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リファラル採用・社員紹介の活性化と、上手くいかない組織の黄色信号
ITエンジニアの提示給与の高騰、人材紹介会社のフィーアップ、スカウト開封率の低下に対する工数・費用増加などが発生しています。そんな中、コストパフォーマンスの高い採用チャンネルとして期待が寄せられる採用チャンネルがリファラル採用(社員紹介)です。大多数をリファラル採用にするとおかしなことになりますが、程よく混ぜる分には必須な採用チャンネルであると考えています。
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芳しくないリファラル採用の背景
各社さんと接触する上でリファラル採用の状況をヒアリングしていますが、芳しくない企業さんは多くあります。認知がうまく行っていない状態であれば後述する対策で改善が見込めます。しかしリファラル採用以前の問題の組織もあります。
昨今Twitterの人事界隈で耳にすることに「採用に力を入れている企業は多いが、入った後の定着などには無頓着なケースが多いのではないか」ということがあります。会社の雰囲気とか社員のエンゲージメントなどのようなものは売り上げ貢献に直結しないため早々に考慮から除外してしまう企業が見られます。
会社の魅力についてヒアリングをしていくと、「ヒトは良い」という最終防衛ラインがあって、それを越えてしまうと何も出なくなる現象というのが散見される。
— 久松剛 (@makaibito) February 14, 2022
働き方が不健康な場合や、会社の雰囲気が殺伐としている場合、そんなところに友人知人を紹介するはずがありません。コミュニケーション不足な場合もあれば、何かしらのハラスメントがある場合もあります。リファラルなどは好例で、社内の雰囲気を改善することで紹介数が増えれば採用コストという形で可視化されていく可能性があります。
不機嫌な組織の場合、リファラル奨励金が多かったとしても紹介に繋がらないことさえあります。組織が不機嫌な状態で起きるリファラルは、愛社精神が残っている人の起死回生を狙っての紹介か、どうでも良い薄い知人かのどちらかです。後者は私自身も何例か見たことがあります。「リファラル奨励金を目当てに後輩の知人を紹介」「バーで隣に座った仕事の愚痴を言っていた人を捕まえてきた」といった紹介がありました。そして紹介者はいずれも程なくして退職しました。
リファラル採用の活性化施策
実際に私がこれまでの組織で実施してきたリファラル採用の活性化施策と、他社事例についてお話ししていきます。
企業や事業についての口説き文句を社員に伝授する
ジョブ型雇用とリモートワークが進む昨今、自身のチーム外や、担当領域以外はあまり何をしているか分からない社員は増えています。集会などでリファラルについてのアナウンスをする際、下記のようなインプットを合わせて実施すると効果的です。
自社の方向性
自社の強み
候補者への一般的な口説き文句、他社から自社へのよくある転職理由
他の事業はどういったものがあるか
募集しているポジションは何か
長期休暇前に告知をする
帰省や飲み会など、旧友らとの接触が多いことが期待できる長期休暇前に社内で改めてリファラルの告知をするというのは非常に有効です。先の口説き文句とセットで伝達することで効果が期待できます。人事部からエンジニア部門長に直接告知を依頼するなどもセットで実施するのも効果的です。
讃える文化がある
リファラルがうまくいっている企業さんの話や、実際のコミュニケーションを見学させて貰うと、週次で誰からの紹介があったかという報告と称賛を行なっているという共通点がありました。ある会社さんはSlackの採用チャンネルで、またある会社さんは週次の会議で実施されていました。
リファラル採用は自分の交友関係を供出する側面があるため、全社的に「紹介しても良いんだ」「みんな紹介しているんだ」という雰囲気を作っていくことは重要です。逆に「誰も紹介してくれません」という嘆きの共有は社員に訳ありに聞こえるため、「友人知人を紹介するとまずいのではないか」と萎縮してしまうリスクがあります。
同様にノルマのように紹介者数を強制するのも反発が起きやすいのでお勧めできません。保険会社やカード会社で親族を加入者として差し出すことと似たようなものです。
面接をして不合格だった場合、紹介者に丁寧なフィードバックをする
私が最も気をつけているポイントがこれです。紹介者が交友関係から紹介してくれている以上、フィードバックを気をつけないと紹介者のモチベーションを削いだり転職したりするリスクがあります。しかし誰でも入れて良いわけでもないですし、そこで妥協して組織が沈没していくのも宜しくありません。そこで次に繋がるようなフィードバックを本人に伝えるのとは別に紹介者へも個別で実施するようにしています。極力対面やビデオ会議などで伝えるのが良いでしょう。
リファラル紹介数・面談通過率は既存社員のエンゲージメントの鏡
世間にエンゲージメントサーベイの類が多い中、私宛にもどういったものが良いかご相談をいただくことがあります。しかし究極的なところでいくとリファラル紹介数、紹介した人の数、一次選考突破率あたりを見ることで大凡代替できるものではないかと考えています。リファラル紹介数・面談通過率のこの二つは社員一人一人が人脈を駆使しながら会社の仲間を増やしていこうという動きに他なりません。つまりこれらの数字が高ければ会社が好きな社員が多いということですし、全くないということであれば制度が知られていないか、紹介する価値を感じられていないかのいずれかになるでしょう。
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