゃうから 絶対に外で一人で泣いたらだめだよと 別れた彼氏に言わ