叶わない祈り

叶わない祈りはあるかも知れない。
届かない祈りはない。

ここまで書いて筆を止めていた昨年のメモ。僕は何を書こうとしていたのだろうか。

「思い通りのおかげ」という常套句がある。願ったとおりのご利益のことを意味する言葉だ。思い通りになることが最善とは限らない。神さまは願いを受け、もっと広く見渡したうえでマネジメントされているのだから…と。こんな話が続く。

こういうことが言いたかったのだろうか。でもこの言葉からは、もっと差し迫った、ヒリヒリとした状況が浮かび上がるのだ。

もちろん叶ってほしいから願う。そうだけれど。叶わなくとも、届いたという実感が、ぎりぎりの救いになる。そんなことがあるんじゃないだろうか。

神さまは聴いている。確かに。
見守り、共に苦しんでさえくれている。
ただ、直接語りかける術を持たない。
届いていることすら伝えられないもどかしさを携えながら、
「あなたが助かるように」と手を尽くしているのではないか。

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