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結婚相手は誰でもよかった

29歳と34歳の2回、婚活をした。
30歳までには結婚したい。35歳までには結婚をしたいというスケジュールありきの婚活をし、35歳を迎える目前に入籍も結婚式も終え、目標達成した。2回の婚活だけではなく、結婚するまでの恋も不遇で苦い記憶が95%。
だって、結婚相手は誰でも良かったのに、結婚できなかったから。イケメンやお金持ち、性格のあれこれに難癖をつけたわけでもないのに。フツーの人でいいからというような曖昧なオーダーもしていない。結婚できるなら誰でも良かったのだが、「誰でもいい」は分からなくなるということで、3つだけ要件を決めて伝えていた。
本音は、本当に誰でも良かった。




結婚相手は誰でもいいと思ったきっかけ


入社して数年経った頃、会社のお偉いさんがやってきて、社員に向け話をしてくれた。お偉いさんは誰だったのかも、何の内容だったかも思い出せないが、おそらく事業に関することだったし、リーマンショック後で事業が厳しく、奮起にむけての話だった気がする。けれど記憶に残った言葉は

“誰と結婚するかが大切なのではなく、結婚すると決めた相手と、どうやって良い人生を送っていこうとするかが大切。昔はお見合いがほとんどだったけれど、今よりも離婚数も少ないのが現実だ”


事業の在り方を、お見合いを引き合いに出して語られていたはずだが、20代の私の心に残ったのは “結婚する相手って誰でもいいんだ。どうやったら幸せになれるかを考えていけばうまくいくんだ” だけだった。



誰でもいいのに結婚できない現実


結婚しない人が増えてるというメディア情報は目にも耳にも入ってきたが、メディアは遠い世界。友人も会社の同僚も親族も、一人また一人と結婚していった。
“マキは仕事が忙しいからだよ” の慰めも虚しく、多忙な仕事が理由ではないことくらいは分かっていた。結婚する意志をもって結婚していく人、想定外に結婚していく人さまざまだったが、結婚どころか彼氏もできなかった自分には無縁の世界で、取り残された気持ちになっていた。突き詰められる結婚できない現実。


結婚相手は誰でもいい、を体感した出来事


29歳、初めてお見合いをした人とお付き合いをした。好みからは遠くかけ離れた男性で、好きなところを探すのには苦労した。長年営業を経験しているおかげで、人の良さや魅力を見つけるのは得意だった。好きにはなれそうもないけれど、良い点はいくつか言える!嫌いも苦手も山ほどあったが、幸せに生きていくための解決策を都度考えては、結婚後のイメトレをしていた。

結婚すると決めた相手と、どうやってより良い人生を送るかが大切

呪文のように反芻した言葉だ。
好きになれない相手でも結婚できる、と確信した時に思わぬ形で終わりを迎えた。なんと彼にフラれた。3歩下がって引き立ててくれる女性が良かったそう。3歩前に出ていることはあっても、下がってることはないから仕方ない。自分が妥協したり、解決していけば結婚できると思っていた人からさえ、フラれるというのは多大なダメージだった。

大きな収穫は、お付き合いした彼はいわゆるダメンズと言われる部類だったが、全く問題ないと感じられたこと。やっぱり結婚相手は誰でもいいを体感・証明させてくれた相手だった。

30歳を迎えて、30歳までに結婚したいという目標がなくなって、婚活してるのかしてないのか分からない時期が2~3年続いた。数年前と同様、誰でもいいのに結婚できない現実は押し寄せていたが、“結婚はできたらでいい”という謎の言い聞かせを自分にしていた。

人相のいい男に出会う


相変わらず仕事と趣味に励んでいると、気づけば34歳になっていた。
35歳までに結婚する!という目標を慌てて立て、5年前同様に婚活をした。
5年の月日は婚活市場においてデメリットしかなかったが、5年前には持ってなかった自己受容感という武器を手に入れて、婚活市場に舞い戻った。

周囲はほとんど既婚者になり、コンパや紹介の機会は減った。最高の仕組みだと感動したお見合いは、家庭の事情があって利用する機会には恵まれず。出会いの可能性が減っている現実を目の当たりにしたからこそ、“新たな独身者との出会い”があった場合は、もうその人で絶対結婚するんだ!というくらいの強い意気込みで臨んでいた。
気合最高潮の時に、出会ったのが彼(夫)だ。
男女7名ずつの婚活イベントに参加させてもらった時に、彼がいた。
独身の男性と一度に何人も会せるなんて、なんて合理的なイベントだと招待してくれた友に感謝した。

決め手は人相(人相は見れない)。会が始まる前に、ざっと男性陣を見渡すと、笑顔の素敵な男性がいた。普段から笑っている人であろう、筋肉のつき方に不自然さのない彼の表情。よしっ彼に決めた!とロックオン。
無事連絡先はゲットできたので、その日は帰宅。
その後、デート・お付き合い・プロポーズをほぼ私主導で行って結婚に至った。逆プロポーズは見事に決まった。

入籍したのは、彼と出会って半年、お付き合いして3ケ月。会った回数は10回程度だっただろうか。お互いがお互いのことを、大して知らないまま結婚した。誰でもいいから、35歳までに結婚したいを叶えられた瞬間。

人相のいい男が夫になった今


誰でもいいからと思って結婚した相手は、今は最愛のパートナーで仲良し。
出会った中で最高の男性だし、昔より今より、これから先もっと好きになっていくはず。だけど最愛であることは、本人にあまり伝わっている様子はなくて寂しい。
“誰でもいいから結婚したかった”という私の心を知っているからだ。
“愛すると決めた人を深く愛する”という私の心を上書き保存してほしい。

結婚して4年目の今。最近知ったことなのだけど、実は彼も私のことが好きで結婚したわけではなく“結婚したいタイミングだったから”ということを知ってショックだった。お互い様なのになんてワガママな自分の心。

結婚相手は誰でもいいのか?

結婚する前もした後も、周囲の人を見ていても、結婚相手は誰でもいいの答えに変わりはない。お互い好きで結婚して夫婦生活を極めるもよし、価値観が似ていて、喧嘩もすることなく同志のような関係もよし。結婚前後で人が変わったような相手に困ってしまうのなら、自分の器を成長させてくれる相手としてよし。
一つも趣味が合わない、大切にする価値観も思考の癖も違う彼と結婚したからこそ、多様性を認めるコトと本気で向き合わざるを得えない今。

誰と結婚するかじゃなく、より良い人生をどうやって送っていくか。を実践し続けたら、誰と結婚しても幸せがおとずれるはず。


*おまけのサイドストーリー↓↓


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