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【反響まとめと採用対策】採用市場にほぼ居ない中堅エンジニア

前回コンテンツの「採用市場に中堅エンジニアがほぼ居ない」について多数の反響を頂きました。引用RTやコメントで追加情報も頂きましたので、そのままにするのも勿体ないと思いまとめて行きます。

「観測範囲と一致」の声が多く、共感を持って拡がった

今回席巻したのは「共感」の声でした。

個別に議論させて頂いた中で出てきたものとしては、ITエンジニア採用市場に対してはっきりと「居ない」と言い切った話は少なかったのではないかということです。

このあたりは2019年にITエンジニア新卒採用がAI/機械学習人材に溢れていて特に逆求人イベントにてWEBプログラマ志望が5分くらいしか居なかった頃(割ではない。本当に何で呼んだんだ?と怒っていました)に心当たりがあります。

現場の若手エンジニアから「うちは採用力が落ちたのですか?」と言われたのです。「何を言ってるんだ。居ないんだぞ?」という気持ちを抑え、採用市場を見てみてから言ってくれという内容をやんわりと伝えていました。今は中堅エンジニアにてそういうことが起きて居るということです。

現場からは人が欲しい。

でも来ない。

何故?

人事採用担当が弱いの?

と思われているところに「そもそも居ないよ」と言い切ったことで、共感を纏って響いていったようです。

一方で「そんなことないよ、居るよ」というコメントしてきた方々のプロフィールには外資コンサルとかユニコーン企業の名前が踊っていたりして、「ちゃんと読んでね」と思った次第です。

観測拠点によって異なる流出先

「私の周りだと○○が多い・圧倒的」という○○が人によってはGAFA、ある人は外資コンサル、ある人はユニコーン、またある人はSeed期ベンチャーと異なりました。細かい職種、年収帯、ライフステージなどによって異なるようです。これは紹介会社によっても異なり、主戦場やブランディングの違いが感じられました。

では実際に頂いたコメントの中で興味深かったものをご紹介していきます。

【外資コンサル】人材紹介会社の「とりあえず外コン」

人材紹介の領域では成約報酬として入社時の年収のn %を紹介会社に支払う契約が一般的です。ITエンジニアだと未経験を除けば35-40%が相場です。

ここについて外資コンサルコンサル界隈で一時は紹介フィーが100%を越えていたようです。こうした高騰は時折見られるもので、ソーシャルゲームブームだった頃にもありました。バブルの象徴みたいな減少です。拗らせると120%とかで殴り合います。

勢い「採用注力企業認定」されることから「とりあえず外コン」の流れが産まれます。

今では少し落ち着いたというコメントもありました。ここの吸引力が落ち着くとまた採用市場は変わりそうです。

【外資コンサル】入社後の圧と退職

若手エンジニア界隈で人気の自社サービス。しかし外資コンサルになると事情は異なり、「クライアントワーク未経験の自社サービスでぬくぬくしとしてた人が来た」とマウンティングされているという話や、「時間外に働くよね」という圧を感じているという話がありました。

外資コンサルを短期退職する理由としては「高い年収に対してバリューが出せずに申し訳ない」となるケースが多いとも聞きます。

心身の健康が第一です。皆様、ご安全に。

【外資コンサル】外から見た質の劣化説

非コンサルの方々を中心に「最近外資コンサルの質がひどい」というコメントがいくつかありました。強過ぎる吸引力の対価でしょう。

一方で、ちょこさんのこういう投稿が流れてきました。これは非常に含蓄があると思っていまして、強い育成環境があることで一定期間で立ち上げられるというお話でしょう。その自身が各社にはあるということかと。

20年前のインターネットインフラ研究の世界も「来るもの拒まず、去るもの追わず」が体現でき、強い人材の育成が可能でした。しかしこれは人が辞めても気にしないほどドンドン入って来ないと成立できないお話です。

SHIFTさん

国内企業で採用実績情報が上がっているのがSHIFTさんです。人材紹介でも外資コンサルと並んで紹介されるとのことです。エンジニア数は6000人に届く勢いで右肩上がりです。

QAの印象が強いですがそれは過去のイメージで、開発やセキュリティを始め、全方向でグループ化されています。

【Seed期スタートアップ】0→1と1→10以降の違い

寄せられたSeed期スタートアップの魅力は下記なようです。

・使いたい技術で実装できる

・どこかの誰かの技術的負債に付き合わなくて良い

・面倒な決まりごとがない

・資金調達しやすいこともあり、待遇も悪くないケースがある

待遇のところは外資コンサル程ではありませんが、なかなか注意が必要です。どれだけ資金調達したのか分からないのですが、前年収1.2-1.5倍の給与提示をしてくるSeed期スタートアップとかあったりします。これが強い。自由・裁量+年収UP。相場を意識しているのかは不明で、人件費と採用費で潰れそうですが。

また、ある程度のスキルのあるフリーランスが依頼主の依頼に嫌気が差し、Seed期スタートアップに収まるケースもあるとのことです。

【主にフリーランス】縁がなく、都市でもない地域への地方移住組の行方

都会から実家でもなく、親戚や友人も居ない地域に引っ越されたフリーランスや正社員の方は動く気配がありそうです。

社会的な繋がりが理由なような方もあれば、物価を基準に選んだら住みにくかったような方も居られますね。

特に前者の繋がりについては雇い主との案件だけの繋がりだと精神的に厳しく、ヒトが社会的な生き物であることを感じさせられます。ただこれは「案件の話しかしない」「カメラOFFのみの会議しかない」「上司の顔を見たことがない」リモートワーク100%正社員にも見られ、いわゆる帰属意識の問題が出てきます。

【フリーランス】上記以外の経験者フリーランスの課題は今は「健康」くらいしか課題がない

未経験・微経験フリーランス(0-2年)や、週3-4日の人材でない限り、案件に困ったような話はありませんでした。

逆に聞くのは健康です。働けなくなるとその分、収入にダイレクトに影響します。

複数案件によるオーバーワーク、案件に対する能力不足、さしてメンタルが良くない状態で仕事を受け続けたりすることで、ある日連絡が取れなくなったという話をよく耳にします。訴訟だ!と息巻いている経営者の話や、実際に訴えられて家族離散の話も流れてきました。

皆様、ご安全に。

【採用経路】リファラル活用は存分に

先のコンテンツの人気企業で採用戦略をするとなるとリファラルは有効なチャンネルなようです。社内への呼びかけなどは継続して行うべきでしょう。

これは私が意識してやっていることですが、長期休暇がある場合は旧友と会う機会が増えてくるので休暇前の告知はオススメです。

【アルムナイ】出口戦略

特に外資コンサル、企業、Seed期のスタートアップなどからのUターンを想定したアルムナイについても反響がありました。

特に一部SIerではアルムナイ運用しているという声も頂いています。出戻りをOKとする一方で「しっかり引き継いでもらう」という握りをしているお話もあり、合理性を感じました。

【開発リソース確保としてのM&A】始めている会社はある

純粋な開発リソース確保としてのM&Aを実施されている方のお話しも聞こえてきました。

SIerを買収するだけでなく、自社サービスのこれからの開発方針と似たベンチャーの買収をする会社さんもあるようです。マネーフォワードさんなどはこの界隈の文化統合の話などで登壇されていたりします。

【まとめ】皆様、ご安全に

待遇、企業名、職種名、体験、何かしらの自由。

別にこれらの何を転職の優先順位にして頂いても構わないのですが、それが各人に向いているかどうかは別問題です。

健康的に自分が納得できるキャリアを探すのがポイントでしょう。下記の科学的な適職は、様々な角度からキャリア選択を見る一冊となります。サムネイルの表紙下半分は煽りすぎていると思いますが。

【番外】Z世代怖い

中堅エンジニアではないのですが、こうした声を頂きました。

フォロワー数で情報の良し悪しを判断されていた方からの驚きの声です。

私はこのnoteで派手なことを言ったり、過度な期待を抱かせたり、オンラインサロンを開く予定もありません。いつまでにフォロワーを△△人を達成しないと行けないこともありません。

このnoteを通じてお仕事のご相談を頂けたりしており、お地蔵さん感覚でたまに何か玄関先に届くと喜ぶというそんなお話です。

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