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#15 「すぐに出来できないこと」に力を入れてみる

※この記事は「マーケティングをかたらふ夜話」のコンテンツです。よろしければマガジンの方もご覧ください。

すぐに出来ることはすぐに使えなくなる、これは私の体験として、知識的な面でも、技術的な面でも、ビジネス手法的な面でもほぼ同じです。

例えば、私がサポートさせていただくこともあるSEO対策では、私が本格的にウェブの世界に入った15年前は様々なテクニックが存在し、実際にそれらを駆使することで検索順位を上げることができていました。

しかし、今は、そのようなテクニックはほとんど残っておらず、当時から最も基本だといわれていた優良なコンテンツと自然にキーワードをちりばめたテキスト、そして関連性や信頼性の高いサイトからの被リンクが最も重要となっています。つまり、すぐに使えるテクニックは現在では無力化し、比較的時間と今季を要する質の高いコンテンツと被リンクの形成が重要になっているのです。

また、ECサイトの販促でも短期的な売上には値引きがとても有効ですが、値引きはその店舗のオリジナル商品ではない限り、すぐに他社に追従されてしまいます。一見、わかりやすい差別化に見える値引きですが、それは店舗の体力があれば誰でもマネできてしまうため、継続的な売上アップにはつながりにくいことがほとんどです。また、お客様側も徐々に値引き後の価格に慣れてしまい、自然に効果は薄れます。

半面、時間はかかりますが商品のポジションを再考し、それに合わせた売り方を考えた場合は、比較的継続性の高い売り方になるケースが多いです。

また、これらの最大の問題点はすぐに通用しなくなるだけでなく、そのあとに対策を打ちにくいことです。すぐに使えるテクニックや手法は個々の背景などによらず効果を求めているものであるがゆえに、継続性の高い施策との連続性はほとんどありません。つまり、手詰まりになった瞬間にまったく別の方法を考えざるを得ないので、つまづいた時のリカバリーが非常に難しくなります。(実際にこれまで何度かそういったときに相談いただいたこともありますが、やはりリカバリーは時間を要しました)

結局はすべてビジネスの世界なので、手間と時間をかけて土台がしっかり構築していくことが重要ですね。これは個人のスキルも事業の進め方もまったく同じだと私は思います。

「急がば回れ」ー 私自身、いつも胸の内に置いていますが、冷静になってやるべきことを一つずつ行っていくことがマーケティング全般に関わる人に求められるスキルですね。


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