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【続・断捨離祭り】ワンパンマン高く売れん!『価値』を再考するきっかけ

「ワンパンマンは初版のだから価値がある。売れる。」
「●のCDは日本では買えないから価値がある」

『AはBだから価値がある』

夫が使う耳タコ構文の一つ。
おかげさまで、価値とはなんぞや、本当にAはBなのかなど、頭の訓練としてはいいけれど、妻として思うことはただ一つ。

「使わないなら売ってくれ」

と伝えて早3年が過ぎた。ようやくお盆の断捨離祭りにより、納戸の一軍場所に鎮座したCDや本、彼の三軍マンガが引きずり出された。が、断捨離時にも耳タコ構文が襲ってくる。

彼は手続き類が苦手で、メルカリで売れるといいながら、そもそもアカウントすら持ってない。廃棄すると言ってたパソコンも、廃棄業者を間違えたのか、持っていってもらえず放置して早半年。

コレクターしたい気持ちは分かる。本やCDくらい残してあげたい気持ちも多少はあったが我が家は狭い。しかも汚いダンボールに詰め込まれて出てきたことがないものたちだ。これらの処分も期待した断捨離祭りにて、やっと破棄する許可が出たので買取業者に依頼。マンガも本もCDも、夫の分は相場観が全く分からないので、事前査定できるものはチェックした。

“全然値打ちのありそうなものはない。
私のマンガや本の方が高く売れるのでは”

どれも高く売れそうにないから買取に出すねと伝えると「ワンパンマンは初版だから高く売れるはず!」と即答された。

じゃ、おまえがやれよ。という悪態は喉元で止めてメルカリもチェック。

20冊で3,000円が相場。しかも出品者が多く売れてない。ネットで無料に読めるものになってることもあり査定がどこも低い。他のマンガも調べたが似たような相場。

一つ一つメルカリに出すほど私はマメじゃない。買取に出すので限界だ。

通常であればイライラが溜まってくる頃合いだったが今回はちょっと違う。

それはお義母さんのおかげだった。義母に娘のワンピースを依頼した時の、義母の嬉しそうな表情が脳裏に残っていて。

母の表情と、夫の

「ワンパンマンは初版だから価値がある!」

得意げに言い切る表情がそっくりだった。夫と義母の性格が似ている、タイミングがピッタリだったからかもしれない。とにかく二人の顔が重なり、『価値』について再考するきっかけとなる。

私にとって価値あるもの=金銭交換ができる値打ちがあるもの。価値は金主義に陥りやすい。

夫も言ってることは同じ。
「価値があるから高く売れる!」

しかし、私は間違っていた。

彼は売りたいと本気で思ってないのでは。本気で思ってるならさっさと行動してほしいが、「売れる」と言ってるだけで「売りたい」ではない。言葉にしていることと、想いが一致しないことなんて多々。

売ってほしいのは私。

価値がある。
高く売れる。

その妄想想像自体や、そう想う時間価値なんじゃないかと。

幻想じゃんと思うが、『価値』の定義は幅広く定義づけして使ってるわけじゃない。夢みることだって価値の一つ。思い出に価値を感じる彼だったのをすっかり忘れておった。

10円でした!

と夢がさめてしまうのは、彼の妄想価値が終わってしまうのではと危惧する。

と言いつつ、さっさと買取に出したけどさ。

余談だが、彼が一番価値あると感じているモノはこちらのウチワ↓↓

片面はボーダフォンの広告
一方は加藤ローサさんの若かりし頃の写真

パタパタしてるとすぐ取り上げられて、代わりに祇園祭りのウチワがきた。

蟷螂山のうちわ


「ボーダフォン時代の加藤ローサのウチワは価値がある!祇園祭のは毎年買えばいい。」


売ってからいいなよ。

とは言わず、夢見る価値を奪わないようずっと取っておこう。ウチワは場所をとらんからね。

思い出と妄想に価値を感じる男と、
空間とカネに価値を感じる女の夏の断捨離祭り。
本当の意味で終わりを迎えた。





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