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着せ替えカメラはインスタント

私を丸ごと、
誰かがプロデュースしてくれたらいいのに
と思ったことはないだろうか。

プロデュースなんて言うと大袈裟だから、「あなたはこれを着て、この髪型で、無邪気に振る舞いましょう」と誰かに決めてほしい、とか。

もしかしたら新しい自分が発見できるかも、
もっといい感じになれるかも、
他者目線でおすすめなら…と。

ドラえもんの着せ替えカメラみたいな
便利さや手軽さを感じるだろうか。

話はそれるのだけど。
ドラえもんの着せ替えカメラって便利にみえて、機能性やおおまかな土地柄・時代感が合ってるだけでお洒落ではないんだよね。

話をもどします。なんでこんな話を始めたかというと
トータルをコーディネートするのって経験と時間と手間がめっちゃかかる。
さらに自分のことを客観的するのもなかなか難しい(と思う)

アイドルちゃんの現場が多かった頃、これはひしひしと、いや、ズッシリと重めに感じる事が多かった。

アイドルというはいつも可愛いのがデフォルトで、一生懸命に笑顔で夢を売る仕事なんだけど、
その“いつも可愛い”は大勢の大人が管理している。

オーディションにくる子たちはまだ学校の廊下ですれ違えそうな純朴さが残っていて『〇〇高校で1番かわいい』と言われてるんだろうなという感じなのだけど、
きっとその地点で売るために管理しやすそうかどうかも吟味されている。
つまり、出来上がっていない子の方が育てやすく好都合なんだろう。

この売るための管理というのはめちゃくちゃ戦略的で、想像してみてほしいのだけど、
・さわやかな高嶺の花清楚系アイドル
・反骨的でクールなかっこいいアイドル
これらをイメージするとビジュアルは絶対異なるはず。

このイメージに合わせて行く作業を“プロデュース”する大人たちが大勢居る。
それくらい外見は売上を左右するほど大事で、
本人まかせに出来ないことなのです。

彼女たちも自分を俯瞰で見るには時間と経験が無いのをわきまえているから、
デビューしたての頃は前髪ひとつでも確認が要って、ぱっつん前髪を分けてもいいか、ハーフアップキャラだけど今日はおろしてもいいか、
アイラインは長くないか、チークは濃すぎないか、膝はみえないかetc…
ことこまかにチェックしてもらっている。

ちなみに本人達の意見はほぼ通らない。
それはワガママを言ってるからじゃなく
彼女たちが経験不足なのか、見当違いなのか、
それとも俯瞰で見てる大人たちが示したものの方がウケがいいからだ。

何年も活動している子なら相談はできるだろうけど、それはもう活動の中で自分の立ち位置や見られ方を熟知しているからだろう。
ファンが求めているものと、自分の好みが完全一致している子ならハッピーだけど、
ある程度折り合いをつけているんだろうなという印象を受ける。

私はこの様子をそばで見ていて、
戦略的で的確ですごい!と思うと同時に
彼女たちは苦しくないのかなと思っていた。
それも含めてアイドル、と言われればそれまでなのだけど。

われわれ一般人は
プロデューサーが居たら…望んだ私になれる?

例えばイメコンにお願いしたとして、あなたに似合うのはこれ☆とトータルコーディネートしてもらう時、
あなたの気持ちは置いてけぼりにできない。

似合ってるって思われたい!や
プロデュースしてもらったわたしで最高!なら何も言うことないんだけど、
好みや性格、生活スタイル諸々のその人にしか感じられない部分は他人に任せちゃいけないと思う。

スタイルアップより好きなテイストを着る方がハッピーな人も居れば、
パーソナルカラーより性格に合った色を着た方が心地良い人も居る。
好みなんて言われても、、、
という方も居るかもしれないけど、最初は違和感を感じることから始めてほしい、時間はかかってもきっと得るものがあるから。

人は違和感の方が気付きやすいから、
似合うとされる物を着てみてどう感じるか?
好きな物を着て周りの反応はどうか?
その反応を受けてどう感じるか?


違和感を見つめて無くしていけば、きっと自分史上1番好きになれる自分が待ってるはず

アイドルでは無いわたしたち
自分をプロデュースする事をもっと楽しみたい
舵を切れるのは本人だから。








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