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四国歩き遍路日記 33日目 49番~53番

3月25日

7時半頃出る。今日はいよいよ(現住所の)北条に到着する日だ。

まずはすぐ近くの49番浄土寺へ。そして次に1.7キロ先の50番繁多寺へ向かう。住宅街を歩いていくので混みいっていて迷いやすかったが、味のあるイラストの方向案内がいたる所にあって、なんとか到着。

次は51番石手寺。こちらはなんか雑多というか独特な雰囲気の境内だった。山門が国宝らしい。
本堂の横にもともと防空壕だったらしい洞窟があり、入ってみると、ここもまたカオスな空間だ。かなり暗いので気を付けながらそろそろ進んでいくと、結構歩いてそのまま寺の反対側に出てしまった。
もう一度入る気にならず、外からぐるっとまわって戻る。

石手寺を出て、道後温泉を突っ切っていく(駅周辺はまさに観光地といった趣)。そして護国神社の前を通るのでお参りしていった。今年の正月に初詣に来て以来だ。
そのまま187号を歩いていくと、今度はほんの2か月前までウィークリーマンションを借りて住んでいた本町を通り、少し懐かしい気持ちになる。
はなまるうどんがあったので久しぶりに食べていく。こちらは東京にいたとき以来なので10年ぶりだろう。調子こいて大にしたらさすがに食いすぎであった。

道を間違えたりしながら、市街地からちょっと山の方に入っていく。途中、松山英樹のゴルフ練習場があり、松山出身だったんだと驚く。
そして、53番太山寺に到着。油断していたら結構山の上にあり、細長い参道が続いてなかなか大変であった。こちらも本堂は何気に国宝で、他にもいろいろ貴重な建物があるみたいだ。石手寺にしろこちらにしろ、松山城のお膝元だから、荒廃せずに古いものが残されたんだろうか。

本堂から納経所に向けて坂道を下りていく途中、100人位の集団遍路とすれ違い、納経大丈夫かなーと不安な気持ちになったが、特に待つことはなかった。団体納経は別口でやってるのかもしれない。

山を下りて次は53番へ向かう。市街地の外れにきたのか、だいぶのどかな風景になってきた。

53番円明寺に着くと、入口のところで、地面にあぐらかいてたばこ吸ってるおっさんがいた。遍路笠を深くかぶって顔を隠しているのだが、なんと鉢を置いて托鉢してるようでびっくりした。格好も荷物もどう見ても遍路ではなく、おっさんが笠かぶってたばこ代稼ぎしてるだけである。それでも鉢のなかにそれなりに入っていて(見せ金かもしれないが)、世の中優しい人が多いのだなと思う。


53番を出ると、後は北条に向かって歩くだけである。
347号に合流し、久しぶりの海と遭遇。そのまま海沿いの道を歩いていく。普段、電車で松山に行く時に見ている風景だ。


二時間半ほどひたすら歩き、いよいよいつもの生活圏に入った。
鹿島を見ながら普段散歩している海沿いの道を歩いていく。
そして、セブンで弁当を買って、駅前を抜けて、とうとう自宅に到着。

北条のシンボル 鹿島


一ヶ月間部屋を開けていたので心配だったがまあ無事であった。

しかし、郵便局に不在中の郵便物を取りにいくと、二つ送ったはずのレターパックが一つしか無いと言われる。探してもらっても見つからない。
いったん家に戻り、控えていたレターパックの番号を電話で伝えたら発見された。どうも不在届の期限日に配達するところに入っていたらしい。無事見つかって良かったが、結構ヒヤヒヤさせられた。

帰省から戻った大学生気分

それにしても、郵便物の不在届は最長一ヶ月なので、ちょうどいいタイミングで一時帰宅できる場所にたまたま居を構えていたのが幸いだった。
最初、四国に引っ越そうと思ったとき、深い理由もなく松山に来て、不動産屋に「海に近いところに住みたい」と言って探してもらった部屋だったので、そこが結果的に遍路の通り道だったというのは、思いがけない幸運だった。

久しぶりの自宅だが、まだ遍路は終わったわけではないので酒を飲む気にもなれず、コンビニ飯で済ませて寝る。

泊:自宅


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