彼は私が嫌いなわけじゃなかった

出会いは小学校１年生、学童保育にいて、家も近くて気づいたらいつも一緒にいた。ずっと一緒に居るから忘れてたけど、これが恋だって小５ながらに気づいた。
初めてちゃんと好きな人に思いを伝えて、どうやって伝えたのかはわからないけど、付き合えた。一緒に帰れるだけで嬉しくて、笑ってる顔が見られるだけで幸せだった。
その関係は中学校入学まで続いても、その春には終わってしまった。なんとなくいつも冷めている彼が私は少し不満だった。

それでも、一緒に居る心地いい時間とか、部活を頑張ってる姿とかが、彼を忘れさせてくれなくて、中２のときまた好きになっていた。
その時彼には彼女がいた。私の友達だった。
「私も好きなんだ、ごめん。」と伝えたら、
「やっぱりそうなんだ、マキの方がお似合いな気がする。」と友達は言った。
数日後２人は別れたらしい。
今思えば、申し訳ないことをした。
そうしてまた私は思いを伝えた。彼も同じ気持ちだと言ってくれた。

彼といる時間は幸せだったけど、やっぱり彼との間には壁がある。手を繋いだり、ハグをしたり、そんなスキンシップは一切しなかった。
中学生だから？もう周りはみんなしてるのに？私のこと好きじゃないの？
初めて、彼に抱いたけど聞けない疑問だった。

そんなとき、彼と私の共通の男友達に言われた。
彼とその友達の間に性的な関係があった。
でも、意外と驚かなかった。
彼は元々少し男らしくないところがあったり、男友達との距離感は近かった。
私への好きは、私の求めている好きじゃないんだ。中学生ながらに理解した。

理解はしても、自分が一番じゃないことがどうしても嫌で、振ってしまった。
それからも、会えば話すことはあったけど、距離はできてしまった。
でもやっぱり、ずっと好きだった。