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妊活日記―傷つける…自分と大切な人

2023/5/22(月):夫婦の妊活日記㉚
※この投稿は妊娠・流産・不妊治療の日々を思い出して書いています。この記事を書いている私は、まだ夫婦でがんばって不妊治療中です!



 流産の悲しみが癒えないままに、それでも癒えたようなふりをして生活を続けていた日々…夫のリモートワークのスタートによって夫婦の関係が変化していきました。
 夫の家での仕事の仕方や、私との約束について悩んでいたこの頃。私は気が付けば、自分で髪の毛を抜いてしまったり自分の手をひっかくような行動をするようになっていきました。夫を責めたい気持ちになった時、罪悪感に似た感情を抱いた時、私は言葉を吐き出す代わりに左手の甲に爪を立て、髪の毛をブチブチと抜いていました。
 自分で自分の看過できない変化に気付いていながらも、罪悪感でいっぱいだった私は、
「夫が働いてくれたお金を、自分の病院代に使うなんていけない」
と思い込み、病院に行くこともなく夫にも言わずに一人で傷だらけの手を、抜けた髪の毛を見ては泣いていました。
 
 夫が仕事の人と楽しそうに話していればいるほど、私の身体には傷が増えていき、夫を好ましく思えなくなる…そんな歪な状態が続いていました。

 夫に簡単に破られてしまうリモートワークのルールを恨みがましく見つめながら
「どうして約束を守ってくれないの?」
「どうして分かってくれないの?」
そんな気持ちを夫にぶつけては、夫を責めて、責めた自分がまた嫌になって、泣けて自分のことをしまう…そんな日々を繰り返しては姉や母に電話で話を聞いてもらって…夫にとってもこの時期は、私が何でこんなに起こるのか分からずにきつかったんだろうな…そう反省しています。

 ケンカをした週末のこと、夫と違う部屋で過ごしていたのですが、夫が電話をしているのが聞こえてきました。
「本人は違うって言ってるけど、多分会社の女の子と話してるからやきもちやいてるんやろう」
夫が義姉に話していた言葉…身体が震えるほどの怒りを感じました。
 正直、それはある意味では本当だったから。
 でも、夫が想像している「やきもち」とはきっと全く違うものでした。

 …夫が約束を守らない時、夜遅くまでしていた夫のしている内容は、仕事のメンバーと話すこと。その相手は上司の年上女性や後輩の若い女の子、若い男の子。話の内容も夫の仕事のことだけでないおしゃべりが沢山聞こえてきて、それは深夜まで続くことも少なくありませんでした。私にとっては
「それが仕事?このおしゃべりの為に私は…」
と思わずにはいられずに何度も嫌な聞き方をし、対して夫は
「家で一人でリモートしてるからストレス貯めてるし、俺が話を聞いてあげないと…」
と困ったような叱られた子どものような顔で説明を繰り返していました。
「一緒に生活している私のことは気にかけてもくれないのに、他人には夜中まで付き合えるの?」
そんな本音を感じずにはいられませんでした。
 私のことは存在も忘れたかのように振る舞い、一言ですむ連絡の約束でさえ守ってくれない夫は、仕事のメンバーのケアに夢中になっている…そんな現実にドンドン勝手に追い込まれていき、若い女の子と話す夫の姿を見ながら
「この子とだったら夫は父親になれたかも知れないのに…夫は私が妻で可哀そうだ。子どもを殺したから、私は夫に約束さえ守ってもらえないんだ」
そんな気持ちを膨らませていきました。
 そう、確かに夫が言うように流産の傷が癒えていなかった私は、確かにある種のやきもちを妬いていたのです。
 でもそのやきもちの方向は夫の想定しているものと少し違っていて、「生めなかった女」が「生めるかもしれない女」へのそれであって、夫への独占欲とは別のもの。夫はこの時まだ私が流産を引きずっているとは想像もしていなかったと思います。
 
 そしていつも夫を責めてしまう妻から無意識に距離を置きたい思いから、夫はメンバーのメンタルフォローの方を選んでいたのではないかと思うのです。「仕事だから」「皆がストレスを貯めているから」なんて言葉を盾にして…
 私にとって一番辛かった時期…夫にとっても辛い時期だったのだろうと思います。
 この時、本音を話せていたらもう少し傷つけずにすんだかも知れない…夫には申し訳ないことを沢山してきたけれど、この日々のお陰で今の幸せが迎えられているのも事実。
 この経験をしておいて良かったと心底思います。
 もがいてよかった。離れる決断をしなくてよかった。生きててよかった。

今日はここまで!
こんな辛かった日々の末に、今の幸せがあること…感謝をしながら、今日の日々も紡いでいきたいと思います。
また良かったら見に来てくださいね。

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