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#11 「できないこと」を差別化に

※この記事は「マーケティングをかたらふ夜話」のコンテンツです。よろしければマガジンの方もご覧ください。

マーケティングを考えるときに重要な要素の一つに「差別化」があります。差別化が大切なのは、ライバルとなる商品(または商品群)と何が異なるかを明確にすることで、お客様が選びやすくなる(=購入されやすくなる)からです。

でも、私がサポートのご依頼をいただく会社では、差別化を目指したはずなのにライバルの違いが出せず悩んでいる会社様が時折見られます。そして、このケースの場合、どこもほとんど同じようなやり方で差別化を試みていらっしゃいます。

そのやり方は、ずばりライバルとの機能やスペックなどの比較を最初に実施することです。ライバルの商品と自社の商品の○×表を作るとこで、違いを明確にしようとする方法ですが、この時にライバルが「〇」、自社が「×」の項目を自社も「〇」にしなくてはいけないと考えられる会社が多いようです。そして、それを実施すると、ライバルも「〇」、自社も「〇」で差がなくなってしまうのです。

つまり「できないこと」⇒「できるようにする」方法は、差別化ではなく、ライバルとの同化を生んでしまいやすい方法なのですね。

そこで私がおすすめするのは、ライバルが「〇」、自社が「×」の状態での自社商品のメリットを考えることです。例えば皆さんも毎日使う「マウス」で考えると、私はシンプルな2ボタン+スクロールが好きなのですが、ボタン数がすくないということは表では「×」が増えますが、「コンパクトに収めやすい」「誤クリックが発生しにくい」「壊れにくい」などのメリットがあげられます。

この中の2つを組み合わせて「誤操作しにくいコンパクトなマウス」という特徴を訴求すれば、誤操作に悩んでいる方はもちろん、他ボタンやトラックボール付きのマウスと比較検討されている方にも自然と違いが伝わるようになり、差別化ができてしまいます。

「できないこと」はマイナスではなく、魅力になり、その魅力をうまく伝えることができれば、できないことからの差別化戦略が可能になりますよ!

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