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母と子の想い「会社を辞めてホントに良かった!」
「ねぇ、なんで泣いてないの?」
来月実家に帰ることもあり、母と頻繁にやり取りをしている最中の会話。特に泣くことがないから泣いてない。
きっかけは娘の運動会。
といっても、カケッコだけ参加!
カケッコの動画を撮り、いつもと同様“みてね”にUP。その動画をみた母からの言葉だった。
![](https://assets.st-note.com/img/1666186669122-CD2kfU9mgn.jpg?width=800)
娘の懸命な走りに感動したのは確かで、ウルっとした。しかし、動画に残っていたのは、テンション爆上がりで応援する私の声援と笑い声だ。
「うぅわぁー、きゃー、すごいーー!!」
ウルっとさは、うーん、ない。
母は続ける。私の初・運動会は4歳になった後。4歳にも関わらず、ヨタヨタした足取りで、やっとこさ走っていたようなのだ(想像がつく、めちゃくちゃ運動神経が鈍かったから)。
3歳までは実祖父母に預け、日中どんな風に過ごしているかを知らない。土日になると、同居していた義祖母の手に私がわたり、育児をしたくてもできなかったそうだ。
だから以前
「私、4歳までの記憶が全然ないんだけど、どんな子だったの?」と聞いた時、母は黙ったあと、
「覚えてない」ぽつりとつぶやいた。
「まきの運動会のかけっこ、感動して涙があふれて、カメラのシャッターも切れなかったの。ねぇ、なんで笑って応援してるん!!」
そうか、そういうことか。
これまで母がポツポツ呟いていた点が、つながった。
20代後半、子供は2人。フルタイムで働き、家に帰れば、まったく家事をしない夫、義母がいて、家事をひととおり終える頃は夜遅く。同居で気も遣っただろう。まだ若い。
わたしが4.5歳の頃の母の環境。
母にとって、私の小さい頃の思い出は「悲しく・切ない思い出」なのかもしれない。可愛がりたくても渡してもらえない。時間がない。余裕がない。家の中に協力者はいない。
母が毎度、力強く伝えてくる台詞が今回も飛んできた。
「ホント会社辞めて良かったね!」
辞めて良かったのは事実。だけど、金銭面での不安はあるし、そもそも母は1つの仕事を辞めずに続けてきた人。手に職がない(私もね)からこそ、やめなくて良かった!と言い続けていた人。
なのに、娘の私には「もう辞めた方がいい!」「辞めて良かった!」と一貫している。
辞める前までは、間違いなく健康を気遣い。
辞めてからは、心身共に元気になり、余裕をもって育児をしていることに安心している。
会社員を続けてたら、発狂するか、鬱になってた気がするし、栗は絶対剥けなかった。
そして何より、母はできなかった育児なんだろう。たった数年しかない、子どもの幼い頃。その数年を思い出せない。余裕がなかったと何度も言ってた母。
娘が母になったからこそ、思い出したことでもあるんだろうな。
母が仕事を続けてくれていたおかげで、3人姉弟何不自由なく大きくなれたから、感謝しかないんだけど、母には母の想いがある。子の想いとは違う。
余談だが、私たち夫婦の育児は『老後育児』と呼ばれてる。おじいちゃん、おばあちゃんが孫を“あらまぁ元気ね”と眺めるかの如く、気が長く、のんびり育児をしてるように見えるらしいから。
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