真木あかり

占い師の真木あかりです。四柱推命、占星術、タロット、風水、九星気学などで鑑定・執筆を行…

真木あかり

占い師の真木あかりです。四柱推命、占星術、タロット、風水、九星気学などで鑑定・執筆を行っています。LINE占い「チベタン・オラクル」監修。個人鑑定もLINE占いアプリにて承っています。著書『悪魔の誕生日事典』(宝島社)等、好評発売中です。

最近の記事

星のセルフメンテナンス〜占星術で、自分を整える〜

人生にはたびたび、唐突に鬱々とした時期が訪れます。もちろん喜びもたくさんあります。それでも途方もない疲労、積み重なるタスク、ふと思い出される過去の記憶、出し抜けにぶつけられる小さな悪意にコミュニケーションの断絶──そういったものは、静かに心の底に降り積もっていくのですね。ワインが熟成するほどに、瓶のなかに澱をためていくように。それらがもはや見過ごせないものとなったとき、セルフメンテをするためのアイデア集としてこの記事をまとめました。   個人的な話で恐縮ですが、私は2023年

    • 偶像崇拝

      ぐうぞう-すうはい【偶像崇拝】 偶像を信仰の対象として重んじ尊ぶこと。神仏を具象するものとして作られた像などを、信仰の対象としてあがめ尊ぶこと。また、あるものを絶対的な権威として無批判に尊ぶこと。▽「偶像」は神仏などにかたどり、信仰の対象として作られた像。崇拝や盲信の対象となるもののこと。 (goo辞書 三省堂 新明解四字熟語辞典より) 夫には尊敬する人はいない。好きなアーティストも俳優もアイドルも作家もビジネスパーソンもいない。もちろん「上司にしたい戦国武将」なんてのも

      • 【ご報告】チャリティコンテンツ「2021年上半期 気になる日カレンダー」寄付いたしました

        年末に公開したチャリティコンテンツ「2021年上半期 気になる日カレンダー」、たくさんの方にご購入いただきまして、本当にありがとうございました。皆様からお預かりしたお金を無事、寄付させていただきましたのでご報告いたします。 おかげさまで236名様にご購入をいただき、2017年からnoteの記事へのサポートいただいた分のお金もすべて合わせて¥181,888の売上となりました。ここからnote、WORDS各サービスのシステム使用料、¥33,945を引き、計¥147,943が寄付

        • 今日より明日が、少しでも良いものであるように

          夕卜にも 占にも告れる 今夜だに 来まさぬ君を 何時とか待たむ 万葉集 巻十一 集歌2613 詠み人知らず みんながやってる「夕卜」って占いでも、ほかの占いでも「今夜、恋人が来ます」と告げているのにあなたは来ない。私、このままずっと「いつ来るんだろう…」って待ってるばかりなの?(※筆者による意訳) 奈良時代末期に成立したと言われる万葉集。そこから1200年以上経っても私たちは、同じように「ここにいない誰か」の気持ちを思っては、眠れない夜を過ごすことがあります。「夕卜」とは

        星のセルフメンテナンス〜占星術で、自分を整える〜

          うつせみ

          情景はもう、記憶のなかでやさしく色あせるほど前のこと。短歌を趣味としていた時期があった。といっても短歌会に所属したり作品を発表したりしたわけではなく、ただ密やかな個人的趣味としてである。15年ほども続けていただろうか。歌は恋をすればやわらかくなり、仕事に没頭すれば勇ましくなる。そんな自分のおかしみあふれる記録でもあった。折りに触れノートをひらいては心に浮かぶままを書き付けたり、言葉をあれこれ差し替えたりするのが楽しみだった。 あるときひとつの恋をした。関係が始まってしばらく

          2021年の目標。よい1年にしていこう

          元日は久しぶりにまとめて考える時間ができたので、2021年の目標など考えてみた。私は「願えば叶う」というのは「(思考を行動目標に落とし込み、行動目標をタスクに変え、日々やりきる努力をすれば)願えば叶う(こともあるが、努力がすべて報われるわけではなく人生は続く)」と思っています。毎度思うのですが、占い師なのにドライというか神秘性がゼロですみませんw でも、これは私が私のために納得のいくまで考えたことなので、皆がそうあるべきと思っているわけではありません。押し付けるつもりはありま

          2021年の目標。よい1年にしていこう

          2021年上半期の星占い 気になる日カレンダー

          本コンテンツは上半期181日のうち特に気になる80日の解説を書き下ろした、チャリティコンテンツです。総文字数は2万字以上、日/週といった短いスパンで占いを“使う”ための情報を盛り込みました。長いスパンでの見立ては『2021年上半期 12星座別あなたの運勢』(幻冬舎)をご参照ください。 売上はnoteの事務手数料(15〜25%)を除いた全額を「いのちの電話」に寄付いたします。また、過去にnoteの「サポート」という仕組みによりいただいたお金も、今回併せて寄付いたします。寄付金額

          ¥700

          2021年上半期の星占い 気になる日カレンダー

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          完璧な失踪

          完璧に失踪するにはどうしたらいいですか、と聞いた夏のことをよく記憶している。まだ会社員だった頃だ。8月の土曜、陽射しは容赦なくアスファルトを灼き、熱風は飴のように全身に絡みついた。打ち合わせのため都心のターミナル駅に出たが、とにかく追い詰められた気分でいた。失踪したい。抱えている仕事から、ままならない人生から、どうにかして逃げたい。誰も知らないところで人生をやり直したい。そう切望した。無理難題を突きつける代理店、締め切りの山、休日も深夜もひっきりなしにかかってくる電話。「あの

          完璧な失踪

          いない人だったころ

          人生で幾度か、「いない人」として扱われる経験をした。子どものときはクラスメートから、おとなになってからは一緒に働いた人から。彼らはまるで私がいないかのように通り過ぎていき、いないかのように目の前で私を悪し様に罵った。あまりに自然だったので、自分は透明人間にでもなったのかと驚いた。でも私は確かにいて、指もつま先も見えるのだった。 付き合っている恋人から「いない人」扱いされたこともある。ふたりで暮らしているのに、関係を徹底的に秘匿された。私の目の前で、友達に「彼女?ずっといない

          いない人だったころ

          ときどき、きれいに

          どうにもまずいのである。 唐突にどうしたという感じだが、自分が作るごはんの話である。 春から夫がテレワークになり、料理の時間が格段に増えた。もともと3食自炊だし料理は好きなので苦ではない。何を出してもうまいうまいと食べてくれる人なので作りがいもある。しかし作り続けてハタと気づいた。最近、ごはんがまずい。どうにも味が腑抜けている。夫は変わらずうまいうまいと食べてくれるが、それすら「気を遣って言ってくれているのでは!?」と被害妄想丸出しの目で見る始末。すっかり気が重くなってしま

          ときどき、きれいに

          さよならカッシーニ

          無人探査機に弱いのである。 大きな使命を背負わされ、たったひとりで遠い宇宙の旅に出る。目的地に着けば未知の環境で失敗が許されない仕事をして、コンスタントにデータを送り続ける。本当に偉いと思う。その終わりなど見てしまうともうだめだ。たとえば小惑星イトカワに到達し、その地表をサンプルとして地球に持ち帰ったはやぶさ。その身を焦がしながらオーストラリアに帰還する姿は何度見ても泣いてしまう。みずからの死をもって、人類に宇宙の謎を解明するカギを与えてくれたのだ。 太陽系の宝石・土星を

          さよならカッシーニ

          傷つきっぱなしで生きたりしない

          30代の終わり頃、仕事関係の集まりがあった。懇親会で妙に馴れ馴れしい男性がおり、年齢を聞かれたので正直に答えたら「ウゲッ」と顔を歪め、あからさまに素っ気なくなって別のグループのところへ去っていった。わかりやすい人だな。呆れつつもその場は笑顔でやり過ごし、帰ってから少し泣いた。「お前にはもう女として価値なんてねえよ」と言われたような気がしたのだった。こんな台詞は言われていない。私の想像であり、彼は「ウゲッ」のほかは何も言っていないのだ。理屈ではそうわかっていても、私は傷ついたの

          傷つきっぱなしで生きたりしない

          ビター・スイート・ライフ

          NHK「ヒストリア」で法隆寺の宮大工の話を知った。代々続く宮大工の家に生まれた彼は、4歳から現場に連れ出された。他の家の子が遊び回っているすぐそばでノミを砥ぐ日々。できた、と思って持っていくと祖父は一瞥しただけでまるでダメだと否定し、自分の道具箱のノミを見て学べと言う。具体的な指導はせず、答えは自分で見つけろというのだ。さらに宮大工の心得は口伝であり、言ったその場で覚えさせられる。なんという効率の悪さ。つい「私がなんで怒ってるかわかる!?」と叫ぶ女や「俺の背中を見て学べ」と言

          ビター・スイート・ライフ

          長い終わりのあとに

          20年間続けてきた仕事を終わりにした。念のため書いておくと占いではない、別の職業のことである。一番好きなことを仕事にして、夢だったことも叶って、多分一生続けていくんだろうなと思っていたしオファーもいただけていた。けれど2年ほど前に、自分のなかで「もう充分にやった」と思ってしまった瞬間があった。そのときは「まあ長くやってきたし、そういうこともあるだろう」と気にも留めなかった。しかし、である。違和感はどんどん大きくなっていき、「これから」を広げにくくなってしまったのだ。そうした自

          長い終わりのあとに

          捨て場だったころ

          東京に緊急事態宣言が発令された日から長い原稿を書き始め、解除されたその日に最後の句点を打った。はからずして外出自粛を忠実に守り抜いた形となったわけだが、まあよい。何はともあれ体力の限界である。締切が終わったら本を読もう酒も飲もうと思っていたものの、這うようにしてベッドに向かい、ただ泥のように眠る。   *  *  * 人影もまばらな25時の青山通りを、ダークグレーのセダンはすべるように――と言いたいところだが、想像以上にガタピシと走った。夏のはじめの、生ぬるく粘るような空

          捨て場だったころ

          あの日の続きを

          桜のつぼみがほころび始めるずっと前から、外出をしなくなっていた。週に一度くらい、冬眠明けの熊のごとく食材を買い求めに行くほかは、仕事部屋にこもって暮らしている。静かな午後、机に向かっていると、ふと視界がぐらつくような感覚に襲われる。これは、あの生活の続きではないのだろうか。口と心を閉ざし、人とのつながりを断った日々を、私はまだ生きているのではないかと。   *  *  * 良くないことというのはしばしば、吹き溜まりのように寄せ集まってくる。人生のある時期、人に損なわれるこ

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