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大学・大学院を途中退学が頭をよぎった際に見てほしい5つの観点

 お陰様で学生の皆様にもご覧いただくことが増えている当noteですが、DMにて頂いた相談に表題の「退学を迷っています」というお話がありました。前回エントリに引き続き、下記立場からお話をします。

・オーバードクター・博士持ち(政策・メディア)
・12年に渡って大学にて就活生を観察してきた大学人
・Acadexitした人
・企業のリクルーター
・人材紹介会社でのエージェント教育担当

 退学経験がある方にはたくさんお会いしてきました。生命に関わる何かがある方や、金銭的に如何ともし難い方については例外的なところもあります。ただ、就活で頭が社会人モードになったり、内定が出て早く働きたくなったり、インフルエンサーの発言を見て大学に通う意味とは?とか思った方には特に読んでみて頂ければと思います。

現在内定を持っている方・選考に乗っている方(学位問わず)


 基本的に企業側は「現在の大学・大学院を卒業・修了してから入社してくる」という前提で動いています。例えばあなたが大学院生の場合、企業の採用担当者は「大学院 1」でカウントしています。そのためあなたが大学院生で無くなった場合、人事は混乱します。

 多くの内定承諾書にも卒業・修了要件が必須要件として記載されています。退学する可能性がある場合はただちに選考中の人事に相談することが必要です。最悪の場合は内定通知書で記された要件を満たしていないという形で内定取り消しに合うケースも想定されます。

今後の転職活動の観点(学位問わず)

 この先の転職面接において、大学・大学院を退学したことについての質問が来る可能性が高いです。これは博士<修士<学士の順でクリティカルになります。博士に関しては企業内に博士が居ない場合は想像できないので有耶無耶になるケースもあります。人気企業の場合、「完遂する力がない」と書類で弾かれるリスクも上記の順で存在します。

 面接では「何故中退したのか」に加え、「何故進学してしまったのか」も聞かれることになります。「実はやりたくなかった」「面白くなかった」という回答は「すぐに辞めそう」なイメージに繋がり不利になります。自分自身で「何故退学したいのか」を自問自答し、前向きな形で周囲に話せるかどうかあたりをつけておきましょう。

今後関わるプロジェクトの観点(特に大学院)

 近年ですと農業×IT、医療×IT、製造業×ITなどのDXと呼ばれる動きがあります。この時に現在の専門分野×ITが活きる可能性があります。今後DXのプロジェクトに遭遇した場合も、修了した人に任せるか、途中で辞めてしまった人かで任せる・任せないのジャッジに晒される可能性があります。

 また、下記のエントリの後半にあるのですが、専門分野といってもピラミッドの頂点を生かす/生かさないの話だけではありません。数階層下の基礎知識・応用知識が×IT時に役立つことがあります(ピラミッドは私の事例)。

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待遇の観点(大学院)


 外資系や理系研究職では修士号の取得により待遇が違うケースがあります。学位のレベルによってあるところから役職に限界がある会社も存在します。今後のあなたの展開によって、出世の要件に学位が必要になるかも知れません。退学したのにまた入りなおすコストを払うのも微妙ですよね。

大学で得られる重要なもの(学位問わず)

 Twitterなどで情報に触れていると「大学に通う意味なくない?」という言葉が時折溢れます。学位を取得していないのに学位の効力を語るのは笑止ですが、12年大学に居た身として大学・大学院で是非とも経験すべきことをお話ししたいと思います。

 それは論文や発表(練習含む)時のディスカッションです。専門性の高さだけ注目すると当該研究分野に関するポジションでないと効力を発揮しにくいところですが、このディスカッションの経験と能力については幅広く活きます。もし研究室の指導が厳しいというのであれば、それはディスカッションの経験が積めるチャンスである可能性が高いです。もし大学・大学院生活が退屈で仕方がなければ、そうしたディスカッションの経験が積める研究室や授業の扉を叩きましょう。

まとめ

「興味がわかない」というレベルであれば卒業・修了まで走り切ったほうが良いです。学部なら尚更です。健康を害するほど「嫌でしょうがない」というレベルであれば致し方ないですが、もし退学を選択する場合は退学理由を準備し、自分と周囲に対してプレゼンをしてみてどう反応されるかを見てみましょう。



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