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ドラマ『マイ・ディア・ミスター ~私のおじさん~』のこと

公開:2018年
鑑賞:Netflix(字幕)

🖤2021年にFilmarksに書いた感想の転載です。
韓国映画は様々観たけど韓流ドラマは初めて。全16話、なんと素晴らしい物語か、高評価に嘘偽りなし。音楽や挿入歌も胸に響く。YouTube動画に並ぶ様々な国籍ユーザー(中東、中米、南米まで)の絶賛コメントを見て、わかるよかるよと共感しまくる。

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ネタバレします

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🖤1話目が終わって主人公パク・ドンフンの顔なんか見覚え…と想ったら『パラサイト 半地下の家族』の裕福IT企業社長か!そこまで気づかないこの節穴の眼が誇らしい(誇らしくない)。

🖤社内政治、パワハラ、賄賂、謀略、妬み、左遷、盗聴、貧乏、借金、暴力、手話、介護、ネグレクト、不倫、別居、失業、断念、中年ニート。あらゆる現代の負の要素が絡み合うのを「わぁい楽しみ!」と想えないし、序盤数話は観続けていいか迷った。実際、序盤で脱落する方が多いらしい。

また同時に描かれるハイテンションな兄弟愛、家族愛、地元愛、飲酒、泣いたり喚いたりブチキレたりもユーモラスで笑えるものの、私には熱すぎ暑すぎるし本筋が遅遅と進まないのも悶悶となった。

それが中盤以降、すべての登場人物の特性や思惑がわかり、ドラマのスピード感も増して面白さも上昇、ついつい次のエピソードを再生してしまう。登場人物全員は幸せになれない。諦めた者、堕ちた者、去った者、遠く離れた者、苦渋の選択を受け入れた者も居る。

それでも主人公ふたりが共依存に陥らず「魂の再生」と「居場所」を得てから再会、笑顔で向かい合うシーンには我がことのように歓びを感じた。これ以上ない完璧なエンディング。こんなに温かい涙があふれるドラマはそうそうない。

🖤役者みんなよかったが、特に主演のIUとイ・ソンギュンが凄い。IUのじわじわと氷が溶けてゆく様、イ・ソンギュンの言葉にならない感情表現、見事だった。周りが泣いたり喚いたりするなか、ふたりの物静かさがコントラストとして効いている。

堪えて堪えて堪えた末に橋の上で感情が決壊するジアン。亡くなったお祖母さんに手話で再会の約束。これが演技なのかと圧倒される。

最終回。ずっとずっと耐え続けたドンフンが部屋でひとり嗚咽する姿にも心が掻きむしられた。ドンフン、あなたってひとは。

昨年、劇場で観た『パラサイト 半地下の家族』はソン・ガンホとイ・ソンギュンの二大スター共演だったんだね。観返す楽しみが増えた。

🖤「どうってことない」
「ファイティン」
「幸せになろう」

「安らぎに至ったのか?」
「はい」
「はい」

🖤余談 1
ドラマを観終わった日(5月16日)がIUさんのお誕生日でびっくり。おめでとうございます。この偶然とても嬉しい。IU本人も両親の借金問題で苦労して祖母に育てられたとか…。そのお名前、お顔、演技、しっかり焼き付きました。

🖤余談 2
半年経っても一年経っても『マイ・ディア・ミスター』というタイトルや登場人物の顔、挿入歌や音楽、SNSやnoteで見かける感想に触れると目頭が熱くなる。唯一無二、かけがえのない作品。


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