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倒れそうになっても決して外さない

マスクがしょうもないということを、いろいろなところでサラッと言っても反感を買わない雰囲気になってきた今日この頃。まあ、言いやすい雰囲気になったとて、彼らがマスクを積極的に外すわけではない。無駄だと分かっているが、仕方がないと諦めて従っている人が大半のようだ。

そんな中、わたしはサッカー観戦に出かけた。前回行ったときは天気が悪く、春なのに震えるような気温の中での観戦だったが、昨日は雲一つない晴天で風もあまりなく、ジリジリと照り付ける太陽を帽子でなんとかかわしながらの応援であった。

陣取ったシートは旗振り・太鼓の応援団の後方。その応援団の中には、大きな応援フラッグを振って応援する若くて可愛らしい女性がお一人いらっしゃった。華奢そうな体で体力あるんだなぁと感心して見ていた。しかも、マスク装着で・・・。

大変に暑い天気の中、重たいフラッグを振り続けるというある種の運動を、酸欠を促すマスクをした状態で行うなんて正気の沙汰ではないと思っていたが、やはり後半になり相当しんどそうにしておられた。最後には座り込み、完全なる体調不良のように見えた。

だがしかし、彼女はついぞ最後までマスクを外さなかった(水分補給時以外は)。その根性に驚嘆しつつ、「あー、日本人は死んでもマスクを外さないんだな。死にそうになっても、人から言われたルールの方を大切にするのだな。」と悟った。

そんなにも強い意志を貫けることに、シンプルに称賛の念を抱きつつ、もっと違う方向でその強さを発揮できればいいのになと残念に思った。彼女が倒れて運ばれなくて良かったが、せめて周りの人間(仲間)が常識を働かせ、「ちょっとだけでもマスク外しなよ」と、一声掛けてあげるくらいできないものかと思案しつつ、マスクの(実質)強制の空気がどれほどのパワーを持っているのかを改めて見せつけられた出来事であった。

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